【Python】システムの環境変数(パス設定)のやり方(Windows)
1. はじめに
この記事では、Windows環境でPythonをインストールした際に「Add Python to PATH」にチェックを入れ忘れた場合の対処法として、手動でシステムの環境変数にパスを設定する方法を説明します。Pythonは既にインストールされているが、コマンドプロンプトでpython
やpip
コマンドを実行できない場合、この手順を実行してください。
2. システムの環境変数とは?
システムの環境変数は、オペレーティングシステムとアプリケーションが特定の設定やパス情報を共有するための仕組みです。特に「PATH」環境変数には、コマンドラインでプログラムを簡単に実行するためのディレクトリがリストされます。
3. Pythonのインストールディレクトリの確認
まず、Pythonがインストールされているディレクトリを確認します。通常、Pythonは以下のディレクトリにインストールされます。
- 32-bit Python:
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Programs\Python\Python39
- 64-bit Python:
C:\Program Files\Python39
- エクスプローラーを開き、上記のディレクトリに移動します。
-
python.exe
が存在することを確認します。
4. システムの環境変数にPythonのパスを追加する
4.1 環境変数の設定方法
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システムプロパティを開く
- 「スタート」メニューを右クリックし、「システム」を選択します。
- 左側のメニューから「システムの詳細設定」をクリックします。
-
環境変数を開く
- 「システムのプロパティ」ウィンドウが開いたら、「環境変数」をクリックします。
-
PATH環境変数の編集
- 「システム環境変数」のセクションで「Path」を探し、選択した後「編集」をクリックします。
-
新しいパスを追加
- 「新規」をクリックし、Pythonのインストールディレクトリを入力します。
例:C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Programs\Python\Python39
またはC:\Program Files\Python39
- さらに、Scriptsディレクトリも追加します。
例:C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Programs\Python\Python39\Scripts
またはC:\Program Files\Python39\Scripts
- 「新規」をクリックし、Pythonのインストールディレクトリを入力します。
-
設定を保存
- 「OK」をクリックしてすべてのウィンドウを閉じます。
4.2 コマンドプロンプトでの手動設定
もう一つの方法として、コマンドプロンプトから直接環境変数を設定する方法があります。
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コマンドプロンプトを管理者として実行
- 「スタート」メニューから「コマンドプロンプト」を検索し、右クリックして「管理者として実行」を選択します。
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setxコマンドを使用
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以下のコマンドを入力して、Pythonのパスを設定します。
setx PATH "%PATH%;C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Programs\Python\Python39;C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Programs\Python\Python39\Scripts"
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64-bitの場合は、以下のコマンドを使用します。
setx PATH "%PATH%;C:\Program Files\Python39;C:\Program Files\Python39\Scripts"
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確認
- コマンドプロンプトを再起動し、再度バージョン確認を行います。
4.3 再インストールによるパス設定
最も簡単な方法は、Pythonを再インストールして、「Add Python to PATH」にチェックを入れることです。これにより、環境変数が自動的に設定されます。
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Pythonの再インストール
- Pythonのダウンロードページにアクセスし、最新バージョンをダウンロードします。
- インストーラーを実行し、「Add Python to PATH」にチェックを入れてインストールを進めます。
5. コマンドプロンプトでの確認
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コマンドプロンプトを再起動
- 「スタート」メニューから「コマンドプロンプト」を検索し、右クリックして「管理者として実行」を選択します。
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Pythonのバージョン確認
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以下のコマンドを入力して、Pythonが正しく設定されているか確認します。
python --version (または -V)
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pipのバージョン確認も行います。
pip --version (または -V)
これらのコマンドでバージョン情報が表示されれば、環境変数の設定は成功です。
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まとめ
これで、Windows環境でPythonのパス設定を手動で行う手順が完了しました。「Add Python to PATH」にチェックを入れ忘れた場合でも、環境変数を手動で設定することで、コマンドプロンプトから簡単にPythonやpipを利用できるようになります。
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