バグ管理のステータス、どこまで細かくすべき?
\オカウチワニが1人でやっている okauchiwani-hitori Advent Calendar 2025 2日目の記事です!!!/
ステータス管理の「ちょうどよさ」はどこにある?
バグトラッキングシステムを使っていると、必ず悩むのがステータスをどこまで細かく設定するかという問題です。
「未着手」「対応中」「修正済み」「再現できない」だけで回せるケースもあれば、「調査中」「修正中」「開発確認中」「レビュー待ち」「QAチーム確認待ち」など細かく分けたくなるチームもあります。
ただ、この“細かさの度合い”は、チームの文化や開発速度、担当者の人数によって変わるため、正解はありません。しっかり管理したい気持ちもあれば、「細かくすると運用が崩れがち・・・」という現実もある。
まずは、そのバランスの難しさを受け止めるところからスタートです。
細かいステータスのメリットとデメリット
細かいステータスを設定する場合の最大のメリットは、今どこでボールが止まっているかを把握しやすいことです。
- 調査が遅れているのか
- レビューが詰まっているのか
- QAの確認待ちが積み上がっているのか
こうした状況が可視化できるので、プロジェクトの流れを改善したり、ボトルネックを早期に発見したりすることができます。また大人数のテスターを動かすようなプロジェクトでは一人一人と細かなコミュニケーションは取るのは難しいので、細かいステータスがあることでコミュニケーションが簡単にできることもあります。
一方で、デメリットは運用の負荷です。
ステータスが細かくなるほど、開発者にもQAエンジニアにも「正しいステータスに更新する手間」が生まれます。気がつけば“本業よりステータス更新に気を取られる”状態にもなりかねません。各不具合チケットが正しいステータスになっていることに注力し過ぎて、リリーススピードを落としていないかは頭に入れておく必要がありますね。
細かいステータスは強力ですが、運用できる人数・マインドセットが揃っているかが重要なポイントです。
粗いステータスのメリットとデメリット
一方で、粗いステータスは運用がとてもシンプルです。「未対応」「対応中」「対応済み」だけで十分に回るチームもあります。更新の手間が少なく、属人的なストレスも小さいので、スピード優先の開発には相性が良いです。
ただし、粗いステータスの弱点は状況が見えづらいことです。
- 本当に対応中なのか?
- 調査で止まっているのか?
- マージ待ちなのか?
このあたりが見えにくくなり、結果的に「いつ直りますか?」という確認が増えたり、リリース計画の不確実性が高まることもあります。最悪のケースだと、デイリースクラムで各不具合をステータス管理が機能せず1つ1つ深掘る必要が出てきてしまいます。
粗さは楽ですが、状況把握を補うための別の仕組み(MTGやSlackフロー)が必要になります。
まとめ:重要なのは“ステータスの数”ではなく“運用できる仕組み”
ステータス管理は、細かければ良いわけでも、粗ければ楽なだけで良いわけでもありません。
大切なのは、そのチームが無理なく運用できる“ちょうどよさ”を見つけることです。
- 細かいステータスは、ボトルネック可視化に強い
- 粗いステータスは、シンプルで運用が崩れにくい
- どちらにしても“更新され続ける仕組み”が最重要
最終的には、“チームにとっての最小限の負荷で、最大限の透明性を確保できるライン”を探ることがベストだと感じています。
ステータスは、増やすことも減らすこともできます。
まずは今のチームにとっての最適な状態を探り、必要に応じて柔軟に調整してみましょう。
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