Open3

メール仕様に関して RFC5322

okita kamegorookita kamegoro

RFC 5322 3.6.2 Originator Fields 概要

https://datatracker.ietf.org/doc/html/rfc5322#section-3.6.2
日本語: https://tex2e.github.io/rfc-translater/html/rfc5322.html#3-6-2--Originator-Fields
併せて読みたい
https://learn.microsoft.com/ja-jp/defender-office-365/anti-phishing-from-email-address-validation

1. 発信者フィールドの種類

RFC 5322 3.6.2で定義される発信者フィールドは以下の3つです:

  • From
  • Sender
  • Reply-To

2. 各フィールドの詳細

2.1 From フィールド

  • 目的: メッセージの著者(author(s))を指定する
  • 必須: はい
  • 内容: 1つ以上のmailbox仕様を含む
  • 形式: From: mailbox-list CRLF
  • 特記事項:
    • メッセージの執筆に責任を持つ人物やシステムのメールボックスを指定
    • 複数のmailboxを指定する場合はgroup構文を使用可能
    • メッセージの著者に属さないメールボックスを含めるべきではない

2.2 Sender フィールド

  • 目的: メッセージの実際の送信者を指定する
  • 必須: 条件付き(Fromフィールドに複数のmailboxが指定されている場合)
  • 内容: 単一のmailbox仕様のみを含む
  • 形式: Sender: mailbox CRLF
  • 特記事項:
    • 実際のメッセージ送信を担当する代理人のメールボックスを指定
    • Fromフィールドが単一のメールボックスを指定し、著者と送信者が同一の場合は使用すべきではない

2.3 Reply-To フィールド

  • 目的: 返信の送信先を指定する
  • 必須: いいえ(オプショナル)
  • 内容: 1つ以上のアドレスを含む
  • 形式: Reply-To: address-list CRLF
  • 特記事項:
    • 著者が推奨する返信先アドレスを指定

3. フィールドの使用規則

  1. Fromフィールドが1つのmailboxを含む場合:

    • Senderフィールドは省略可能
    • 著者と送信者が同一の場合、Senderフィールドは使用すべきではない
  2. Fromフィールドが複数のmailboxを含む場合:

    • Senderフィールドは必須
  3. 著者と送信者が異なる場合(例:秘書が他の人のために送信する場合):

    • FromフィールドとSenderフィールドの両方を使用すべき
    • From: 実際の著者のメールボックス
    • Sender: 送信を行った人(例:秘書)のメールボックス
  4. 送信者情報の解釈:

    • 送信者情報は常に存在する
    • Senderフィールドの不在は、送信責任者が指定されていないことを意味しない
    • Senderフィールドの不在は、送信者が著者と同一であることを示す

4. 返信時の動作

  1. Reply-Toフィールドがある場合:

    • Reply-Toフィールドで指定されたアドレスに返信すべき
  2. Reply-Toフィールドがない場合:

    • デフォルトでFromフィールドのメールボックスに返信すべき
    • ただし、返信を作成する人物が別途指定する場合を除く

5. 重要な注意点

  • Fromフィールドには、メッセージの著者に属さないメールボックスを含めるべきではない
  • 送信者情報は常に存在する。Senderフィールドの不在は、送信者が著者と同一であることを示す
  • これらのフィールドは、メッセージのヘッダー部分で使用され、発信元や返信先の指定に重要な役割を果たす