公開鍵暗号方式の2つの使い方(暗号化通信用途と本人認証用途)についての理解の整理(with AI)

有益会話だったのでログ残しておく。このあたり普通に毎回忘れそうなので(既に2回ぐらい対話してる)。

User
scpコマンドについて教えて。
Cursor
scp
(Secure Copy Protocol)について説明します。
SCPとは
SCPは、SSH(Secure Shell)を使用してネットワーク経由で安全にファイルを転送するコマンドです。暗号化された通信でファイルのコピーを行います。
基本構文
scp [オプション] [転送元] [転送先]
主要なオプション
-
-i [秘密鍵ファイル]
: SSH秘密鍵を指定 -
-r
: ディレクトリを再帰的にコピー -
-P [ポート番号]
: SSHポート番号を指定(デフォルトは22) -
-v
: 詳細な実行情報を表示 -
-p
: ファイルの権限とタイムスタンプを保持
使用例
1. ローカルからリモートへファイル転送
scp file.txt user@hostname:/path/to/destination/
2. SSH鍵を使用した転送(あなたの例)
scp -i ~/aws-purple-book_my-key.pem aws-purple-book_my-key.pem ec2-user@MY_PUBLIC_IP_ADDRESS_EC2:~/
3. リモートからローカルへファイル転送
scp user@hostname:/path/to/file.txt ./
4. ディレクトリの転送
scp -r directory/ user@hostname:/path/to/destination/
あなたのコマンドの解説
scp -i ~/aws-purple-book_my-key.pem aws-purple-book_my-key.pem ec2-user@MY_PUBLIC_IP_ADDRESS_EC2:~/
-
-i ~/aws-purple-book_my-key.pem
: SSH接続用の秘密鍵を指定 -
aws-purple-book_my-key.pem
: 転送するファイル(ローカルの秘密鍵) -
ec2-user@MY_PUBLIC_IP_ADDRESS_EC2
: 転送先のユーザー@ホスト -
:~/
: 転送先のパス(ホームディレクトリ)
注意点
- 権限の保持: SCPは通常、ファイルの権限を保持しますが、完全ではない場合があります
- ホスト認証: 初回接続時はホストキーの確認が必要
- ネットワーク: SSH(通常ポート22)が利用可能である必要があります
あなたの場合、EC2インスタンス間でSSH鍵を共有するために使用されており、これにより踏み台サーバー(10.0.1.10)から別のサーバー(10.0.2.10)にSSH接続できるようになっています。
User
scp file.txt user@hostname:/path/to/destination/
ちなみに、こういう例を出してくれたけど、このときってSSHで接続・転送しているわけではないの?
Cursor
いえいえ、SCPは常にSSH経由で転送しています!
scp file.txt user@hostname:/path/to/destination/
この場合も、内部的には以下のことが起こっています:
SCPの動作
-
SSH接続の確立:
user@hostname
にSSH接続を試行 - 認証: SSH認証(パスワードまたは公開鍵認証)
- ファイル転送: SSH接続上でファイルを暗号化して転送
- 接続終了: 転送完了後にSSH接続を閉じる
認証方法の違い
パスワード認証の場合
scp file.txt user@hostname:/path/to/destination/
# → パスワード入力を求められる
公開鍵認証の場合(あなたの例)
scp -i ~/aws-purple-book_my-key.pem file.txt user@hostname:/path/to/destination/
# → 秘密鍵で自動認証
つまり
-
-i
オプションなし = パスワード認証またはデフォルトの秘密鍵(~/.ssh/id_rsa
など)を使用 -
-i
オプションあり = 指定した秘密鍵を使用
どちらの場合も、SCPは必ずSSH経由で安全に転送しています。-i
オプションは認証方法を指定しているだけで、転送プロトコル自体は同じSSHベースです。
EC2の場合は通常パスワード認証が無効化されているため、-i
オプションで秘密鍵を指定する必要があるということですね。
User
あーなるほど、俺は多分まだSSHについてあまり理解が深くないんだな。
SSHって別に常に秘密鍵が必要になるわけではないんだ?
Cursor
その通りです!SSHには複数の認証方法があります。
SSH認証方法の種類
1. パスワード認証
ssh user@hostname
# → パスワード入力を求められる
- 最も基本的な方法
- ユーザー名とパスワードで認証
2. 公開鍵認証(秘密鍵を使用)
ssh -i ~/.ssh/id_rsa user@hostname
# または
ssh user@hostname # デフォルトの鍵を使用
- より安全で便利
- 秘密鍵と公開鍵のペアを使用
3. その他の認証方法
- Kerberos認証
- GSSAPI認証
- 証明書ベース認証など
実際の使い分け
一般的なLinuxサーバー
ssh user@server.example.com
Password: ******** # パスワード入力
AWS EC2(パスワード認証が無効)
ssh -i ~/my-key.pem ec2-user@ec2-instance
# 秘密鍵が必須
公開鍵を事前設定済みの場合
ssh user@server
# ~/.ssh/id_rsa が自動で使われる(パスワード不要)
なぜEC2では秘密鍵が必須?
