NTT DATA TECH
📑

新入社員がInterop Tokyo 2025で学ぶ最新セキュリティ技術

に公開

2025年6月に開催されたInterop Tokyo 2025に訪問しました。
本記事ではInterop Tokyoとはどのようなものか、そしてその中で印象に残った技術やトレンドを通じて得た学びや気づきを整理し発信しています。
読んでくださる方の参考になれば幸いです。

はじめに

はじめまして!2025年度からNTT DATAに入社しました、新入社員の坪田です。
大学院ではLarge Language Model(LLM)を用いた研究をする傍ら、Web開発のアルバイトを行っておりました。
入社後はセキュリティを中心としたコンサル業務がメインとなっているのですがセキュリティについては疎く、早く一人前になれるように日々奔走しております。
(とりあえず基本情報技術者試験の資格を先月取得しました…)

記念すべき投稿一本目として、Interop Tokyo 2025に訪問した話をまとめることにしました。
学んだ技術や個人的に注目したいトレンドをセキュリティを中心に記事として残したいと思います。

初めての執筆ということで、温かい目で見ていただけると幸いです。

Interop Tokyoとは

Interop Tokyoは、国内最大級のインターネットテクノロジーイベントです。
1994年の初開催以来、毎年国内外から約500の企業・団体が参加し、
世界の最新技術とその活用事例を体験できる場として広く知られています。

  • 「Interop」は相互接続性を意味する“Interoperability”が由来
  • 展示会のほかに講演も多数
  • 2025年は6月11日〜13日、幕張メッセにて開催
  • 入場料無料!

https://www.interop.jp

いざ入場!

幕張メッセの広い空間を埋める企業・団体の数々に圧倒されます。
会場内を歩いているだけで資料やノベルティを沢山貰えます。サークルの新歓を思い出しました。
とても楽しい空間で、思ったより気軽に行けるなという印象でした。


会場の様子 活気がすごい!

印象に残った技術・トレンド

セキュリティ領域に絞って10件以上のブースを回り、特に「AI 活用」と「攻撃観測」を切り口に印象に残った2件を紹介します。

日本初のセキュリティ特化AIエージェント「Takumi」

まず一つ目はGMO Flatt Securityのブース。ここではセキュリティ診断を行ってくれるAIエージェント「Takumi」を紹介していました。

先述の通り、私は学生時代からLLMに触れていた経験があり、優れたAIエージェントを構築するうえで「良質な学習データ」がいかに重要かを深く理解しています。
特にセキュリティ分野においては、そうしたデータの収集が非常に難易度の高い課題となります。セキュリティに関するノウハウを大量に蓄積しているだけでなく、それらのデータを学習に利用するためには、厳格な許可や同意の取得が不可欠だからです。
こうした複雑な課題を乗り越えて実現された「Takumi」に、強く興味を惹かれました。

使い方としては、コードを与え、Slackなどのチャットアプリで質問をするだけです。するとTakumiが脆弱性や改善部分を教えてくれます。Takumiは他のモデルよりも優れた精度を示しており、Interop Tokyoに出展されたサービスの中で特別優秀なものに送られるBEST OF SHOW AWARDにもノミネートされていました。

しかしLLMなだけあってプロンプトにも多少左右されるそうで、「ダメな部分を教えて」のような浅い質問だと網羅的な答えは返ってこないこともあるそうです。ある程度使用者の知識も必要になるということですね。

それでも画期的なサービスであることには間違いありません。技術進歩に伴い増加するサイバー攻撃にAIのサポートは必須です。セキュリティ人材が足りない現在において、Takumiは効率的かつ高精度なセキュリティ診断を提供するための重要なツールとして注目されています。

なんでパンダなのか聞きそびれました
https://flatt.tech/takumi

対サイバー攻撃アラートシステムDAEDALUS(ダイダロス)

この声に出して読みたくなるシステムは情報通信研究機構、通称NICTのシステムです。
DAEDALUSは、同じくNICTのシステムである大規模ダークネット観測網(NICTER)を活用したシステムです。

