⛳
受託開発における「KGI・KPI・KSF」徹底活用ガイド
はじめに
「受託開発で追加要件が止まらず、プロジェクトがいつまでも終わらない…」
「気づいたら無償対応だらけで赤字に…」
「リスクを見落としていて、後半で大幅な手戻りが発生…」
こうした悩みを防ぐカギとして、KGI(Key Goal Indicator)・KPI(Key Performance Indicator)・**KSF(Key Success Factor)**の三位一体でマネジメントする方法があります。
- KGI: プロジェクトの最終ゴール(いつ、どんな条件で完了するか)
- KPI: 進捗やチャージビリティ、リスク管理などを「数値」で可視化し、早期に問題発見
- KSF: それらを実現するための「必須ルール・プロセス」
本記事では、Mermaid図や絵文字を交えて、リスク管理も含めた「納期・コスト・品質・リスク」のバランスを取るためのヒントを解説します。ぜひ参考にしてみてください。
1. ⭐ KGI・KPI・KSFの関係をMermaid図で理解しよう
- KGI: プロジェクトの北極星(例:○月○日までに差戻しゼロで納品)
- KPI: 「現在地」を数字で把握し、遅延やリスク、無償対応の増加を早期発見
-
KSF: KPIを活かすための“絶対に守るルール”
- 例: 週次レビュー、追加要件の承認フロー、作業時間トラッキング、リスクレビュー会議など
2. 🤔 なぜ「今」KGI・KPI・KSFが必要なのか
-
追加要件・仕様変更が頻発する受託開発
- スコープが曖昧だと無償対応が膨らみ、赤字に直結。
-
KGIを明確にしないと、ゴールが延々と動く
- 顧客から「もう少し修正を…」が続くと、プロジェクトが終わらない。
-
KPIで進捗・リスクを把握し、交渉しやすく
- 数値を根拠に、追加予算や納期再調整を顧客とスムーズに協議。
-
KSFが形骸化すると意味がない
- 「週次レビューしよう」と決めても忙しさで流れてしまう… では改善しようがない。
3. 🎯 まずは「KGI」を決める
3-1. KGIの例
-
「○月○日までに、顧客から差戻しゼロで最終承認を得る」
- 日付と差戻し件数を基準に“完成”を定義。
-
「契約スコープ(SOW)をすべて満たし、追加要件も別途契約で精算完了」
- スコープ管理&チャージビリティを最優先にする。
ポイント: KGIを明確にしないと「あともうちょっと…」が際限なく続く。
4. 📊 KPIで“遅延やリスク”を早期発見
4-1. 基本の3つ(小〜中規模案件向け)
-
マイルストーン達成率
- 設定したレビューポイントを、期限内にどれだけクリアしているか。
- 納期遅延を早期に検知。
-
追加要件の見積提示率
- スコープ外の作業に対し、必ず見積書を出して顧客承認を取れているか。
- チャージビリティ確保のカギ。
-
レビュー差戻し回数
- 成果物やドキュメントがどの程度やり直しを食らっているか。
- 差戻し多発は工数増&納期トラブルの温床。
4-2. リスク管理をKPI化する
「リスク管理」をないがしろにすると、後半で大きな手戻りやコスト増が発覚しがちです。
- リスクレビュー実施率: 月1回のリスク会議がちゃんと開けているか。
- リスク登録率: 新たなリスク(外部APIの変更、顧客担当者変更など)がどれだけ早くリストに載っているか。
- リスク対策完了率: リスクへの対策案がどれだけ履行されているか。
数値例の補足
- リスクレビューを1回スキップしただけで、大きな仕様変更を見落としてしまい、2週間分の工数が無駄に…
- こうした事態を防ぐためにも、「リスクレビュー実施率100%」など明確な指標をKPIとして設定するとよい。
5. 💡 KSFで「必ず守る」プロセスを定義
KPIを導入しても、運用する仕組み(KSF)が無ければ形骸化してしまいます。以下の例を参考にして、必須ルールを明文化してみましょう。
5-1. 週次レビューの徹底
- 行動: 毎週○曜日に○時間、KPI数値を確認 → 追加要件の有無、リスクの洗い出しを行う
- 失敗パターン: 忙しさでキャンセルが相次ぎ、気づいたら大幅な遅延に…
5-2. 追加要件の承認フロー
- 行動: 口頭合意はNG。「見積書 → 顧客合意 → 作業着手」で必ず書面化
- 失敗パターン: 口頭で「これもやっておいて」と言われ続け、無償対応が膨大に…
5-3. リスク管理ミーティング(リスクレビュー)
- 行動: 月1回以上、リスクログを更新し、対策を再検討。
- 狙い: 外部要因(API変更、メンバー入れ替えなど)や追加要件の波及影響を見落とさない。
- 失敗パターン: リスク会議を忘れて後回しにし、後半で大炎上。
5-4. 作業時間のトラッキング
- 行動: 全メンバーが週1回、実作業工数を報告ツールやシートに記録
