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Salesforceの基礎 ケースオブジェクトについて

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ケースオブジェクトとは

Salesforceにおける「ケース(Case)」オブジェクトは、顧客からの問い合わせ・サポート依頼・苦情・要望などを一元管理するための標準オブジェクトです。主にカスタマーサポートやコールセンター業務で活用され、サポート品質の向上と対応履歴の可視化を目的としています。


ケースオブジェクトの関係

ケースオブジェクトは以下のようなオブジェクトと連携して運用されます:

・取引先(Account):問い合わせ元の法人顧客情報

・取引先責任者(Contact):実際に問い合わせをしてきた個人情報

・ユーザ(User):ケースを担当する社内スタッフ(営業・サポート)

・ナレッジ(Knowledge):FAQや解決策を提供するコンテンツ

・メールメッセージ(EmailMessage):やり取りの履歴(メール)


ケース件名項目

「件名(Subject)」は、そのケースのタイトルを簡潔に表現する項目です。

・顧客やサポートメンバーが一目で内容を把握できるように設定

・一般的には「製品Aのエラーについて」「請求に関する問い合わせ」など


ケースのステータス項目

「ステータス(Status)」項目は、ケースの対応状況や進捗を管理します。

・Salesforceにはあらかじめ「新規」「処理中」「保留」「完了」などの値が用意されています

・自社の運用フローに合わせてカスタマイズも可能です

例:

ステータス 意味
新規 顧客から問い合わせが届いた直後
処理中 担当者が対応を進めている状態
保留 顧客からの返信待ちなど、一時停止
完了 問題が解決し、対応が終了した状態

優先度項目

「優先度(Priority)」項目は、ケースの緊急度や重要度を示します。

・「高・中・低」の3段階がデフォルト

・営業活動と異なり、サポート業務ではこの項目が対応順序の判断材料になります

・高優先のケースは、SLA違反にならないようにタイムリーな対応が求められます


発生元項目

「発生元(Origin)」項目は、ケースがどのチャネルから届いたかを記録します。

・電話

・メール

・Webフォーム

・チャットボット

・SNS連携(Facebook, Twitter など)

この項目は問い合わせチャネルごとの傾向分析や、チャネル別の担当振り分けにも活用されます。


ケースの活用方法

Salesforceのケース管理を活用することで、以下のようなサポート体制を構築できます。
※ナレッジやダッシュボードについては別記事で説明します。

顧客とのやりとりの一元管理
 メール、電話、チャットなどのマルチチャネル対応でも履歴を1つのケースに集約。

SLA(サービスレベル合意)管理
  「優先度×対応時間」を基にアラート設定やエスカレーションルールの構築が可能。

ナレッジ連携による自己解決支援
 ケースに紐づけてナレッジ記事を案内することで、回答の標準化と顧客満足度向上を両立。

ダッシュボードによる傾向分析
  「月別問い合わせ件数」「未対応件数」「対応完了までの平均日数」などを可視化。

※SLA(サービスレベル合意)管理については別記事で説明いたします


ケースオブジェクトの関連オブジェクト

関連オブジェクト 説明
取引先(Account) 法人顧客を特定するための情報
取引先責任者(Contact) ケースを起票した個人(担当者)
ナレッジ(Knowledge) 回答の参考やテンプレートとして使用
メールメッセージ(EmailMessage) 顧客とのメール履歴を管理
添付ファイル(Attachments / Files) 問い合わせに関連する資料の添付・保存

最後に

Salesforceの「ケース」オブジェクトを活用することで、サポート対応の透明性が増し、迅速かつ質の高い対応が可能になります。また、問い合わせデータを分析することで、商品改善・FAQ作成・人員配置など、会社全体のサービス品質向上に役立ちます。

次回は「ナレッジオブジェクト」や「SLA設定」など、ケース対応を支える機能についても掘り下げていく予定です。サポート部門の方はもちろん、営業や開発にも関係する内容ですので、ぜひご活用ください!


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