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【徹底解説】スクレイピングとは|初心者にも分かるスクレイピングに関する解説!

2022/03/10に公開

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リスト作成やデータ活用に役立つ手法として「スクレイピング(Webスクレイピング)」が注目されています。しかしながら、スクレイピングとはどういった技術なのか、そもそも違法性はないのか、といったことに疑問を感じる方も多いはずです。

そこで本記事では、ノーコードスクレイピングツールを手掛けるOctoparse(オクトパス)が初心者の方に向けて、スクレイピングの基礎からわかりやすく解説します。

本記事をご覧いただくことでスクレイピングについておおよその理解ができますので、ぜひご覧ください。

1.Webスクレイピングとは

Webスクレイピングとは、Webサイトから大量の情報を自動的に抽出するコンピュータソフトウェア技術のことです。Webスクレイピングは、Webサイトやデータベースを探り、大量のデータの中から特定のデータのみを自動で抽出することができます。

そもそもスクレイピング(Scraping)とは、英語の「Scrape」に由来しており、日本語では「こする・かき出す」などの意味を持ちます。Webスクレイピングは他にも、スクレイピング・Webデータ抽出・スクリーンスクレイピング・Webデータ収集とも呼ばれます。

通常、インターネット上のデータはWebブラウザでしか見られず、Web上に表示されるデータを抽出・保存する機能はありません。唯一の手段は手作業のコピー&ペースト(コピペ)のみです。

Webスクレイピングを活用することで、面倒な手作業を自動化できるため、作業時間の短縮や転記ミス防止が可能です。

2.Webスクレイピングとクローリングの違いとは?
Webスクレイピングと混同されやすい手法として「クローリング(Crawling)」が挙げられます。クローリングとは、サイトクローラーと呼ばれるロボットが、Webサイト上を移動しながら巡回する手法のことを指します。

Webスクレイピングもクローリングも、どちらともWeb上の情報収集を行う手法としては共通していますが、両者の性質は大きく異なります。
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3.Webスクレイピングで使われる用語解説

Webスクレイピングでは専門用語が多いため、初めての方にとっては難しく感じるかもしれません。逆にいえば、言葉さえ理解できればWebスクレイピングに対して抵抗感を持たずに済むでしょう。

ここではWebスクレイピングを行う際に使われることが多い専門用語を、初めての方にもわかりやすく解説します。

Webスクレーパー

Webスクレーパー(スクレーパー)とは、Webページからデータを正確かつ迅速に抽出するために設計されたツールのことです。WebスクレーパーはWebサイトのHTML内から不要な情報を削り取り、必要な情報だけを抽出します。

Webスクレーパーのデザインや複雑さは、プロジェクトによって大きく異なります。少し難しい話をすると、スクレーパーの重要な部分はHTMLファイルから抽出したいデータを見つけるために使用される「データセレクタ」です。データセレクタでは、通常はXPath、CSS、正規表現、またはそれらの組み合わせが適用されます。

Webクローラー

Webクローラーとは、Webサイト上を巡回し、Webサイト・画像・動画などのデータを収集・保存するプログラムロボットのことです。Webクローラーは、GoogleやBing、Indeedなどの検索エンジンごとに種類があり、「サーチボット」「検索ロボット」などとも呼ばれています。

私たちが検索エンジンでキーワードを入力した際に該当するコンテンツが検索結果として表示されるのは、Webクローラーがインターネット上を巡回してくれているからです。こうしたWebクローラーがWeb上を巡回することを、「クローリング」と呼びます。

Webクローラーの仕組みについては以下の記事で詳しく解説しています。

Webクローラーとは?仕組みとクローリングを自動化する方法

API

**API(エーピーアイ)とは、「Application Programming Interface」**のイニシャルから付けられた言葉です。APIを一言でいうと「ソフトウェア・アプリケーション同士を繋ぐ仕組み」のことを指します。

たとえば、AというソフトウェアにBというアプリケーションの機能を持たせたり、双方のシステムを連携することでシームレスな操作が可能になります。このようにアプリケーション同士を連携させることで、機能を拡張し利便性の高い使い方を実現します。

