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[最小限のお金と努力で] AWS DVA受験体験記

2022/02/20に公開

2022年2月にAWS DVA(デベロッパーアソシエイト) を受験して合格できたので、その受験体験記を書きます。
私の元々のレベルが高くない割には、金銭面でも努力面でも、そこそこ省エネルギーで取得できたのではないかと思います。
とはいえ特に変わった勉強をした訳ではなく、手段を絞って正攻法で勉強したら合格したという内容ですので、サンプル数を増やす目的で読んで頂くと良いかなと思います。

受験動機

1年ほど前まで "AWS = アマゾンウェブサービス ですよね!" 程度しか知らない、つまり何も知らない状態でした。
ここ1年で業務にAWSを用いる機会が一気に増えて、ミーティング等で知識不足故に深い議論ができないときに歯がゆい気持ちになっていたので、知識獲得の一貫として受験してみました。AWS認定試験を受けるのは今回が初めてです。

またAWS認定試験の中ではAWS SAA(ソリューションアーキテクトアソシエイト)が一番人気のようですが、それぞれ公式の試験サンプルを読んでみたところ、DVAの方が開発者の私には解いていて楽しそうに思えました。一方SAAは今はそこまで知らなくても大丈夫かな、といった知識が問われている印象だったので、DVAを受験することに決めました。

私のレベル感

元々知っている/使ったことがあるサービスは以下です。

  • CloudWatch
  • EC2
  • ECS
  • ECR
  • DynamoDB
  • IAM
  • Lambda
  • QuickSight
  • RDS
  • S3
  • Step Functions
  • System Manager

頻出のサービスで言うと、DynamoDB, EC2, Lambdaは少し知っているが自力で開発はできない程度でした。API Gateway, CloudFormation, Cognito, SNS, SQSなどはほぼ知識0でした。CloudWatch, IAM, RDS, S3などは利用頻度が高く、他サービスよりは分かる状態でした。

QuickSightやStep Functionsは結構使っていたのですが、残念ながらAWS DVAではほとんど出題されません。
CodeBuild, CodePipelineは、開発者なのでなんとなく機能のイメージが付くという程度でした。

かかった時間

ちゃんと勉強していたのは1ヶ月程度です。平日仕事終わりに30分-1時間ほど、休日は3-4時間ほど勉強していました。
当初は1月に受験する予定でしたが、私生活がごたついて試験日は2回延長しました。試験日の2日前まではサイトから簡単にキャンセルまたは日時変更できるのがとても良い点です。2日前というキャンセル期限にさえ気を付ければ、気軽に申し込んで大丈夫なので、とにかくまずは試験予約をすると勉強に発破を掛けられます。

かかったお金

内訳 料金
試験料 16,500円
参考書: ポケットスタディ AWS認定 デベロッパーアソシエイト 2,310円
AWS利用料金: ハンズオンで作ったEC2インスタンス、VPCを削除し忘れた 399円
合計 19,209円

試験料と参考書は会社から補助金が出たため、自己負担約400円で合格できました。AWS利用料金が無ければ "無料で合格!" という胡散臭いフレーズをこの記事で銘打てたかも知れません。
とはいえこの料金により、AWSの料金体系や料金アラート設定の重要性を身を持って学べたので良かったです。身銭を切るとはこのことですね。リソースの停止や削除忘れにはご注意ください。

使った教材

ほぼこれだけです。よく公式のAWS Black Beltが勉強法でおすすめされていますが、私は今回時間も無くほとんど参照しませんでした。

勉強法

参考書

参考書は定番の ポケットスタディ AWS認定 デベロッパーアソシエイト を使いました。AWS SAAは参考書が豊富ですが、AWS DVAに関してはそもそも参考書が少なく、現状この本1択になりそうです。

各章の章末問題と、付属の模擬試験を繰り返し解きました。間違えた問題と自信の無い問題だけマークを付けておいて、次周で解き直す、という方法で3周しました。最後まで不正解で残った問題は数問だけ、という状態まで持っていきました。
この本の問題は本試験より1,2段階ほど簡単だったので、完璧にするくらいがちょうど良いと思います。

