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卓上リフロー MHP30 を使ってQFPを実装

2023/05/18に公開

はじめに

当記事は使用感やテクニックを記載しています。どなたでも出来るテクニックではありません。

MHP30を買った!

MHP30を買いました!購入先はAmazonですが、色んな所で色んな値段(と到着日)で出ています。
https://www.switch-science.com/products/8885?_pos=10&_sid=5030bdb8d&_ss=r
https://www.amazon.co.jp/s?k=MHP30&ref=nb_sb_noss
https://ja.aliexpress.com/item/1005001839130894.html

試しに買ってみたのですが、スマフォの様なしっかりとした製品状態なので驚きました。

作業に必要な資材

さて、MHP30の他に必要な資材があります。

● ペースト半田(注射器タイプ)
● ペーストフラックス(注射器タイプ)
●フラックスリムーバ

QFPを実装する

MHP30はリフロー面積が非常に小さい。500円を正方形にした程度の実装しか出来ないです。
そんな事を言われても、これが非常に便利な場面があります。

それは、試作現場です。
とりあえず一つのチップの動作確認(とドライバーの作製)まで行わないといけない!
全部乗っけると大変だから1部分だけ行いたい!
必要な作業を最小限に行いたい!

そんな感じで、試し基板に1個QFPが載るんですよな場面に持ってこいでした。

さて、こんな感じの基板がありますね。右下に一個だけQFPがあります。小さいですね。
この基板は、上手く動けばブラシレスモータ―ドライバになります。

ペースト半田を塗る

半田ペーストをべちゃッと塗ります。
本来は、メタルマスクを乗せて綺麗に半田を塗るのですが、雑でも行けるんです(理論上は)
塗り過ぎても、後段でどの道減りますので、ここではいったんべちゃっと塗ります。

塗った後は、MHP30を暖めます。200度ぐらい(半田の溶ける温度)まで上げていきます。

温度を上げていく

温度が上がってくると、ペースト半田の中のフラックスが蒸発して来ます。
臭いがするので換気を行ってください。

200度ぐらいになると、半田が溶けてきます。

最初はパッドに半田を盛る感じで、そのまま半田を溶かします

ここが肝です。正直一般的なリフローの方法ではないです。が、安直な方法で簡易に実装するにはこの手も有りなんで、ここでは一旦半田を端子に流し込む事に集中します。

冷まして、フラックスリムーバで余計な半田を取る

ペースト半田を多く盛ってしまうと、ボール状の半田が細かく大量に発生します。
その為、ここで一旦フラックスリムーバを使って余った半田を取り除きます。

綿棒で擦ると綺麗に取れます。

フラックスを再び塗る

先のペースト半田の様に、フラックスもべちゃって塗ります。

MHP30を再び温度を上げて240度ぐらい

フラックスを縫ってあるので、温度を上げていくと再び半田が溶け出します。

これが肝です。

本来は再リフローと言った工程は無く、1回目のリフローで実装する為に半田量を調整しないといけませんでした。

が、安直な実装では、リフローを二回行うことで、メタルマスク不要の実装
(一回目にパッドに乗った半田の量で実装)
を行います。

フラックスで柔らかくなった半田の上に部品を乗せ、少し上から押してあげると半田が端子からはみ出したりします。

はみ出た半田がショートした状態だったりしますが、次の手半田で整える事が出来るので、先にチップの下に潜り込んだ半田を追い出す感じで押し込みます。

手半田で手直し

半田ごてでQFPの時と同じように、手直しをします。
まぁ簡単、スッとコテをなぞるだけでショートした部分は取れます。

フラックスリムーバでフラックスを取る

先ほどべちゃってフラックスを乗せてしまったので、ここで綺麗に取り除きます。

結構大変ですが、綺麗にしていきましょう。

完成だよ!

やったね!!

まぁ他の方法も大いにあると思います。
もっと丁寧に実装すればより良いですが、試作で手一杯な際にこの手はアリかもしてません。

これでまた、実装屋にお願いする機会が先延ばしされてしまいました。
試作の評価なら、この方法で意外と解決しそうですね。
ではでは!!

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