圏論 原著第2版の練習問題を解いてみます。
2章-6
グラフの準同型写像 h: G \to H がモノ射ならば、
任意のグラフ X とグラフ準同型 g, k: X \to G に対して h\circ g=h\circ k ならば g=k となる。
という性質を満たす。
以下では、頂点と辺について、h が単射でないことを仮定して、背理法を用いて証明する。
頂点について
h(x) = h(y) となる x, y \in G が存在すると仮定する。
ここで、単一頂点のみからなるグラフ X を考える。
X の頂点集合は \{v\} であり、辺は存在しない。
このとき、2つのグラフ準同型 g, k: X \to G を以下のように定義する:
\begin{align}
g(v) &= x \\
k(v) &= y
\end{align}
このとき、h\circ g = h\circ k となる。
しかし、g \neq k であるため、 h がモノ射であることに矛盾する。
辺について
h(a) = h(b) となる 辺 a, b \in G が存在すると仮定する。
ここで、単一辺のみからなるグラフ X を考える。
X の頂点集合は \{v_1, v_2\} であり、辺は e: v_1 \to v_2 のみである。
このとき、2つのグラフ準同型 g, k: X \to G を以下のように定義する:
\begin{align}
g(e) &= a \\
k(e) &= b
\end{align}
このとき、h\circ g = h\circ k となる。
しかし、g \neq k であるため、 h がモノ射であることに矛盾する。
結論
以上より、h がモノ射のとき、頂点と辺の上で h が単射であることが示された。
参考文献
Category Theory (Oxford Logic Guides)
圏論 原著第2版
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