8日目:テスト自動化~テストツールの最前線~
はじめに
このAdvent Calendarでは、過去に私が書いたテストや品質に関する記事の紹介をします。
本日紹介する記事はこちらです。
掲載日:2012年2月16日
掲載メディア:DATA INSIGHT(NTT DATA)
生成AIによる要約
この記事では、ソフトウェア開発におけるテスト工程の負荷軽減と効率化を目的に、「テスト自動化」の重要性とその現状を整理しています。開発工程の約4割を占めるテスト作業は、人手と時間を大きく消費する部分であるため、ツールを使った自動化が有力な解決手段だと指摘。
具体的に、GUIテストを自動化するキャプチャ/プレイバック型ツールや、キーワード駆動・データ駆動型テスト、テスト設計支援ツール(例:All-pair法、状態遷移テスト支援ツール)などの技術を紹介しています。さらに、テストケースの設計から実行、結果判定、進捗管理、要件とのトレーサビリティまで含めた「ALM(Application Lifecycle Management)」ツール群への拡張も取り上げられ、今後のテスト自動化の方向性を示しています。
一方で、当時の実態として約7割のプロジェクトがテストツールを使っておらず、導入の障壁(導入コスト、既存資産との非互換、初期負荷など)を挙げています。それでもテスト設計技法やツールの進化によって、自動化は徐々に有効性を高めており、効果を得るまでの「習熟期間」を経る価値があると論じています。
記事に対する補足、訂正、最新情報など
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弊社NTT DATAには、技術情報やトレンドを発信するサイトがあります。現在は「DATA INSIGHT」という名称ですが、この記事が公開された当時は「イマ旬」と呼ばれていました。
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このサイトで、私は年に1回ほどの頻度で記事を掲載していますが、本記事が私の最初の投稿だったようです。
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記事中には「当時は約7割のプロジェクトがテストツールを使っていない」との記述があります。現在はどうかを確認したところ、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)による「2023年度ソフトウェア開発に関するアンケート調査」では「テスト支援ツールを利用している」と回答した割合は約3割でした。調査対象や定義が異なるため単純比較はできませんが、10年以上経った今も大きく状況が変わっていない可能性があります。
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記事中でリンク切れになっている参考文献のうち、現時点で確認できたもののみ最新のURLを紹介します。参考2と参考5については最新ページを確認できませんでした。その他のリンクは現在も有効です。
さいごに
テストツールの利用率が当時とほとんど変わっていないという点は、改めて見ると意外でした。その背景には、ツールを使うための準備やメンテナンスにかかる手間やコストが、依然として大きな課題として残っていることがあるのだと思います。
近年はAIを搭載したテストツールが増え、生成AIによるテスト設計・実行支援も広がりつつあります。これらの技術により、従来の課題が少しずつ解消されていくことが期待されます。今後は、こうした技術をうまく取り込んだ“AI時代のテスト自動化”が不可欠になっていくと感じています。
その一方で、人が意図を持って設計するテストの価値は変わりません。AIと人が補完し合い、それぞれの強みをどう生かすかが、これからの品質保証における重要なテーマになると思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。明日の投稿もどうぞお楽しみに。
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