電子状態計算の分類

2023/02/26に公開

この記事は第一原理計算パッケージ・Gaussianの位置づけを理解するために書かれました. 固体物理は専門外のため, ここでは量子化学・局在基底のみを対象として大まかにまとめます.

分類表

密度汎関数法(DFT)は「分子軌道法」にも「量子モンテカルロ法」にも含まれないので, 別枠としました. VMCは第一原理計算の一種に含まれますが, 量子スピン系のモデルなどに対して使われる場合は第一原理計算とは呼ばれません. また, 量子モンテカルロ法に関して, TurboRVBが2023年7月にオープンソースになるとのことです.

分類 手法 パッケージ
経験的分子軌道法 Hückel法(1931),
拡張Hückel法(1963)
半経験的分子軌道法 PPP(1953), CNDO(1965),
NDDO(?), INDO(1967),
MINDO(?), MNDO(1977),
AM1(1985), PM3(1989), etc.
MOPAC, (Winmostar),
Spartan, etc.
非経験的分子軌道法
第一原理分子軌道法
(ab initio MO)
HF, CI, MP, CC,
CASSCF, etc.
Gaussian, Q-Chem
GAMESS, Firefly,
Molpro, SMASH, etc.
第一原理量子モンテカルロ法
(ab initio QMC)
VMC, FN-DMC, etc.* CASINO, QWalk,
QMCPACK, CHAMP,
TurboRVB, etc.
密度汎関数法(DFT) 汎関数:B3LYP, etc. Gaussian, OpenMX etc.

*ab initio QMCにはその他にもRMC, PIMCなどもあるが, 汎用ソルバとして実装されているのは上記の2手法のみであると思われます. VMCはVQMC, DMCはDQMCと呼ばれることもあります.

原著リスト

参考文献

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