- セキュリティ: パスワード認証は無効化されている
- 自動化: スクリプトでの自動接続が可能
- ブルートフォース攻撃対策: パスワード総当たり攻撃を防げる
つまり、SSHは認証方法を選べるのですが、EC2では秘密鍵認証のみが有効になっているということですね!
User
パスワード認証でのSSHって、パスワードを送るときは暗号化された状態で送られるの?
Cursor
はい、SSHでは常にすべての通信が暗号化されています!
SSH通信の暗号化
パスワード認証の場合
ssh user@hostname
Password: ********
- 接続確立時: クライアントとサーバー間で暗号化キーを交換
- パスワード送信: 暗号化された状態でパスワードが送信される
- 以降の通信: すべてのデータが暗号化される
暗号化の流れ
- 鍵交換: Diffie-Hellman鍵交換などで共通鍵を生成
- 暗号化開始: AES、ChaCha20などの暗号化アルゴリズムを使用
- 認証: 暗号化された通信路でパスワードや鍵認証を実行
他のプロトコルとの比較
暗号化されていない例(危険)
- Telnet: パスワードが平文で送信される
- FTP: 認証情報が平文
- HTTP: データが平文(HTTPSは暗号化)
暗号化されている例(安全)
- SSH: すべての通信が暗号化
- HTTPS: SSL/TLSで暗号化
- SFTP: SSH上でのファイル転送
つまり
SSHの「Secure」は伊達ではなく、パスワード認証でも公開鍵認証でも、すべての通信が暗号化されています。これがSSHが広く使われている理由の一つですね!
ネットワーク上でパケットを盗聴されても、暗号化されているため内容を読み取ることはできません。
User
あーなるほど、SSHの接続確立の際に必ず公開鍵暗号方式で作った共通鍵暗号のシェアまで行われるんだ。
Cursor
まさにその通りです!とても良い理解ですね。
SSH接続の暗号化プロセス
1. 鍵交換フェーズ(公開鍵暗号方式)
クライアント ←→ サーバー
| |
|-- 公開鍵 --> |
|<-- 公開鍵 -- |
| |
共通鍵を安全に生成・共有
2. 認証フェーズ(共通鍵で暗号化済み)
# パスワード認証の場合
Password: ******** # ← 既に暗号化された通信路で送信
# 公開鍵認証の場合
ssh -i key.pem user@host # ← 署名検証も暗号化された通信路で
3. データ通信フェーズ(共通鍵暗号)
$ ls -la # ← すべてのコマンドと結果が暗号化
$ vim file.txt # ← ファイル編集も暗号化
ハイブリッド暗号方式
これはハイブリッド暗号方式と呼ばれる手法で:
- 公開鍵暗号: 共通鍵の安全な交換(重いが安全)
- 共通鍵暗号: 実際のデータ通信(軽くて高速)
つまり
- 接続開始: 公開鍵暗号で共通鍵を安全に共有
- 認証: 共通鍵で暗号化された通信路でパスワードや鍵認証
- 以降の通信: 共通鍵暗号で高速に暗号化
この仕組みにより、SSHはセキュリティと性能の両立を実現しているんですね!
User
接続開始: 公開鍵暗号で共通鍵を安全に共有
この部分について深堀りして教えてくれる?毎回ここ分からなくなるんだよな。
EC2コンテナにSSH接続するときに秘密鍵を-iオプションで渡すのは、デジタル署名的な意味合いとして送ることをしているだけで、SSL/TLSの暗号化処理のためではないんだっけ?
