文系高卒エンジニアがインドネシアのトップ大学へ入学した話

2024/12/15に公開

はじめに

2024年 GAOGAOアドベントカレンダー 15 日目を担当します、null です!

本記事は、8 月よりインドネシアにあるガジャマダ大学コンピュータサイエンス学科へ入学した経緯や、そこでの奮闘をまとめた記事になります。海外への挑戦意欲がある方、海外の大学事情に興味のある方は、ぜひご一読いただけると嬉しいです!

経歴

  • 22 歳、高卒、文系
  • QA エンジニア / コミュニティマネージャー として 2023 年より GAOGAO に参画

ガジャマダ大学について

インドネシアのジョグジャカルタにある、国内トップクラスの歴史ある大学です。私は現在、理学部のコンピュータサイエンス学科に在籍しています。

各学部には一般的なプログラムの他に、International Undergraduate Program (通称 IUP) と呼ばれるプログラムがあります。授業は英語で実施され、クラスメイトもオーストラリアや中国、カタールなど国際色豊かです。また、カリキュラムの中に海外大学への留学(必須)が含まれています。

余談ですが、インドネシアはイスラム国家であるため、各学部に一つ礼拝所(モスク)があります。そのため、授業とは別に、イスラムコミュニティ主催の集会が毎週実施され、イスラム教徒としての心得などを学ぶ機会がありました。自分は無宗教ですが、なぜか参加していました。

あと日本のアニメや音楽が好きな人も多いです。(嬉しい)

経緯

GAOGAO は、東南アジア発のスタートアップスタジオで、東南アジアにいくつか拠点を構えています。その一つに、ガジャマダ大学のあるジョグジャカルタ拠点があります。また、「GAOGAO海外留学制度」 というサポート制度もあり、これらを活用し現在 NUS の大学院に在籍しているメンバーもいます。

私の場合、参画中であったプロジェクトが終わるタイミングで、次のようなご提案をいただきました。

前述した背景やカルチャーを有している GAOGAO ならではの提案だったと思います。

準備期間は一ヶ月じゃん、英語も喋れないし、そもそもどこやねん... など不安はいくつもありました。しかし「人生のモラトリアム期間として大学に行くのもありだなぁ」という意識が芽生えていた自分にとっては、そのどれも拒否する理由にはならなかったです。自分にとっては「面白そうだしチャレンジしてみよう!」と、それだけの話でした。

スケジュールは下記の通りです。

日付
2024/06 受験準備
2024/07 受験
2024/08 入学

受験準備

  • 受験申請 (オンライン)
    • パスポート、高校の成績書類、卒業証明書等、大学指定推薦書等を提出しました
  • 渡航準備
    • Visa、チケット、宿泊施設の確保
  • 大学関係者へメール
    • まずは教授と大学の担当事務局等へ、受験する旨のメールを送りました
    • その後は申請状況を逐一報告しつつ、受験プロセスや試験内容の確認メールを送りました

この段階では、受験プロセスや試験内容等の把握に手こずりました。前例がなく、メールが頼みの綱だったのですが、事務局からの返信はなく、教授はリマインドをしてようやく返信が得られる温度感。結局、渡航日まで受験プロセスや試験内容等についての回答はもらえませんでした。

受験

受験できるかすら怪しかったのですが、受験すると決めた以上、受験をするしかありません (?)

受験前日にインドネシアへ渡り、その足でそのまま大学へ訪問しました。そこで自身の状況や受験意思を拙い英語で伝えたところ、翌日に急遽インタビューを受けることになりました。(外国人留学生には、筆記試験等は特に設けていないようです)

合格後の流れ

インタビューから数日後、合格通知を受けました。それから入学金等の振込、学生 Visa の申請を大学と行いました。スケジュールは下記の通りでした。

  • 入学式:
    • インドネシアの入学式は 1 週間かけて開催されます。その間グループワークなどを通してクラスメイトとの親睦を深めるようです。
    • 自分は学生 visa の申請の関係で 1 日しか参加できなかったです。
    • 入学式は基本インドネシア語でしたが、学生スタッフがつきっきりで英語に翻訳してくれました(すごい)
  • 学生 visa
    • 当初は始業日までに間に合う予定だったのですが、結局 2 週間遅れで発行されました。原因はインドネシアの政府機関の手続きが遅れたためで、自分も大学もただ待つしかなかったです。
    • 講義は基本対面のため、その間は受講できなかったです。幸いにも、履修予定の授業の各教授にメールもしくは WhatsApp にて状況を伝えたところ、なんとか理解を得られることができました。

授業 & テスト

今学期履修した講義は以下の通りです。

  • 数学 (微積、線形代数)
    • 微積:数Ⅲ (極限と微分)
    • 線形代数:ベクトルと行列の基礎
  • サイエンス (物理、化学)
    • 物理:理系の高校生が学ぶであろう基礎的な内容
    • 化学:高校基礎 + 大学基礎 (電子配置等)
  • プログラミング関連
    • C++の基礎、フローチャートやアルゴリズム等
    • 論理系 (ブール代数、カルノー図等)
  • 社会 (宗教、インドネシア語)
    • 宗教(イスラム):イスラム、キリスト、ヒンズー、仏教、儒教から一つ
    • インドネシア語:インドネシア語の歴史や公用語としての意義

教師の英語は聞き取りやすいです。聞き取れない場合は、どちらかというとその科目への理解が乏しいことが原因でした。自分の場合、特に理数系は予習が必須でした。そのため、空き時間はほぼほぼ勉強してました。

テストに関しては、中間と期末、それぞれほぼ全教科を2週間かけて実施されました。

1日のスケジュール

一学期を終えて

振り返ってみて、主に 2 点課題が残りました。
① 英語での日常会話

  • 序盤はとにかく笑顔で挨拶 & グータッチを徹底し、孤立することは避けられました 👊
  • 一方で、中盤以降はグループワークや休日に遊ぶ機会が増え、コミュニケーションがうまく取れないことが増えました。クラスメイトには感謝しかないです。

② 授業内容

  • 文系であること、また、卒業して 4 年のギャップがかなり響きました。
  • 毎週末 KPT を記録し、対策も講じたのですが、単純に力が及ばなかったです。

前述の通り、今学期は勉強ばかりの日々でした。そのくせ、正直なところ単位を取れたか怪しい教科もあります。改めて自分の弱さを認識しました。これも留学のひとつの効能かもしれません。

来学期からは「圧」をテーマに、クラスメイトと学内のハッカソンに参加したり、一緒にプロジェクトを進めたり、貴重なモラトリアムを全力で満喫したいところです 💨🏃‍➡️

最後に

今年の8月、GAOGAOの代表が、書籍 エンジニア組織の英語化変革 EX を出版しました。ご興味のある方は、こちらの本を手に取っていただけると幸いです!

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