ウェーブレット変換の考え方
解説事項
- ウェーブレット変換の考え方
- 連続ウェーブレット変換の式
- 短時間フーリエ変換との違い
離散ウェーブレット変換は次回扱います
ウェーブレット変換を一言で
- 時間・周波数解析の一種
- 信号を,Waveletと呼ばれる「非周期な小さな波」との内積で解析する
- ウェーブレット変換は短時間フーリエ変換と異なり,時間・周波数の解像度が周波数により変化する.
基本的なアイデア
ウェーブレット変換(Wavelet Transform)は,時間・周波数解析の一種である.
非周期な小さな波「Wavelet」を用意する.そのスケール(周波数)とシフト(時刻)を変えながら信号と内積をとる(下図)ことで,特定時刻の特定周波数成分が得られる.この波は内積をとる「核」として働き,これを「マザーウェーブレット」と呼ぶ.マザーウェーブレットとしてさまざまなWaveletが提案されている.
下図の通りその出力は,短時間フーリエ変換(STFT)と,結果的には近いものになる.しかし計算方法や特性には違いがある.
連続ウェーブレット変換(CWT)の式
CWTは,マザーウェーブレット
※
短時間フーリエ変換(STFT)との違い
内積をとる「核」が非周期という点がSTFTとの最大の違い
- STFTは信号に窓関数を掛けたのち,三角関数(周期)と内積をとる
STFTとCWTはどちらも時間周波数解析であり,時間解像度と周波数解像度のトレードオフが存在する(Wikiが詳しい).STFTでは窓関数の幅により時間解像度が決まり,それにより全周波数帯域で同じ周波数解像度となる.一方でCWTは,周波数ごとに異なる時間・周波数解像度で行う(下図,出典).
低周波成分ほど,低い時間解像度で高い周波数解像度になる.時間解像度の低下は,内積をとるウェーブレット関数が時間方向に広がることから,大まかなイメージを掴めるかもしれない.
さて,STFTに比べた連続ウェーブレット変換の利点はこの可変解像度にある.STFTで窓関数の幅
参考
- ウェーブレット変換の基礎と応用事例
- ウェーブレット変換の総まとめ
- 数理科学 ウェーブレットビギナーズガイド(東京電機大学出版局)
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