4.スクレイピングの法律上の問題

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Webスクレイピングを活用することで、Web上のデータを自動で抽出することができるようになります。こうしたことから、「スクレイピングは違法行為なのではないか」と不安に感じる方も多いようです。実際に過去にはスクレイピングをしたことで逮捕されたという事件もありました。(事実としては、スクレイピング自体に違法性はなくWebサイト自体に問題あったことが発覚)

しかし、ここでの問題はWebスクレイピング自体に問題があるわけではなく、Webスクレイピングの取り扱いを誤ったことが問題であったのです。Webスクレイピングを行う際は、以下のポイントに注意する必要があります。

著作権の問題に該当していないか

Webスクレイピングを行う際は、自分自身の業務効率化を目的としている場合は利用が可能です。

スクレイピングする際に著作者の利用許諾が必要になりますが、著作権法は、いくつかの例外を認めています。それは「私的使用のための複製」「情報解析のための複製」と「検索エンジンの提供のための利用」です。

利用規約に抵触していないか

会員登録などをする際に利用規約に同意することがあるでしょう。もし利用規約内に「スクレイピング行為の禁止」といった主旨の記載がある場合は注意が必要です。既に利用規約に同意をしている場合は利用規約違反となり、民法上の債務不履行や不法行為に該当する可能性があります。

しかし、利用規約に同意していない場合や、会員登録などを必要とせずに誰でも自由に閲覧できる情報をスクレイピングする場合には、そのような問題は出ないことになります。

サーバーへ過度にアクセスしていないか

Webスクレイピングは他社のWebサイトにアクセスして、そこからデータを抽出しますが、そのアクセス頻度が多い場合は注意が必要です。もし過度なアクセスによって、相手サーバーに負担を掛けている場合はシステム障害などの支障をきたす可能性があります。

自然検索の範疇(数時間あるいは数分に1回程度)であれば問題はありませんが、1秒間に数回のアクセスが行われるとサーバーに負担が掛かります。サーバーへの負担が大きくなると、一時的にサイトを閲覧できない状態になるなど損害を与えてしまいます。そのため過度なアクセスは避けるべきでしょう。

5.スクレイピングの活用場面

今日では、Webスクレイピングはニュースポータル、ブログ、フォーラム、Eコマースサイト、ソーシャルメディア、不動産、財務報告などさまざまな分野で広く使われています。オンラインでの価格比較、気象データ監視、Webサイトの変更検出、研究、WebマッシュアップやWebデータの統合などさまざまな用途もあります。

価格情報

私たちの経験では、価格情報はWebスクレイピングの最大の利用シーンです。Eコマースサイト(Amazon、楽天市場、Yahooショッピングなど)から商品や価格情報を抽出し、それをインテリジェンス化することは、データに基づいてより良い価格・マーケティング・選品の決定を行いたいと考える現代のEコマース企業にとって重要な役割を果たします。

✅価格監視
✅価格調査
✅競合他社の調査
✅製品トレンドの調査
✅市場調査
市場調査は非常に重要であり、入手可能な最も正確な情報に基づいて行われるべきです。高品質、大量かつ洞察力に優れたWebスクレイピングデータは、あらゆる形状やサイズのものがあり、世界中で市場分析やビジネスインテリジェンスを促進しています。

市場トレンド分析

✅市場の価格設定
✅製品リサーチ
✅製品開発
✅競合他社の調査
✅金融機関向けオルタナティブ(代替)データ
投資家のために特別に作られたWebデータで、その価値を発掘し、価値を飛躍的に高めます。意思決定の過程において、情報やデータの洞察力はかつてないほど高まっています。そして、世界のトップ企業は、Webスクレイピングされたデータの戦略的価値を高く評価し、その利用を増やしています。

JSEファイリングからの情報抽出

✅会社の基本情報の分析
✅世論調査との統合
✅ニュース情報収集・監視
✅不動産
過去20年間における不動産業界のデジタル化は、伝統的な企業を破壊し、業界に強力な新プレーヤーを生み出す脅威となっています。Webスクレイピングされた商品データを日常業務に取り入れることで、エージェントや仲介業者はトップダウンのオンライン競争から身を守り、市場内で情報に基づいた意思決定を行うことができます。