AWS Hands-on for Beginners

業務で使ったことのないサービスを理解するために、いくつかAWS公式の初心者向けハンズオンを受講しました。いつでも無料で動画とスライドを観られます。
https://aws.amazon.com/jp/aws-jp-introduction/aws-jp-webinar-hands-on/

私が受講したのは以下の3つです。

動画形式で進んでいくのでそれなりに時間がかかりますが、操作を実践するとやはり記憶に定着します。何より解説が非常にわかりやすいです。
ただしハンズオンをこなしたからといって、試験問題が解けるようになるか?というと少し違うと思います。あくまで記憶定着の助けになるといった感触でした。
動画は常に1.75倍速か2倍速で観ていました。時間さえあればスキルアップのために全て受講したいと思うクオリティでした。

公式の模擬試験

2021年12月から無料になった公式模擬試験も受験しました。20問の出題で、問題の正誤と解説も見ることができます。レベル感も本試験に近いので受けない理由が無いと思います。
本試験は日本語がおかしいという情報が多く、実際その通りだったのですが、その危うい日本語も体験できて良かったです。ただ本試験のように回答中に英文に切り替えるボタンは無く、英語の問題セットは別ページから受験し直さなければいけないのが少しやり辛かったです。

本番の試験

試験内容

結構難しかったです。自信を持って答えられる質問が半分、残りの半分は自信なし、くらいの感触でした。時間は十分に余りましたが、制限時間一杯まで見直しました。
そのため試験終了ボタンを押すときは緊張しましたし、その後 "合格" の文字が表示されたときは、静かにガッツポーズをしてしまいました。午前中に受験して、その日の夕方5時頃にはテスト履歴からスコアが見られました。

一番レベル感が近かったのは、やはり公式の模擬試験だったと思います。参考書の章末問題と模擬試験は、本試験よりも少し簡単でした。
単純記憶だけでは歯が立たない問題が多く、普段から各サービスを使って開発している人が一番強いのだろうな、という内容でした。そういう意味で良問だと思います。

日本語は前評判通りかなり怪しく、明らかな誤訳もいくつかありました。一番面白かった誤訳は "Amazon S3" が "A3" と訳されていた文章です。
画面上に英語に切り替えられるボタンがあるので、ほとんどの問題でクリックして英文も読みました。日本語だと何が言いたいかわからない問題も、英語にするとそういうことかと納得できたりしたので、分からなかったら切り替えてみることをおすすめします。

一般的な日本の試験だと、分からなくても日本語的に正否を勘ぐることができたりしますが、そのような勘ぐりが一切通用しないという点でも難しかったです。

ちなみに最初から英語で受験を申し込んでおくと、ネイティブでない場合30分のアディッショナルタイムが得られるそうです。英語が苦手でなければ最早最初から英語で受験してしまうのも有効な手段だと思います。
https://aws.amazon.com/jp/certification/policies/before-testing/

英語がネイティブでない受講者が英語で試験を受ける場合は、リクエストに応じて 30 分間の試験の延長が利用できます。

受験環境

テストセンターで受験しました。最初はオンライン受験を考えていたのですが、有線LANが推奨されていること、調べると他アプリの干渉などトラブルがやたら多そうなこと、音が入ると失格になり得るので自宅の猫に気を使いたくないことが理由でそうしました。

テストセンターはこのご時世もあり空いているだろうと考えていたのですが、予想に反して多くの人で賑わっていました。席ごとの仕切りはあり個室のようになっていたのですが、10分に1回間隔で部屋に響き渡るくそでかため息をつく方が近くの席にいて非常に気になりました。またご時世柄マスクを外すことができず息苦しかったです。
次回受ける場合はオンライン受験を選んで、自宅の環境を整えるかレンタルスペース等を活用しようと思いました。
くそでかため息さんはやはり結果も芳しくなかったのだろうか…と少し気になるところです。

まとめ

先述の通り、2日前までキャンセルまたは日時変更が簡単にできますので、まずは仮の日程で試験を予約して勉強のモチベーションを上げると良いと思います。

また参考書1冊+公式模擬試験だけでもなんとか合格はできるという人柱になれたかなと思います。

資格の有効期限は3年なので、3年後はもっと余裕を持って合格できるようAWSサービスと積極的に戯れていこうと思います。また気力があれば、今回の勉強を忘れないうちにAWS SAAも取得してみたいです。

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