ダークネットとは、通常のインターネット上でアクセスされることが意図されていないIPアドレスやネットワークの集合のことを指します。ダークネットには正規の利用目的がなく、これをうまく活用して悪意のある活動を観測しているのがNICTERです。NICTERはサイバー攻撃の活動をリアルタイムで観測し、脅威を早期に検知することができます。

そして、DAEDALUSはこの観測データを基にしてアラートを発報し、攻撃の兆候をいち早く知らせるシステムです。これにより、セキュリティ対策を迅速に行うことが可能となり、さらなる被害を防ぐことができます。このシステムは現在、地方公共団体向けに無償提供を行っています。

このシステムが特に印象に残った理由の一つは、そのビジュアルデザインです。まるでSF作品に登場するような未来的で洗練された見た目は、展示されていたものの中でもひときわ目を引き、非常に魅力的に映りました。

もともと私は、セキュリティ分野に対して「専門用語が多く取っつきにくい」「裏方で少し地味な分野」というイメージを持っており、学び始めることに多少のハードルを感じていました。しかし、NICTのシステム群はそのような固定観念を覆すような視覚的魅力を備えており、「セキュリティ=難しい、堅い」といった先入観を和らげてくれました。

視覚的なインパクトを与えるインターフェースやデザインは、関心や学習意欲を高めるきっかけの1つになります。そうした意味で、今回NICTのシステムと出会えたことは、私にとってセキュリティ分野への関心を再発見する良い機会となり、今後さらに深く学んでいきたいというモチベーションにもつながりました。

このオトコ心をくすぐるデザインは、インターネット(中心の球体)とNICTERを設置した組織群を表している
https://www.nict.go.jp/out-promotion/other/case-studies/itenweb/DAEDALUS.html

まとめ

今回はインターネットテクノロジーの祭典であるInterop Tokyo 2025について、新人セキュリティコンサルタントの目線でまとめてみました!
全体的にとても活気があり、どの企業・団体さんも丁寧に説明してくださり、非常に勉強になりました。これから働くうえで「知っている」は大きなアドバンテージだと思っています。それを一気に収集できる有意義な時間でした。これからその得た情報の理解をひとつひとつ深めていきたいです。
来年も開催すると思うので迷っている人は是非行くことを強くお勧めします。私もまた行きたいです。

また、図々しく色々質問するべきだと感じました。目の前にいるのはその道のプロの方々です。少しでも疑問に思ったことはそのまま持ち帰らず解決してしまった方がいいですよね。相手もサービスを宣伝しに来ているので答えられる範囲であればなんでも答えてくれます。

Interop Tokyoはこれからネットワークやインフラ領域を学ぼうとしている方にとっては、実際の技術や構成を目で見て理解できる貴重な機会です。
一方で、すでに現場で働いているエンジニアにとっても、最新技術や他社の取り組みを知ることで、自身の業務に活かせる多くのヒントが得られると感じました。
私の場合はまだ日が浅いですが、脅威インテリジェンス、CTEMなど「なんとなく意味が分かるけど説明はできない言葉」の意味を理解することができました。また、サービスや技術を知ることで、それらが生まれるに至った背景や課題、解決したアプローチを学びました。このような土地勘を得ることは、今後似たような課題に直面した時に、解決の手掛かりとして役立ってくれるはずです。

おまけ

ノベルティがアツかったです。
お菓子やお水だけでなくスタバのギフト券やタンブラー、充電アダプターなどもう何でもありでした。私は技術書の出版社であるO’Reillyの本の各表紙がバッヂになったガチャガチャを見つけたとき、かなりテンションが上がりました。
抽選会もいくつか実施されていて上位賞はモニターや電動シェーバーなど豪華景品が並んでいました。私は残念ながら外れてしまいましたが、それでもステッカーを貰えたため嬉しかったです。


いただいた大量のノベルティ

NTT DATA TECH
NTT DATA TECH

Discussion