Salesforce SLAとケースの連携について
はじめに
前回の記事では、SalesforceにおけるSLA(Service Level Agreement)の設定について、エンタイトルメントとマイルストンという機能を使って管理できることを紹介しました。
今回はその続きとして、SLAとケース(Case)をどのように連携させ、実際の業務に活かしていくのかを解説します。
ケースとは?
復習のようになりますがケースとは
Salesforceのケース(Case)オブジェクトは、顧客からの問い合わせやトラブル、クレームなどのサポート対応記録を管理するための標準オブジェクトです。
・顧客が問い合わせた内容
・担当者、対応履歴
・ステータス(未対応/進行中/解決済み など)
このケースにSLAを紐づけることで、対応時間や品質のトラッキングが可能になります。
ケースへのエンタイトルメントの適用
Salesforceでは、各ケースに対して 自動的にエンタイトルメント(SLAプラン)を割り当てることが可能です。
自動割り当ての方法
・取引先(Account)や取引先責任者(Contact)に紐づけられたエンタイトルメントが自動的に新規ケースに適用されます。
・条件に応じて、プロセスビルダーやフローを使って特定のSLAを割り当てることも可能です。
手動での適用も可能
・管理画面から直接、ケースレコードにSLAを指定することもできます。
マイルストンによる対応時間の追跡
ケースにSLAが割り当てられると、定義済みのマイルストンが自動で開始され、対応期限までのカウントダウンがスタートします。
・タイマーの開始・停止条件
マイルストンのカウントは、ケースが特定のステータス(例:新規)になったタイミングでスタートします。
・顧客の返信待ちや一時保留など、カウントを一時停止する条件も柔軟に設定可能です(例:ケースステータスが「待機中」のときはカウント停止)。
マイルストン違反のアラートと対応
Salesforceでは、マイルストンの達成・違反をトリガーにアラートや自動処理を設定できます。
例:通知・エスカレーション
・「24時間以内に初回応答がされなかった場合、マネージャーに通知メールを送信」
・「対応期限を超過したら、別のチームにエスカレーション」
これらはプロセスビルダーやフロー、通知設定(アラート)を組み合わせて構築されます。
可視化とレポート
SLAとケースの連携により、以下のようなデータをダッシュボードやレポートで可視化できます。
・SLA違反件数/遵守率
・マイルストンごとの平均達成時間
・チーム別の対応パフォーマンス比較
これにより、サポート業務の品質管理や改善ポイントの特定が可能になります。
よくある活用パターン
シナリオ | 設定内容例 |
---|---|
プレミアム顧客には短い応答時間 | ゴールドプランに24時間以内のマイルストン |
平日9〜18時のみカウントさせたい | 営業時間を定義したサポート時間設定の活用 |
自動エスカレーションをしたい | マイルストン違反時に自動通知+再割り当て処理 |
最後に
SLAとケースの連携は、サポート業務をシステマティックに管理し、顧客対応の信頼性を高めるための強力な機能です。エンタイトルメントとマイルストンを適切に設定し、ケースに自動適用することで、現場は「いつまでに」「どのように」対応すべきかが明確になります。
株式会社ONE WEDGE
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