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OutSystems Expert認定までのAI活用術: ChatGPT学習モード × NotebookLM

に公開

OutSystems Advent Calendar 2025、3日目の記事です。

はじめに

こんにちは、おけぽよです。2023年からコミュニティでの登壇を中心に活動しています。「自己紹介で乃木坂46の話をする人」「乃木坂46のTシャツを着ている人」に心当たりがあれば、それは私だと思います。

目標としていたOutSystems Expert Developerの認定を取得できました。Expert認定に至るまでには、広範な知識と複数の試験への合格が求められます。本記事では、効率よく知識を定着させるChatGPTとNotebookLMを活用した学習法を紹介します。

OutSystems Expert Developerとは

OutSystems Expert Developerは単一の試験ではなく、以下の認定をすべて取得することで自動的に付与される称号です。

  • Associate Developer
  • Architecture Specialist
  • Web Developer Specialist
  • Front-end Developer Specialist
  • Mobile Developer Specialist
  • Security Specialist

Expert認定を目指した理由

きっかけはコミュニティからの後押し

きっかけは、コミュニティ運営や現役MVPの方からいただいた「MVPを目指しませんか?」という一言でした。これまでコミュニティでの登壇は続けてきましたが、MVPを目指すにあたり、まずは客観的なスキル証明としてExpert認定の取得を決意しました。

資格収集は「趣味」

私はもともと、AWSやKubernetesエコシステムの資格を集めるのが趣味です[1]。直近の夏から秋にかけても、OpenTelemetryやPrometheusなどの認定と並行して、OutSystemsの認定取得を進めました。

これだけの数を短期間で取得するため、今回はAI(ChatGPTとNotebookLM)をフル活用した新しい学習スタイルを試してみることにしました。

学習戦略

暗記ではなく推論で解く

学習を進める中で、面白い気づきがありました。

ODC Architecture Specialistでは97点を取得できました。現役MVPの方には「考えて解く難問もあるのに」と驚かれましたが、私にとっては逆でした。知らない機能について問われても、クラウドネイティブやOutSystemsの基本設計思想から逆算すれば、論理的に正解が導き出せたからです。

一方、Mobile Developer Specialistは知識の暗記が中心の試験と言われることがあります。私は丸暗記が苦手ですが、これも10年ほど前のiOSアプリ開発の経験とリンクさせ、「あの概念はOutSystemsだとこうなるのか」と腹落ちさせることでクリアしました。

経験則が及ばない分野へのアプローチ

つまり、私の基本方針は既存の知識とリンクさせて推論することです。

しかし、Expert認定の範囲は広大です。例えばFront-end Developer Specialistの分野などは、私に予備知識がなく、経験則も通用しませんでした。

そこでAIツールの出番です。NotebookLMやChatGPTを、答えを教えてくれる先生としてではなく、私のメンタルモデルとOutSystemsの仕様を接続する「通訳」として活用しました。背景や理由をAIに解説させることで、擬似的に「推論できる状態」を作ることが、今回の学習の肝でした。

学習方法

戦略が決まったところで、具体的な学習方法を紹介します。

NotebookLMで公式ドキュメントを読み込む

まずはインプットです。Google NotebookLMを活用し、自分だけの専用メンターを作りました。

何を読み込ませたか

データソースとして、公式のCertificationページから入手できる以下の資料を投入しました。

  • Detail Sheet PDF
  • Sample Exam PDF
  • Detail Sheet内で参照されている公式ドキュメントのURL

ドキュメントだけでなく、試験範囲の定義やサンプル問題(Detail Sheet / Sample Exam)もあわせて読み込ませるのがポイントです。これにより、AIが単なる知識ベースとしてだけでなく、試験の傾向やトピックの重み付けまで理解してくれるようになります。

https://notebooklm.google/

マインドマップで知識を整理する

特に役立ったのはマインドマップ機能です。ドキュメントを読み込ませた後にマインドマップを表示させることで、知識の全体像を視覚的に整理し、頭の中の地図を作ることができました。


▲ NotebookLMが生成したマインドマップ。ベストプラクティスや概念が構造化されている。

フラッシュカードで暗記する

フラッシュカード機能も有用でした。自動的に重要な用語や概念をクイズ形式にしてくれるため、移動中などの隙間時間を使って、ゲーム感覚で知識の定着度をチェックできました。


▲ NotebookLMが生成したフラッシュカード。パフォーマンス要件などの重要な知識がクイズ化される。

ChatGPT学習モードで模擬試験を行う

インプットで知識を整理した後は、アウトプットによる定着です。ここではChatGPT学習モードを活用しました。

https://openai.com/ja-JP/index/chatgpt-study-mode/

基礎理解を深掘りするプロンプト

単に「練習問題を出して」と頼むだけでは不十分です。本試験の予想問題を解きたいわけではなく、基礎を正しく理解しているかをチェックしたかったからです。そのために、私は以下のようなプロンプトを使いました。

OutSystems Mobile Developer Specialist の練習問題を出してください。

対話的に進めたいので、1問ずつ出題してください。
基本は四択問題でお願いします。
回答後に正解と簡単な解説を示してください。
ときどき自由記述の質問も交えて、理解度を深める形式にしてください。

(参考:私の保有資格)
- Architecture Specialist (O11, ODC)
- Web Developer Specialist (O11, ODC)
- Security Specialist
- Front-end Developer Specialist
- DevOps

正解することより「説明できること」を重視する

このプロンプトには、2つの意図を込めています。

まず、参考情報として保有資格を伝えている点です。 これにより、Associateレベルの用語確認などはスキップし、Specialistとして知っておくべき機能の使い分けやベストプラクティス(=基礎となる考え方)に焦点を当てさせました。

また、あえて自由記述を混ぜた点も重要です。 単に正解を選ぶだけでなく、自分の言葉で説明するプロセスを経ることで、未知の問題を推論する力や、実務で使える応用力を身につけることを目指しました。

おわりに

今回の取り組みを通じて強く感じたのは、生成AIを活用することで自分に最適化された学習が可能になるということです。

私の場合は、NotebookLMで広範な資料を構造化し、ChatGPTで「なぜそうなるのか」を深掘りすることで、丸暗記に頼らない学習サイクルを作ることができました。これにより、単に試験に合格するだけでなく、OutSystemsの基礎を深く理解し、実務にも応用できる「推論する力」を身につけられたと感じています。

これからExpert認定を目指す方、あるいは新しい技術を学ぼうとしている方も、ぜひAIを自分だけのメンターにして、学習というプロセスそのものを楽しんでみてください。

Appendix: 取得資格とスコアの記録

合格日 資格 スコア
2022-10-06 Associate Reactive Developer[2] ?
2023-01-13 Security Specialist[3] ?
2023-01-14 Professional DevOps Engineer[4] ?
2024-09-09 Associate Developer (ODC) 自動認定
2025-07-01 Architecture Specialist (ODC) 97
2025-07-29 Architecture Specialist (O11) 83
2025-08-19 Web Developer Specialist (O11) 87
2025-08-19 Web Developer Specialist (ODC) 自動認定
2025-09-02 Front-end Developer Specialist (O11 and ODC) 72
2025-09-14 Mobile Developer Specialist (O11 and ODC) 85
脚注
  1. 資格一覧 https://www.credly.com/users/naoki-oketani/badges#credly ↩︎

  2. 現 Associate Developer (O11) ↩︎

  3. 現 Security Specialist (O11 and ODC)。2回目の挑戦で合格しました。 ↩︎

  4. 現 DevOps (O11)。Expert認定の要件には含まれません。 ↩︎

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