資産価値の評価

✅空室率の監視
✅賃貸利回りの推定
✅市場の方向性の理解
✅ニュース&コンテンツ監視
現代のメディアは、1つのニュースサイクルの中で、あなたのビジネスに影響を出ることがあります。即時なニュース分析に依存している企業や、頻繁にニュースに登場する企業にとって、ニュースデータのWebスクレイピングは、業界の最も重要なストーリーを監視・集約・解析するための究極のソリューションです。

投資の意思決定

✅オンライン世論調査
✅競合他社の調査
✅センチメント分析(感情分析)
✅リードジェネレーション
リードジェネレーションは、すべてのビジネスにとって重要なマーケティング/セールス活動です。2020年のハブスポットのレポートでは、インバウンドマーケターの61%が、トラフィックとリードの生成が第1の課題であると答えています。幸いなことに、Webデータ抽出を利用すれば、Web上の構造化されたリードリストにアクセスすることができます。

ブランドモニタリング

競争の激しい今日の市場では、オンラインでの評判を守ることが最重要の課題です。オンラインで製品を販売していて、厳格な価格ポリシーを実施する必要がある場合や、オンラインで人々が製品をどのように認識しているかを知りたい場合など、Webスクレイピングによるブランド監視は、このような情報を提供します。

ビジネスの自動化

状況によっては、データにアクセスするのが面倒な場合があります。自社のWebサイトやパートナーのWebサイトに、構造化された形で必要なデータがあるかもしれません。しかし、社内で簡単にできる方法がないため、Webスクレーパーを作成してデータを取得することに意味があります。複雑な社内システムを利用するのではなく、Webスクレーパーを作成してデータを取得するのは理にかなっていると思います。

最低広告価格の監視

最低広告価格の監視は、ブランドのオンライン価格が自社の価格ポリシーに沿っているかどうかを確認するための標準的な手法です。数多くの卸売業者や販売代理店が存在する中で、手動で価格を監視することは不可能です。そこで、ツールで製品の価格を監視できるWebスクレイピングが便利です。

6.Webスクレイピングに対してよくある質問

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Webスクレイピングは今まで、システムエンジニアなどプログラミングスキルを持った人材が行っていた技術のため、一般的なスクレイピングに対する情報があまり出回っていません。

特に非エンジニア人材の方に向けたわかりやすくまとめられた情報が少なく、さまざまな憶測や誤って理解されることが多いと感じています。

たとえば、「Webスクレイピングを行うにはプログラミングスキルが必要か?」という質問を受けることがあります。たしかにスクレイピング自体はプログラムによって実行されますが、Octoparseをはじめとしたノーコードツールを活用することで、プログラミングを行わずとも設定項目を操作するだけで、あとは自動的にスクレイピングを実行できます。

以下の記事では、Octoparseに寄せられたWebスクレイピングに対する質問をまとめていますので、併せてご覧ください。

スクレイピングは違法?Webスクレイピングに関する10のよくある誤解

7.Webスクレイピングにおすすめのプログラミング言語

昨今のプログラミング学習ブームにより、プログラミングを学習してWebスクレイピングを自力で行えるようになりたいという方も多いでしょう。

Webスクレイピングでおすすめのプログラミング言語は以下の通りです。

✅Python
✅Java
✅JavaScript
✅golang
✅Ruby
ここで紹介したプログラミング言語と、おすすめの学習方法を以下の記事で解説していますので併せてご覧ください。

Webスクレイピングするなら何言語?オススメ言語5選を比較!

8.初心者でも使えるWebスクレイピングツールを紹介

今やプログラミングを使えなくても、Webスクレイピングは誰でもかんたんに扱うことができます。現在では、Octoparse以外にも様々なスクレイピングツールが登場しており、特徴や機能も多種多様です。そのため、自社の目的に合ったツールを使い分けることが大切です。

しかし、実際にどういったツールがあって、各ツールがどのような違いがあるかわらかない方も多いでしょう。Octoparseでは、Webスクレイピングに役立つツールをまとめて解説しています。

以下の記事では、初心者でも扱えるスクレイピングツール30選を紹介していますので、ぜひご覧ください。

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