Salesforceの基礎 標準レポートタイプとは
はじめに
Salesforceで効果的なレポートを作成するには、「レポートタイプ」の選定が非常に重要です。
レポートタイプは、レポートで使用できるオブジェクトや項目の範囲を定める土台であり、これを正しく理解・選択することで、必要なデータを正確に集計・分析できます。
今回は、Salesforceの「レポートタイプ」の基本と、カスタムレポートタイプの活用ポイントについて解説します。
前提条件
レポート作成にあたり、以下が設定されている必要があります:
・✔ Salesforceの「レポートとダッシュボード」機能が有効である
・✔ 必要なオブジェクト・項目にアクセス権がある(プロファイル/権限セット)
・✔ 関連オブジェクトの構造を理解している(リレーションの種類など)
ステップ①:レポートタイプの役割
Salesforceレポートにおいて「レポートタイプ」は、どのオブジェクトのデータを、どの項目まで扱えるかを定義する設計図のようなものです。
たとえば「ケース」や「ナレッジ記事」などのレポートを作成する際、それぞれのレポートタイプが異なるため、利用できるフィールドや関連オブジェクトも変わります。
ステップ②:レポートタイプを理解する
Salesforceでは、レポートの基盤となる「レポートタイプ」によって、どのオブジェクトのどの項目が利用できるかが決まります。目的に応じて、適切なレポートタイプを選ぶことが非常に重要です。
Salesforceのレポートタイプには、以下の2種類があります。
■ 標準レポートタイプ
Salesforceがあらかじめ用意しているレポートタイプです。たとえば、「ケース」「取引先」「リードとキャンペーン」など、基本的な業務オブジェクトに対応しています。多くのレポートはこの標準タイプで対応可能です。
■ カスタムレポートタイプ
標準のレポートタイプではカバーしきれない複雑なデータ構造や条件を扱いたい場合は、独自に作成できるカスタムレポートタイプが有効です。関連オブジェクトの関係性を自由に定義し、表示項目も柔軟に調整できます。
🧠 カスタムレポートタイプの作成手順や設計のポイントについては、別記事で詳しく解説しています。
ステップ③:目的に応じた選定のコツ
| 目的 | 推奨されるレポートタイプ |
|---|---|
| 単一オブジェクトの集計(例:商談の進捗) | 標準レポートタイプ(商談) |
| 関連情報を含めて分析したい(例:取引先別ケース件数) | カスタムレポートタイプ(取引先+ケース) |
| 複数条件でのクロス集計 | カスタムレポートタイプ+行/列グループ化 |
補足:レポートタイプの確認と管理
・既存のレポートタイプは「設定」→「レポートタイプ」から検索・編集可能です
・カスタムレポートタイプでは、不要な項目の非表示や、セクションの並び替えが可能です
・作成済みレポートがどのレポートタイプを使っているかは、レポート詳細画面から確認できます
よくある注意点
課題 対応策
使いたい項目がレポートに出てこない レポートタイプに項目が含まれていない可能性があります
関連レコードが表示されない 「関連オブジェクトが存在する場合のみ表示」の設定を見直しましょう
同一オブジェクト間で複数の関係がある場合 対象となるリレーションがどちらか確認(主/子の関係)
最後に
Salesforceレポートの精度と柔軟性は、「レポートタイプ」の選び方に大きく左右されます。
目的に合ったレポートタイプを選定・活用することで、より意味のある可視化や分析が可能になります。
特にカスタムレポートタイプは、一歩踏み込んだデータ活用に欠かせない強力な機能です。
適切な設計と運用で、レポートの質を高めていきましょう。
株式会社ONE WEDGE
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