「技術的には可能です」の少しマシな言い方
はじめに
「技術的には可能です(でも影響範囲でかいし、品質に影響与えそうだし、結構コストかかるし、スケジュールきついし・・・無理じゃね?)」問題ありますよね。
口に出したことより、心の中の声の方がでかいみたいな。
そしてこれは、言われた側からは非常に不評でもあります。
私は比較的最近、この問題とうまく付き合えるようになりましたので、少しアイデアを共有したいと思い、この記事を書きました。
解決策
それは「できる」と「やる」を分離して
- できる:自分の責任
- やる :相手のバトン(責任)
とすることです。
- 「できますが、スケジュール変更が必要ですね。やりますか?」
- 「できますが、今のコストに収まりません。やりますか?」
- 「できると思いますが、ちょっと影響範囲広くて不具合出そうですね。やりますか?」
みたいな感じで、これを一息に伝えます。
「できる」と答えるからには、そのための条件を伝えることは、答える側の責任だと思います。
その上で、やるか・やらないか決定するのは、受け取った側の権利でしょう。また「やる」なら、その条件を整えるのは受け取った側の責任でしょう。
「技術的には可能です」みたいな木で鼻をくくったような答えをする必要はありません。心の声を素直に伝えましょう。
・・・え?そんなこと言える関係にない?
そのプロジェクト終わってるから諦めましょう。これが腹割って話せる関係性は、プロジェクト成功の必須要件です。
「じゃあ見積もって」対策
先のような回答をすると、気軽に「じゃあ見積もって」と言われることがあります。これにもコツがあります。
聞いてきたのがPMなら「いや分からんけど5人日くらいじゃないっすか?」で良いのですが、聞いてきたのが顧客だったりするとそうもいかないでしょう。その場合は
お金かかってもやるなら見積もります
これです。いや、もちろんもうちょい丁寧に言いますが大切な本質はこれです。
とは言え、「いやいや、程度によるよ、金額聞かなきゃ判断できないよ」となるので「見積もらずに最低限の判断できる情報」を提供します。
最低でも○○人月(円)かかると思いますが、それでもやるべきかご判断いただけますか?
やりたいというお話であれば正式にお見積りしますが、その際、大きく上振れすることもありますがご了承ください。
とかですかね。
ただ弊社もそうですが、社内稟議なく金額は出せないこともあるでしょう。その場合は
見積もってみないと分かりませんが、1か月くらいリリース延期が必要かもしれません。体制維持が必要なので現在の5名チームの維持費がかかります。
など。そこからいくらかかりそうかは、相手に判断してもらえば金額を伝える必要はありません。
顧客に先に求めすぎと感じるかもしれませんが、見積もりはプロジェクト内でも中心的なメンバーにそれなりの負担がかかります。
それはプロジェクトのリスクになりますので、軽い気持ちで見積もりを請け負うことも避けるべきです。
そこはバランスを見た上で、本気度(重要度)を確認いただいた上で、対応すべきだと思います。
おわりに
大切なのは「できる」と「やる」を分離し、自分は「できる」に、相手に「やる」責任を持ってもらうことです。
またその際に、安易に見積もりの依頼を受け入れず、相手の本気度を確認しましょう。
さあこれであなたにも「できますか?」
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