Open9

LaTeX の数式で “opentail g” を使いたい

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“opentail g” とはなにか?

ラテンアルファベットの "g" の異体字のひとつ。これとは別に “looptail g” というものがある。以下の画像を参照のこと。


GearedBull Jim Hood, Public domain, via Wikimedia Commons

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『[改訂第6版]LaTeX2e 美文書作成入門』では

第5.22節「ISO/JIS の数式組版規則」(p. 99) で触れられている。

なお両者の g について、使い分けることになにか根拠があるわけではないとされている。

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Computer Modern フォントの場合

g のデザインはもともと opentail g となっており、何かする必要はない。これは、Computer Modern を基にしている Latin Modern 書体についても同様。

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txfontspxfonts パッケージでは

既定では “looptail g” が使われる。ただし、\varg 命令で “opentail g” が出せるほか、プリアンブルで

\usepackage[varg]{txfonts}

として、オプション引数に varg を指定してパッケージを読み込むことで、数式中の looptail g は opentail g へと変換される。

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これら以外のパッケージでは

上記に示した Computer Modern フォント、または txfontspxfonts パッケージで読み込まれたフォントを拝借する格好で “opentail g” を使うことになる。

{\usefont{OML}{cmm}{m}{it}g}
{\usefont{U}{txmia}{m}{it}1}
{\usefont{U}{pxmia}{m}{it}1}
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追加の情報

  • 従来の txfonts パッケージの代替として newtx パッケージが、 pxfonts の代替として newpx が、それぞれ登場した。
  • ScholaXnotomath パッケージが、既定の “looptail g” とは別に “opentail g” のグリフを収録している。
    • グリフそのものは一緒?
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newtx パッケージ

https://ctan.org/pkg/newtx

  • 従来の txfonts と同様に、\usepackage 命令のオプション引数に varg が渡せる。
  • 新しい newtx パッケージでは、数式部分に Times(のクローン)のみならず、別の数多くのフォントを割り当てることができるようになっている
    • これらフォントには上記の varg オプションが適用されない。