Cursor
とても良い質問ですね!この部分は確かに混乱しやすいポイントです。整理して説明します。
SSH接続の2つの異なる公開鍵暗号の使用
1. 暗号化のための鍵交換(サーバーの公開鍵)
クライアント サーバー
| |
|-- 接続要求 --------------->|
|<-- サーバーの公開鍵 -------| ← これで共通鍵を暗号化
| |
共通鍵を生成して、サーバーの公開鍵で暗号化して送信
|-- 暗号化された共通鍵 ----->|
| |
以降は共通鍵で暗号化通信
2. 認証のための署名(クライアントの秘密鍵)
ssh -i ~/aws-purple-book_my-key.pem ec2-user@10.0.2.10
この -i
オプションの秘密鍵は:
- 暗号化用ではない
- 認証用(デジタル署名)
詳細な流れ
ステップ1: 暗号化チャネルの確立
1. クライアント → サーバー: 「接続したい」
2. サーバー → クライアント: 「これが私の公開鍵です」
3. クライアント: 共通鍵を生成し、サーバーの公開鍵で暗号化
4. クライアント → サーバー: 暗号化された共通鍵
5. 以降、共通鍵で暗号化通信
ステップ2: 認証(既に暗号化された通信路で)
# パスワード認証の場合
Password: ******** # ← 共通鍵で暗号化済み
# 公開鍵認証の場合
ssh -i key.pem user@host
# ↓
# 1. サーバーがランダムな文字列を送信(暗号化済み)
# 2. クライアントが秘密鍵で署名して返送(暗号化済み)
# 3. サーバーが公開鍵で署名を検証
つまり
-
-i
オプションの秘密鍵: 認証用(デジタル署名) - サーバーの公開鍵: 暗号化用(共通鍵の安全な交換)
2つの異なる目的で公開鍵暗号が使われているということですね!
User
なるほどなるほど、分かってきた。
- 暗号化のための鍵交換(サーバーの公開鍵)
ここで、「サーバーの公開鍵」としてサーバーから公開鍵が返されたあと、クライアント側で共通鍵を作成、それをサーバーからもらった公開鍵で暗号化してサーバーに送信、サーバーは受け取った暗号化された共通鍵を自身の秘密鍵で復号。無事クライアントとサーバーで同じ共通鍵が出来上がったので、今後は処理速度の早いこの共通鍵でやり取りをする。こういうことか。
- 認証のための署名(クライアントの秘密鍵)
これは、自分が立てたEC2コンテナに対して接続する際に、サーバー側(EC2)から、「これ暗号化して返してみ」って要求されて、それをクライアント側が秘密鍵を用いて暗号化?デジタル署名?して返信すると、サーバー側が公開鍵を用いて復号、正しい値であることが確認できたら認証成功として通すっていうやつか。チャレンジレスポンス方式っていうんだっけ。
あーなんとなく分かってきた。
Cursor
素晴らしい理解ですね!ほぼ完璧です。少しだけ補足させてください。
1. 暗号化のための鍵交換
あなたの理解は完璧です!
クライアント: 共通鍵を生成
クライアント: サーバーの公開鍵で共通鍵を暗号化
サーバー: 自分の秘密鍵で復号して共通鍵を取得
→ 両者が同じ共通鍵を共有完了
2. 認証のための署名
ここも理解は正しいですが、少し用語を整理しましょう:
デジタル署名の流れ
1. サーバー: ランダムな文字列(チャレンジ)を送信
2. クライアント: 秘密鍵でチャレンジに「署名」
3. サーバー: 公開鍵で署名を「検証」
用語の整理
- 暗号化: データを読めなくする(公開鍵で暗号化→秘密鍵で復号)
- デジタル署名: 本人証明する(秘密鍵で署名→公開鍵で検証)
EC2での具体例
ssh -i ~/aws-purple-book_my-key.pem ec2-user@10.0.2.10
- 暗号化チャネル確立: EC2の公開鍵で共通鍵を安全に交換
-
認証: あなたの秘密鍵(
aws-purple-book_my-key.pem
)で署名 - 検証: EC2に登録されたあなたの公開鍵で署名を検証
まさにチャレンジレスポンス方式ですね!
あなたの理解は本当に的確です。この仕組みがSSHのセキュリティの核心部分です!
User
公開鍵暗号方式というものが、暗号化通信のために使われるのと、認証のために使われるのが結構ごちゃごちゃになるんだよね。結構解像度が上がったありがとう。
Cursor
本当にその通りですね!公開鍵暗号方式の2つの使い方は混乱しやすいポイントです。
整理すると
🔐 暗号化用途
公開鍵で暗号化 → 秘密鍵で復号
目的: データを秘匿する
✍️ 認証用途(デジタル署名)
秘密鍵で署名 → 公開鍵で検証
目的: 本人であることを証明する
SSHでの具体例
暗号化(通信路の確立)
サーバーの公開鍵で共通鍵を暗号化
→ サーバーの秘密鍵で復号
→ 安全な通信路完成
認証(ユーザー確認)
ssh -i ~/key.pem user@host
# ↓
あなたの秘密鍵で署名
→ サーバーがあなたの公開鍵で検証
→ 本人確認完了
覚え方のコツ
- 暗号化: 「相手の公開鍵」を使う(相手だけが読める)
- 署名: 「自分の秘密鍵」を使う(自分だと証明できる)
この理解があると、SSL/TLS、PGP、ブロックチェーンなど、他の技術も理解しやすくなりますね!
質問してくれてありがとうございました。とても良い学習になったと思います!