書評「Azure OpenAI ServiceではじめるChatGPT/LLMシステム構築入門」
この記事は、Azure OpenAI ServiceではじめるChatGPT/LLMシステム構築入門の書評です。
この記事を書くにあたって著者の一人の永田さんから、書籍を一冊提供いただきました。ありがとうございます。
この本の特徴
2022年11月に ChatGPT が出てから1年以上が経ちました。その後 API として提供されるようになり、Azure でも Azure OpenAI Service としてリリースされて、これを使ったシステムがいくつも作られています。
この本は、そんな Azure OpenAI Service を使ったシステムを開発するうえで必要な情報が本当に一通り詰まっている本です。Azure OpenAI Service 自体の説明はもちろんのこと、よくある社内ルールについての質問に答えてくれるような ChatGPT クローンを作るときに必ず必要になってくる Azure AI Search について、さらにはプロンプトエンジニアリングや、応用的な Copilot を作るようなケースの例から、果てはフロントエンドまで、とにかく ChatGPT を使ったシステムを作るときに必要な情報が詰まっています。
以下に本に名前の出てくる Azure サービスやツール、ライブラリの一部を抜粋します。
これだけを見ても、幅広く Azure OpenAI Service を使ったシステムを開発するために必要な情報が詰まっていることがわかると思います。
- Azure OpenAI Service
- Azure AI Search
- Azure API Management
- Application Gateway
- Azure Front Door
- Azure AI Studio
- Azure Machine Laerning
Application Gateway や Azure Machine Learning などは、ちらっと名前が出てきて紹介される程度で深く踏み込んだ内容にはなっていませんが、Azure OpenAI Service を使うようなシステムを作るときには、こういったサービスも使うことが多いんだということを知るのには十分な内容だと思います。
おすすめ度とおすすめの使い方
Azure OpenAI Service を使うすべての人におすすめです。
特に2024年1月24日発売の本なのに2023年11月や12月の頃の内容まで取り込んでいるので、この本は情報の鮮度がとても高いです。ChatGPT などの OpenAI を取り巻くサービスや開発環境などの進化は、これまでなんとなく外から眺めていた人でも「進化超早い!!また新しいの出たの!?」といった感想をお持ちだと思います。
そのため、この本の個人的な一番のおすすめの使い方は発売日に買って、なるべく早く読むです。 こうすることで少なくとも2023年12月の時点での最新情報について知ることが出来て、今後はそこからのキャッチアップで最前線についていけるようになると思います。
もちろん、この本は最新の情報だけが詰まったものではなく、Azure OpenAI Service を使ったシステムを開発するうえで普遍的に必要な情報や、過去の経緯なども含めて説明されている ので、発売日から時間が経っても十分に価値がある本だと思います。ただ、私の個人的なおすすめは、Azure OpenAI Service を使う予定のある人や、なんとなく触ってた人や、気になっている人が今の最新の情報まで関連サービスまで含めて知るために最適だと思ったので、なるべく早く買って、なるべく早く読むのがおすすめです。
個人的な気に入りポイント
これは個人的な気に入ったポイントなのですが Azure OpenAI Service を使って RAG アーキテクチャを組もうとすると、Azure OpenAI Service をどう使うのかという点よりもナレッジベースの構築のほうが難しい問題になります。Azure では、Azure AI Search を使って実装することが多いのですが、このサービスをわかりやすく解説してくれている日本語の書籍って、他に無いと思うので、この1点だけでも個人的には買う価値があると思います。
まとめ
ということで「Azure OpenAI ServiceではじめるChatGPT/LLMシステム構築入門」の書評でした。
繰り返しにはなりますが、2023年12月時点までの情報が詰まった Azure OpenAI Service を使ったシステムを開発するうえで必要な情報が詰まった本なので、Azure OpenAI Service を使う予定のある人や、なんとなく触ってた人や、気になっている人が今の最新の情報まで関連サービスまで含めて知るために最適な本になっています。是非、興味のある人は書店などで手に取ってみてください。
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