dbt Cloudの新機能dbt CanvasがついにGA!dbtでローコード開発を試してみた
はじめに
dbt Cloudのローコード開発機能「dbt Canvas」(旧名称「dbt Visual Editor」)がついに正式リリース(GA)されました。
dbt Canvasはコード管理の利点を保持しつつ、ローコードでの開発を可能にする機能です。
この機能により、従来はコードに詳しいユーザ向けだったdbtの「アナリティクスエンジニアリング」が、より多くのユーザに展開され、データ民主化が加速することが期待されます。
(dbtを活用した現代のデータ民主化実現に重要な取り組みはこちらで紹介していますので、興味のある方はぜひご覧ください)
本記事では、dbt Canvasを使ってモデルの作成や編集を試してみます。
なお、dbt Canvasの利用に必要な事前準備やdbt Canvasへのアクセスについては、公式ドキュメント(Quickstart for dbt Cloud Canvas)を参照してください。
本記事の対象者
- dbtの基本的な知識を有している方
新規モデルを作成してみた
dbt Canvasでのモデルの作成や編集は、ワークスペースで行います。
今回は、ソーステーブル、加工(集計)処理、ターゲットテーブルの順に設定し、新しいモデルを作成してみます。
ソーステーブルの設定
ワークスペース左上のモデルアイコン、「+」ボタン、「Create new model」の順で選択します。
Input modelオペレーターをドラッグアンドドロップします。
ソーステーブル(Input)とターゲットテーブル(Output)を設定する箱が表示されます。
「Choose a model」を押下すると、事前準備のジョブ実行で作成されたモデルの一覧が表示されます。
ソーステーブルのモデルを選択し、「Select model」を押下します。
これでソーステーブルの設定は完了です。
※ターゲットテーブルの設定については、「加工処理の設定」の後で説明します。
加工処理の設定
次に、加工処理の設定を行います。
dbt Canvasには以下のような加工処理が用意されています。
加工処理名 | 説明 |
---|---|
Join(結合) | 結合条件を定義し、両方のテーブルから必要な列を選択します。 |
Union(結合) | 複数のテーブルを結合して、1つのテーブルにまとめます。 |
Formula(計算式) | 新しい列を作成するための計算式を追加します。 |
Aggregate(集計) | 集計関数と、それを適用する列を指定します。 |
Limit(上限) | 返す行数の上限を設定します。 |
Order(並び替え) | 並び替えの基準となる列とその順序を選びます。 |
Filter(フィルター) | データを絞り込む条件を設定します。 |
Rename(名前変更) | カラムの名前を変更します。 |
ここでは、Aggregateオペレーターを用いて集計します。
InputとOutputの間にAggregateオペレーターをドラッグアンドドロップします。
Aggregateオペレーターにて、集約キー、集計関数、対象カラム、エイリアスを設定します。
設定が完了したら、必要に応じて「SQL」を押下し、発行されるSQLが正しいか確認します。
(表示されるSQLはローコード開発に合わせてリアルタイムで更新されます。)
これで加工処理の設定は完了です。
ターゲットテーブルの設定
最後に、ターゲットテーブルの設定を行います。
Output modelオペレーターにて、ターゲットテーブル名、ファイルパス、出力するカラムを指定します。
これでターゲットテーブルの設定は完了し、新規モデルを作成できました。
既存モデルを編集してみた
dbt Canvasでは既存モデルの編集も可能です。
今回は、手動で作成した既存モデルを、dbt Canvasの編集機能で出力するレコード数を制限します。
加工処理の編集
ワークスペース左上のモデルアイコン、「+」ボタン、「Edit existing model」の順で選択します。
事前準備のジョブ実行で作成されたモデルが表示されるので、編集するモデルを選択し、「Edit model」を押下します。
すると、手動で作成したモデルがdbt Canvasで編集可能な状態で表示されます。
Outputの箱の手前にLimitオペレーターをドラッグアンドドロップし、出力するレコード数を5件と設定します。
これで出力レコード数の設定は完了し、既存モデルを編集できました。
注意点:
手作成した既存モデルはdbt Canvasで編集を実施すると、手作成したモデルのSQLがdbt Canvas独自の記法に自動変換されます。現時点で編集してみると、以下の3つの注意点が見えてきました。
-
Joinオペレーターの未設定:
既存モデルでは実装しているJoinの設定が、Joinオペレーターで未設定のまま表示されます。
dbt Canvasでの再設定が必須です。
-
コメントの削除:
手動作成時に含まれていたコメントは削除されます。
再設定が必要な場合は、dbt CanvasやIDE、CLIのいずれかで対応可能です。 -
共通テーブル式名の変更:
共通テーブル式名は自動的にdbt Canvas独自の命名規則で変更されます。
再設定が必要な場合は、dbt CanvasやIDE、CLIのいずれかで対応可能です。
まとめ
dbt CanvasがGAになったので試してみました。
コードに詳しくないユーザにとっては、直感的な操作でモデルの作成や編集が行え、
コードに詳しいユーザにとっても、リアルタイムでSQLを確認しながら利用ができるのが、魅力的だと感じました。
今回は紹介しきれませんでしたが、処理の途中経過までの結果を容易に確認できる「プレビュー機能」や、dbt CloudのAI機能「dbt Copilot」も便利でした。
公式ドキュメントでは、テストやドキュメントの作成もdbt Canvas上でできるように準備されているとのことなので、今後の機能拡充も楽しみです。
興味のある方は、ぜひdbt Canvasの利用を検討してみてください!
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