圏論 原著第2版の練習問題を解いてみます。
2章-2
半順序集合を圏とみなすとき、対象はその集合の要素であり、射はその順序関係 a \leq b で決まる。つまり対象間には高々1つの射しか存在しない。
任意の射がモノ射であることの証明
f: a \to b に対して、2つの射 g, h: c \to a があるとする。
f がモノ射であるならば、
f \circ g = f \circ h \implies g = h
が成り立つ。
半順序集合の場合、g, h: c \to a が存在するためには c \leq a である必要がある。
もし c \leq a ならば、c \to a の射は1つしか存在しない。
したがって、g = h が成り立つ。
よって、f はモノ射である。
これは任意の射 f: a \to b に対して成り立つ。
任意の射がエピ射であることの証明
f: a \to b に対して、2つの射 g, h: b \to c があるとする。
f がエピ射であるならば、
g \circ f = h \circ f \implies g = h
が成り立つ。
先ほどと同様に、g, h: b \to c が存在するためには b \leq c である必要がある。
もし b \leq c ならば、b \to c の射は1つしか存在しない。
したがって、g = h が成り立つ。
よって、f はエピ射である。
これは任意の射 f: a \to b に対して成り立つ。
結論
以上より、半順序集合を圏とみなすとき、任意の射はモノ射かつエピ射である。
参考文献
Category Theory (Oxford Logic Guides)
圏論 原著第2版
Discussion