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夏季インターンシップ活動紹介 第一弾:使いやすい「データスペース」を目指して

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はじめに

今回のブログでは、この夏当社に4週間来ていただいたインターン生の活動報告を掲載します。

想定読者

  • 当社のインターンシップの雰囲気を知りたい方

インターン活動背景および概要

私たちのチームではデータスペースに関連する活動をしています。
なお、データスペースについて詳しく知りたい方は以下のブログをご覧ください。

僕らの仕事を楽にするかもしれない「データスペース」という技術

今回のインターンシップでは、「データスペース」をさらに使いやすくするための検討および実装にチャレンジして頂きました。
今回はそのインターンシップの活動を、学生目線で紹介いたします。

インターン活動報告

はじめまして、東京大学大学院 修士1年の石倉龍と申します。

この夏、NTT DATAのインターンシップに4週間参加しました。

インターンのテーマは「データスペース」に関するものでした。参加前はデータスペースについて知識が乏しく、具体的にどのような作業を行うのか明確なイメージを持てていませんでした。また、限られた期間で成果を出せるかという不安もありました。

一方で就職か博士進学かで迷っていた私は、実際の業務を体験し企業での働き方を知りたいという思いが強くありました。そこで次の3つを目標に掲げインターンに参加しました。

  • 技術力:データスペースの技術的要素を理解し、実際に触れること
  • 効率性:限られた時間の中で効率的に作業を進めること
  • 発表力:聞き手にとって適切な粒度で情報を整理し、発表すること

こうして始まった4週間は想像以上に充実しており、技術面だけでなく働き方や伝え方など多くの学びを得ることができました。

「データスペース」の概要とその現在地

まず「データスペース」という概念について簡単に説明します。

データスペースとは、複数の組織が安全かつ信頼できる形でデータをやり取りするための仕組みです。自分が保有するデータに対して、誰が・どのように・どの範囲でアクセスできるかを、自分自身で決定・管理できる「データ主権」を守りながら、共通のルールに基づいてデータを共有することを可能にします。

現在、データスペースは国内外で多く立ち上がりつつあります。そのため、単一のデータ利用者が複数のデータスペースに繋がり、それぞれのデータスペースから得たデータを組み合わせて活用する未来もそう遠くはないことが想定されます。

現状、それらのデータスペースはそれぞれ仕様が異なります。そのため、利用者は仕様ごとに異なる操作や設定を理解しなければならず、導入や運用のハードルが高くなっています。

ハードルを越えるべく検討した「マルチホーミングコネクタ(仮題)」

そこで今回検討したのが「マルチホーミングコネクタ」です。マルチホーミングコネクタは、ユーザーがデータスペース間の仕様の違いを意識することなく利用できるようにする役割を担います。

今回のインターンでは、その初期実装に世界に先駆けて取り組みました。

4週間の流れ

1週目:環境セットアップと全体観の理解

インターン初週は、環境のセットアップから始まりました。このセットアップでは、個人開発ではあまり意識したことのなかったセキュリティ関連の設定も多く、苦労することもありましたが、企業端末ならではの環境セットアップを体験でき、新鮮でした。

セットアップと並行しながら、今回のテーマに関する基礎知識のインプットも進めました。特に重要だったのは、データスペースの全体像を理解することです。

この段階ではまだマルチホーミングコネクタの具体的な実装イメージは持てていませんでしたが、データスペースの基礎知識や全体の構造、課題を把握したことが、後の作業に向けた重要な準備となりました。

2週目:データスペースの詳細な仕様理解

2週目は、日欧の異なる2種類のデータスペース仕様を、ドキュメントだけでなくコードを追いながら詳細に調査し、理解しました。

各々のデータスペースにはそれぞれの設計思想があり、それが認証方式、データ転送の流れ、APIの違いなどに現れていました。

この作業は今回のインターンで最も難しい部分の一つでした。限られた時間内で膨大な情報を整理し、共通点と相違点を明確にする必要がありました。

ただ、この過程を通じてなぜ「ユーザがデータスペースの仕様の違いを意識せずに利用できる仕組み」が必要なのかをより深く実感することができました。

3週目:中間資料の作成とデモ実装

3週目からはいよいよ実装フェーズに入りました。ここで役立ったのは、前の2週間で積み重ねたインプットです。仕様の理解に時間をかけたことで実装方針をスムーズに決めることができました。

今回の実装では、利用者がやりとり可能な相手と、その相手のデータスペース仕様を対応付けるテーブルを用いました。

ユーザーはやりとりしたい相手の情報を入力すると、テーブルから相手のデータスペース仕様を読み取り、適切なコネクタを選択するシンプルな仕組みを採用することにしました。