- 狙い: 「ミーティング○時間」「レビュー○時間」など、無償対応を可視化し、チャージビリティを維持。
6. 💰 チャージビリティ×リスクの管理
- リスク対応に追加の工数が発生したら、どう追加予算を確保するか。
- たとえば外部APIバージョン変更の影響が大きい場合、顧客と早めに相談し、納期・予算の再調整をかける。
- KSFとして: 「リスクが顕在化したら、追加要件と同様に見積を提出 → 承認後作業」というフローを必須化しておく。
- KPIとして: 「リスク対策の追加費用を合意できた割合」を追ってもよい。
7. 😱 失敗例と😆成功例
7-1. 😱 失敗例:リスクレビューを怠って大炎上
- 背景: 「外部APIに互換性がなくなるかも?」というリスクがあったが、忙しくてリスク会議をスキップ
- 結果: 後半でAPI使用不可が発覚し、2週間分の再設計・再実装が必要 → 納期1か月遅延、追加費用も請求できず赤字に…
- 教訓: リスク管理をKSFに加え、リスクレビュー実施率をKPI化していれば防げたはず。
7-2. 😆 成功例:KPI×KSFで早期交渉
- 背景: 週次レビュー(KSF)で「マイルストーン達成率」「追加要件見積提示率」「リスクレビュー実施率」(KPI)を欠かさずチェック
- 結果: 追加要件&リスク対応が増えそうなタイミングで即座に顧客と交渉 → 追加リソース確保で納期死守&黒字キープ
- 教訓: 「ルール(KSF)+ 数値(KPI)+ 合意済みのゴール(KGI)」の三位一体運用が効いた。
8. 📑「どれを導入する?」簡易表でまとめ
規模・状況 | おすすめKPI | おすすめKSF(必須プロセス) |
---|---|---|
小〜中規模案件 | 1. マイルストーン達成率 2. 追加要件の見積提示率 3. レビュー差戻し回数 |
- 週次レビューの徹底 - 追加要件は必ず見積合意 - リスクレビュー(月1回) - 作業時間トラッキング |
開発を伴う大規模案件 | - 不具合検出件数 - テストパス率 - リスク登録率 |
- コードレビュー体制 - リスク会議の定期開催 - リリース計画のマイルストーン管理 |
品質重視案件 | - レビュー差戻し回数 - 不具合再発率 - レビュー時間確保率 |
- 内部レビューに1機能あたり最低○時間 - QAチームによる事前テスト - リスク管理ミーティング |
チャージビリティ重視 | - 追加要件の回収率 - 工数漏れ率 - リスク対策費用合意率 |
- 追加要件の承認フロー - 作業工数の可視化 - リスクの影響が大きい場合は即時顧客と予算交渉 |
ポイント: KSFで「必ずやること」を定め、それがどの程度できているかをKPIで数値化し、**最終ゴール(KGI)**と常に比較しながら進める。
9. 🏁 改善管理プラン:PDCAを回そう
9-1. 改善リストを作成
- 方法: ExcelやGoogleスプレッドシートなどで「改善項目」「担当者」「完了期日」などを管理
- 例: 「リスクレビューを必須化(KSF化)」「KPIにリスク登録率を追加」など
9-2. 定期レビュー
- 行動: 週次 or 月次の定例で「改善リスト」の進捗状況を確認
- 狙い: 改善点が放置されず、形骸化しないようにする
9-3. 成果確認とアップデート
- 行動: 1~3カ月ごとに「うまく回っているか」を振り返り、さらにブラッシュアップ
- 狙い: 「リスクレビューの頻度は妥当? もっと短くてもいい?」など、継続的に最適化
10. 🏆 まとめ
- KGI: 「プロジェクトをいつ・どんな条件で終わりとするか」の北極星
- KPI: 進捗・品質・チャージビリティ・リスクなどを数値で捉え、早期に問題を発見する羅針盤
- KSF: それらを形骸化させないための「必須ルール・プロセス」(週次レビュー、承認フロー、作業時間トラッキング、リスクレビューなど)
リスク管理をKSFに含め、リスクレビューやリスク登録率などをKPI化すれば、受託開発でありがちな「後半で想定外の炎上」という事態をかなり減らせます。
さらにチャージビリティや追加要件管理を同時に意識して、**「納期・コスト・品質・リスク」**のバランスを取るのがプロジェクト成功のポイントです。
- ⭐ Mermaid図を使ったり、絵文字を入れたりして、チーム全員の共通理解を深める
- 🔍 数値例で「このままだと工数が○○時間超過…」と示すと、説得力が増す
- 🏷️ 改善管理プラン(Excelやツールで追跡)でPDCAサイクルを回してブラッシュアップ
これらを組み合わせることで、受託開発の「スコープ肥大&リスク大爆発」という最悪のシナリオを回避し、顧客満足度の高いプロジェクト運営が可能になるはずです。ぜひ試してみてください。応援しています!
Discussion