圏論 原著第2版の練習問題を解いてみます。
1章-4
前順序であることの証明
位相空間 X において、 以下のように定義される特殊化が前順序であることを示す。
x \leq y \iff y \in U \implies x \in U \ \text{for every open set } U.
が成り立つことを示す。
1. 反射律の証明
任意の点 x \in X に対して、全ての開集合 x \in U について x \in U \implies x \in U は明らかに成り立つ。
よって、 x \leq x が成り立つ。
2. 推移律の証明
x \leq y は y \in U \implies x \in U である。
y \leq z は z \in U \implies y \in U である。
よって x \leq z は z \in U \implies x \in U である。
よって x \leq z が成り立つ。
位相空間 X が T_0 の場合、半順序であることの証明
半順序であるためには、前順序に加えて反対称律
x \leq y かつ y \leq x ならば x = y
が成り立つことを示す必要がある。
X が T_0 の場合、 x \neq y ならば
x \in U かつ y \notin U または y \in U かつ x \notin U となる開集合 U が存在する。
x \leq y かつ y \leq x ならば、どの開集合 U に対しても、 x \in U \iff y \in U が成り立つため、 x \neq y と仮定すると矛盾が生じる。
よって x = y が成り立つ。
位相空間 X が T_1 の場合、この順序が自明であることの証明
順序が自明であることを示すためには、 x \leq y が成り立つのが x = y の場合に限ることを示す必要がある。
X が T_1 の場合、 x \neq y ならば
x \in U かつ y \notin U を満たす開集合 U と y \in V かつ x \notin V を満たす開集合 V が存在する。
x \leq y は y \in U \implies x \in U が成り立つ必要があるが、 x \neq y の場合、 y \in U かつ x \notin U となる開集合 U が存在するため、条件を満たさない。
よって x \leq y が成り立つのは x = y の場合に限る。
参考文献
Category Theory (Oxford Logic Guides)
圏論 原著第2版
Discussion