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圏論 原著第2版の練習問題を解いてみる(2章-6)

2025/02/24に公開

圏論 原著第2版の練習問題を解いてみます。

2章-6

グラフの準同型写像 h: G \to H がモノ射ならば、

任意のグラフ X とグラフ準同型 g, k: X \to G に対して h\circ g=h\circ k ならば g=k となる。

という性質を満たす。

以下では、頂点と辺について、h が単射でないことを仮定して、背理法を用いて証明する。

頂点について

h(x) = h(y) となる x, y \in G が存在すると仮定する。

ここで、単一頂点のみからなるグラフ X を考える。

X の頂点集合は \{v\} であり、辺は存在しない。

このとき、2つのグラフ準同型 g, k: X \to G を以下のように定義する:

\begin{align} g(v) &= x \\ k(v) &= y \end{align}

このとき、h\circ g = h\circ k となる。

しかし、g \neq k であるため、 h がモノ射であることに矛盾する。

辺について

h(a) = h(b) となる 辺 a, b \in G が存在すると仮定する。

ここで、単一辺のみからなるグラフ X を考える。

X の頂点集合は \{v_1, v_2\} であり、辺は e: v_1 \to v_2 のみである。

このとき、2つのグラフ準同型 g, k: X \to G を以下のように定義する:

\begin{align} g(e) &= a \\ k(e) &= b \end{align}

このとき、h\circ g = h\circ k となる。

しかし、g \neq k であるため、 h がモノ射であることに矛盾する。

結論

以上より、h がモノ射のとき、頂点と辺の上で h が単射であることが示された。

参考文献

Category Theory (Oxford Logic Guides)
圏論 原著第2版

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