この週は、資料作成にも多くの時間を割きました。仕様の比較結果や実装方針をチームにわかりやすく共有するためです。作成にあたって生成AIや既存の社内資料を活用し、効率的にまとめる工夫をしました。結果として、チームのノウハウ底上げに貢献することができました。

4週目:デモ改良と最終発表

最終週は実装した仕組みをデモとして動作させ最終発表に向けて仕上げる時間でした。

デモでは、異なるデータスペース仕様に対応するコネクタを通じてユーザーからの統一されたリクエストが適切に処理される様子を示しました。デモが問題なく動いたときは大きな安堵感がありました。

発表資料の作成では、聞き手を意識し情報の粒度や流れを整えることを心がけました。専門用語を使う際には必ず簡潔な説明を添え、スライド間の文脈が途切れないよう工夫しました。

最終発表には30人近くの社員の方々に講評いただきました。年次や役職関係なく、社員の方々が一人の技術者として対等に議論して下さったことが印象的で、大きな自信につながりました。振り返るとこの4週間は常に新しい知識を吸収し、試行錯誤を重ねながら成長できた期間だったと感じています。

チームの雰囲気

インターンに参加する前は、「NTT DATAは固い」というイメージを持っていました。しかし、実際にチームに加わってみると、その印象は大きく変わりました。
チームの雰囲気は和やかで、質問や相談がしやすい環境だったのがとても印象的でした。

私自身、新しい環境では緊張しがちなタイプなので、このようなオープンな雰囲気に大変助けられました。業務中に疑問点が生じた際も、コミュニケーションツールや直接の会話を通じて気軽に質問でき、丁寧なフィードバックをいただける体制が整っていました。

勤務形態についても柔軟さを感じました。私は集中しやすい環境を求めて基本的に出社していましたが、学業との兼ね合いで自宅で作業したいときにはリモート勤務に切り替えていただけました。こうした柔軟な対応は、安心して業務に取り組むうえで大きな支えになりました。

さらに、インターン期間中にはNTT武蔵野研究開発センタを見学する機会もいただきました。通信の歴史や最先端技術、多様な研究テーマに触れることで、企業の技術開発に対する姿勢を実感でき、自分自身の意欲向上にもつながりました。

学びと成長

4週間のインターンシップを通じて、最初に掲げた3つの目標において大きな成長を実感しました。

  • 技術力:データスペースの全体像を理解や、複数の具体的な仕様を深く学ぶことができました。また、データスペースの詳細な仕様を理解するだけでなく、それをどのようにビジネスに応用するのかを考えることも技術力の重要な要素の一つだと実感しました。
  • 効率性:限られた時間で成果を出すための時間管理や作業の効率化の重要性を強く意識しました。特に、これまでの自分は完璧を目指して多くの時間を費やしてしまうところがあり、完璧とは思えない成果物を出すことに抵抗を感じることもありました。しかし、完璧とは思えない成果物であっても、そこから生産的な議論を引き出すことができれば、それも十分に価値のある成果物であると気付くことが出来ました。
  • 発表力:聞き手を意識したプレゼンテーションの重要性を学びました。専門用語には簡潔な説明を添える、スライド間の文脈の一貫性を保つ、セクションごとに要点を整理するなど、聞き手にとって理解しやすい情報の流れを構築する重要性を実感することができました。

おわりに

今回のインターンでは、実際のビジネスに価値をもたらす課題に取り組む機会を得ました。「マルチホーミングコネクタ」は、データ活用の幅を広げる重要な要素になると考えています。この初期実装に携われたことは非常に貴重な経験となりました。

また、チームの雰囲気やサポート体制も特に印象に残りました。質問しやすい環境、柔軟な働き方、自ら積極的に手を動かす文化があったからこそ、充実した活動ができたと感じています。

この場をお借りして、トレーナーの八木さんをはじめ、インターン期間中にサポートしてくださった全ての社員の皆様に心より感謝申し上げます。

最後に、これからインターンを検討している方へメッセージです。NTT DATAのインターンシップは会社の雰囲気を知るだけでなく、実際に価値のあるテーマに挑戦できる場です。意欲的に学びたい方にぜひおすすめします。

担当から一言

ここまで読んでいただきありがとうございました。
自分自身もトレーナーという立場になるのは初めての経験で、手探りながら石倉さんと一緒に頑張り切ることが出来ました。
石倉さんは業務内外関わらず愛されキャラで、部署内の若手中心にかわいがられている姿をたくさん目撃しました。
また、同時期に参画していたインターン生とも仕事やそれ以外の話をしている姿があり、緊張しいって言っていたのは本当か…?という気持ちになりました。
今後は石倉さんの成果を最大限に生かしつつ、データスペースを盛り上げて行けたらと考えております。4週間ありがとうございました!

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