圏論 原著第2版の練習問題を解いてみます。
2章-8
集合の圏 \text{Sets} において、対象Pが射影的であるとは、任意の全射 e: E \to X と射 f: P \to X に対して、 e \circ \bar{f} = f となる射 \bar{f}: P \to E が存在することである。
任意の全射 e: E \to X と写像 f: P \to X を考える。任意の p \in P に対して、f(p) \in X となる。e が全射であるから、各 f(p) に対してその前像
e^{-1}(f(p)) = \{ y \in E \mid e(y) = f(p) \}
は空でない。
選択公理により、各 p \in P から e^{-1}(f(p)) の元をひとつ選ぶ選択関数 \bar{f}: P \to E を定めることができる。
すなわち、任意の p \in P について、\bar{f}(p) \in e^{-1}(f(p)) として、\bar{f}: P \to E を定める。
このとき、任意の p \in P に対して、
となるので、
である。
以上より、任意の全射 e: E \to X と写像 f: P \to X に対して、\bar{f}: P \to E が存在するので、P は射影的であることが示される。
また、P は任意の集合であったため、すべての集合は射影的であることが示される。
参考文献
Category Theory (Oxford Logic Guides)
圏論 原著第2版
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