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OpenAI APIのドメインフィルタ機能を試してみた(Responses API×Web search)

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はじめに

こんにちは、NTTデータでAI活用、とりわけOpenAIプロダクトに関する取り組みを行っている吉田です。

ご存知の通り、Web検索は生成AIを効果的に活用する上で有用な機能です。一方でユースケースによっては検索対象を特定の情報源に絞りたいニーズもあろうかと思います。
そのようなニーズに対して、先日OpenAI API の Web search のフィルタリング機能がリリースされました。早速試してみた結果を紹介します(2025年9月時点)。

対象読者

  • 生成AIを業務システムやサービスに組み込みたいと考えているエンジニア
  • OpenAI APIのResponses APIやWeb search機能を試してみたい方
  • 検索対象や出典の信頼性を重視するユースケースでOpenAI APIを活用する方

Responses APIとは

まずは前提情報として、Responses APIについて簡単に説明します。
Responses APIはOpenAIの代表的なAPIであり、チャット生成に加えて、ツール呼び出し(Web検索、ファイル検索、コード実行など)が実行できる開発者向けAPI群です。
Responses APIは従来のChat Completionsの使い勝手を保ちつつ、マルチターンやツール利用などの“エージェント関連機能”が強化されています。
Web searchツールを有効化することより、インターネット上の情報検索および出典付きの回答を得ることが可能となります。

ドメインフィルタ機能とは

次に本題のドメインフィルタ機能について説明します。
ドメインフィルタは、Web searchツールの検索対象をホワイトリスト形式で特定のドメインに限定する仕組みです。
例えばgo.jpやexample.comのように、許容ドメイン(allow list)を与えておくと、指定した範囲からのみWeb検索を行います。

<メリット>

  • 回答の信頼性向上に寄与
    ⇒検索対象を絞ることで情報源の一貫性を保つことができる。
    ⇒信憑性の低いサイトの引用を抑えやすい。

<制約・注意点>

  • ドメイン数上限:ホワイトリストには最大20個までドメイン追加可能。

想定ユースケース

特に以下のようなユースケースでの活用が効果的と考えています。

  • コンプラ重視のFAQ:官公庁・規格団体・ベンダー公式など一次情報に限定。
  • 製品サポート:特定ベンダーのドキュメントサイトの範囲でQ&A。
  • 教育・研修:LMSや自社Wikiなど、教材ソースに絞った学習支援。

試してみた


↑ドメインフィルタリングを設定

  • ツール内のfilters以下に検索対象のドメインを指定(上記キャプチャの例では検索対象をopenai.comのみに制限)
    (補足)
    • ドメイン名のみ指定できる
      例) https://openai.com/ の場合はopenai.comで良い
    • 検索にはサブドメインも含まれるため明記する必要はない
      例)openai.comと指定した場合、platform.openai.comやhelp.openai.comの内容も含む
    • サブドメインを含めて記載することもできるため、細かい制御も可能
      例)platform.openai.comやhelp.openai.comと指定することはできる
  • include=["web_search_call.action.sources"]と指定することでresponseのsourcesにURLが記載される


↑出力結果(指定したドメインのみを検索対象としているを確認)


↑ドメインフィルタリングを設定しなかった場合の出力結果(openai.com以外も検索対象となっていることを確認)


↑ホワイトリストに20個以上のドメインを追加した場合の動作を検証


↑20個以上登録するとBadRequestErrorが出ることを確認

まとめ

  • Responses APIのドメインフィルタリング機能は簡単な設定で、信頼できる情報源にWeb検索対象を絞ることが可能
  • 検索対象の信頼性と一貫性向上に貢献する

参考サイト

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