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見積・提案書に書いておくと不幸を減らせる前提条件

2022/07/31に公開

はじめに

ちょっとつぶやいたら思いのほか需要がありそうだったので、簡単にまとめておきます。

おことわり

  • これを書いておけば、すべての不幸を避けられるというものではありません
  • 提出先との関係性次第では、書かないほうがいいこともあるかも
  • 私自身が普段提案している内容が、すべて記載されているわけでもありません(うろ覚えで書いてたり、大人の事情)
  • これを流用しておこったすべての事項について、何らかの責任をとることはできません
  • 本稿では請負による開発を想定しています

でも共有することで、この業界の不幸が減ればいいなということでつらつら書いてみます。

他にもあるようなら、Twitterなりコメントなりで提案してもらえると嬉しいです。

前提条件を書く目的

  1. 見積・提案書通りに、実施するために必要な条件を明確にする
  2. 条件を逸脱したときに、どうなるのかハッキリさせる
  3. 上記は概ねつぎのとおり
    1. 実現が不可能になる
    2. コスト・スケジュールが変更(基本的には増額・延期)になる
    3. スケジュールが延期になる

3-2と3-3は、匙加減ですかね。本当は全部3-2にできるほうがリスクは低いんですが、相手との関係性によっては、そこまで突き放せない場合は3-3にしたりします。この文書中では、私がとりがちな方で記載していますが、そこは良くご検討ください。

とくに責任が自社にも、発注元にもないような場合は3-2としにくい場合があります。コロナ禍とかね・・・

そういう場合は、ある程度プロジェクト内に吸収できるバッファーを用意しておいて、スケジュールだけ調整してもらうなどの対応が必要なのかもしれません。リスク費を積んでおいたり、許容できる原価率の上限を明確にしておくなどですかね。

これはむしろ私も理想的な対応方法を知りたいなぁ。

見積・提案書に書いておくと不幸を減らせる前提条件

てことで、つらつらと書いてみます。一晩たって思い出したものを書いていて、実際のドキュメントを確認していないので他にもまだまだあるかも。

またそもそもの提供する機能の詳細、スケジュール、金額、大まかなアーキテクチャ(クラウド?オンプレ?Web?ネイティブ?)、見積のスコープ、金額などは、前提条件とは別に個別に説明があるものとしています。

  • 本見積はXXXプロジェクトの[概算or正式]見積です(概算=まだ金額などすべて変わる可能性があるよ)
  • 正式見積もりのスコープ(要件定義とそれ以降で基本的に分ける)
  • 本書に記載のない機能が必要となった場合は、再度見積もりをご提示いたします
  • 本書に記載された非機能要件を超えた場合、動作などを保障することはできかねます
  • 非機能などフィジビリティスタディが必要な場合、その範囲は担保できないことを記載する
  • 本プロジェクトにて作成するすべてのドキュメントは、弊社書式といたします(相手書式に合わせると大幅なコスト増になる可能性が高い)
  • XXXX年XX月XX日までにご発注いただけない場合、見積金額・スケジュールが大きく変更となる可能性があります
  • 要件定義完了後の作業は、要件定義完了後に改めて再見積もりする前提といたします
  • スケジュールが期をまたがる場合、中間成果物を納品させていただき、都度清算いただけることを前提とします
  • フェーズや期跨ぎにより契約期間を分割する場合、次フェーズの開始XX日前までにご発注いただける前提とします
  • 発注が遅延した場合、プロジェクト体制の解散につながり、大幅なスケジュール変更が発生します
  • 開発に当たって、貴社ネットワーク環境など必要な情報は適宜開示いただける前提とします
  • 開発に必要な資料は、個人情報など適切にマスクを実施した上で、ご提供いただける前提とします
  • 貴社内にて、プロジェクトを遂行する上で必要な裁量をもった担当者を選定いただける前提とします
  • プロジェクトを遂行する上で、弊社と十分な協力体制をとってプロジェクトを運営いただける前提とします
  • プロジェクトを遂行する上で、必要となる関係者にプロジェクトチームへ参画いただき、十分な協力が得られる前提とします
  • プロジェクトの打ち合わせは基本的にリモートとし、オンサイトでは原則実施いたしません
  • 感染症等の状況が変化した場合、スケジュールについて見直しいただく場合があります
  • 外部要因によりハードウェア等の納入が遅延した場合、スケジュールについて見直しいただく場合があります
  • 業務運用マニュアル・操作手順書などの作成、利用にあたっての教育などは対象外といたします(必要となるレベルが対象によってまったく異なるため安易に受けない)
  • 運用保守見積が別途の場合は、含まれていないことを明確にする

著作権についてもこの時点で明確にしておく必要がありますが、非常にセンシティブな問題なので、法務を交えた別資料にしたり、基本契約で締結しておき個別には都度記載しないようにしています。

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