【契約締結後・契約終了後】フリーランスエンジニアが気をつけるべき振る舞い方
お詫び
Qiitaの元記事にて、区切り線を「---」で書いている場所があり、これがZennの記法に干渉して一部うまく表示できない記事がある事を認識しています。
全ての記事を精査しきれていないため、お手数ですがお見かけの際は教えていただけると大変喜びます。
発端
実にタイムリーな話題だが、7月に契約終了となったクライアントの報告書を未だに対応している。無償でだ。
契約で生きるフリーランスとして、無償対応は良い事ばかりではないよ、という事を言いたくて記事にしている。[1]
経緯
契約期間内に納品物を上げて受領していただいたが、後日(契約期間終了後)に追加・修正依頼が飛び込んできた。
これ自体はエンジニアあるあるかもしれないが、依頼が1回、2回程度ならまだしも、なんだかんだで全部作り直し!みたいなレベルで要望されることもあったりする[2]
当然だが「準委任契約」であるため、瑕疵担保責任は存在しない。
やったことと考えたことの背景・前後関係
追加・修正依頼のうち、
- 納品物への指示の仕方が良くなかった(たとえば報告書などは、内容に具体的な指示がなくフォーマットに従って入力する事を想定していた等)
- 契約期間内に納品物を確認しなかった
という、クライアント側に非があり、
- 納品物への具体的な要望(たとえば報告書などは、どんな用途に使うか、何を受託側に期待しているか等)を確認しなかった
- クライアントが納品物を確認できる猶予日が業務の都合上1日しかなかった
という、受託側にも非があったため、私は善意で対応できる範囲で無償で行っている。
ところが
一度修正希望が通ると、あれもこれも頼みたくなるのは仕方のないことだ。
そして、受託側は一度受けると、あれよあれよと全部対応しなければならない事になってしまいがちである。
駆け出しフリーランスの入門サイトでは「契約書をきちんと交わす事が大事」と教えてくれるが、契約後の事や契約終了後については全く情報が見つからない[3]ので、こういった情報を残す。
結論
個別契約書で事後対応について明記する事にした。
参考:自前の個別契約書.txt
基本的にどこのクライアントも契約終了後については濁しているというか、対応について明記していない事がほとんどなので、弱い立場のフリーランスほど上記のような「なあなあの対応」が黙認されてしまっているように思う。
幸い、私はこういった「お金にならない仕事はやらない」主義なのできっぱりと追加報酬の交渉と、今まで対応した部分も含めて請求する事にしているが、フリーランス仲間に話すと「なかなかできない。泣き寝入りしている」という声が多かった。
本当にあった危ない話
これは別のクライアントで、私の話だが「契約期間は末日までにして、実務は一週間前倒しで完了できる場合」に合意したプロジェクトがあり、
- 予算としては一週間前倒しの分(便宜的に、これを対応終了日と呼ぶ)
- 契約期間はキリよく末日まで
という契約を交わした事がある。
これを「おいしいプロジェクト」と考えるか「やべープロジェクト」と考えるかは皆さんのフリーランス経験によって大きく異なるが、今回のように対応終了日の後に「契約期間内だからやって」と言われたら
- 報酬は対応終了日分
- 対応は契約期間いっぱい
というブラックな事になりかねない。
結末
直接のクライアントであれば交渉するが、間に別の紹介者がいたので、紹介者を経由して追加報酬を要求した。
別の紹介者の方には悪いと思ったが、紹介したクライアントが不誠実な対応をしているのは紹介者にも責任があるため、その分は負ってもらう事にした。
どうすればよかったのか
良かれと思って、またはこの人ならと思って紹介しているので紹介者に負担が行くのは可哀想だとは思うが、フリーランスは契約で信頼が成立するビジネスであることを意識して、本当に信頼できるクライアントか、紹介して良いクライアントなのか見極めた上で仕事を回さないと、結果的に自分自信の信頼を落としてしまう事になる。
付き合いの浅いクライアントが「周りにいい人いない?」と相談をする事は多いが、紹介された人に迷惑を掛ける可能性が考えられる場合は安易に応じてはいけないと思った。
私から(後述するが)駆け出しフリーランス・エンジニアに仕事を紹介する時は、私が責任を取れる範囲でのみ厳選して紹介している。
場合によっては私自身の稼働調整をして、フリーランス・エンジニアを育成した事もあった(現在、育成は休活中)
近況
開発業務の傍ら、プログラミングスクールの講師業も行っており、これから副業エンジニアで稼ぎたい人も多くなっていることを感じているが、
は、必ず伝えている。
Qiitaを見る人はエンジニアリング(プログラミング)が何か分かっている人が来るので釈迦に説法だが、プログラミングスクールで副業エンジニアを目指す人はIT業界を知らないので、コードの書き方や環境構築の前に必ず現実を説明して、その上でこういった実践的な話を交えて「それでもプログラマーになりたいか?」と聞いている。
謝辞
執筆時点のコミュニティ・ガイドラインによると、エンジニア(プログラミングの知識と経験を活用している人)に有益な情報をもたらす(関係するかどうか)という観点で見れば問題ないという判断で書いている。
注釈
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【無償対応をする・しない】人によって考え方が異なるためどちらが良いという話をしないが、私の経験則だと無償でやってもやらなくても次回契約が更新されたり、来年声が掛かる事に影響があった印象はない。プロジェクトの都合によって決まる印象。 ↩︎
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【追加・修正で作り直し】運悪くこのケースにあたってしまったのだ ↩︎
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【契約後や契約終了後の情報】私の探し方が悪いのかも知れないし、ググラビリティが低いのかも知れない ↩︎
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【掛け持ちは大変】プログラミングが本業にも関わる事であればモチベーションも高まるが、全く異なる事をやると単純に考えることが2倍になり大変。それなら本業を捨ててプログラミングで稼ぐ方法を考えたほうが成功率が高い ↩︎
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【理想額が稼げない】月5万稼げれば大したもの。私が受け持った受講生ほぼ全員に「プログラミングスクール(めちゃくちゃ高い)で勉強して開発もやって稼ぐ時間があるなら、コンビニなりファストフード店でバイトした方が短期的には楽だよ」と伝えている。 ↩︎
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【案件が穫れるか分からない】まず年齢のフィルターがあったり、スクールで勉強したからと言ってプログラミングができるわけではない事や、プログラミング以外に営業(または交渉)力が必要であったり、やることは非常に多い。そもそも未経験に仕事を任せるクライアントが少ない。 ↩︎
Discussion