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圏論 原著第2版の練習問題を解いてみる(1章-4)

2025/01/22に公開

圏論 原著第2版の練習問題を解いてみます。

1章-4

前順序であることの証明

位相空間 X において、 以下のように定義される特殊化が前順序であることを示す。

x \leq y \iff y \in U \implies x \in U \ \text{for every open set } U.

が成り立つことを示す。

1. 反射律の証明

任意の点 x \in X に対して、全ての開集合 x \in U について x \in U \implies x \in U は明らかに成り立つ。

よって、 x \leq x が成り立つ。

2. 推移律の証明

x \leq yy \in U \implies x \in U である。

y \leq zz \in U \implies y \in U である。

よって x \leq zz \in U \implies x \in U である。

よって x \leq z が成り立つ。

位相空間 XT_0 の場合、半順序であることの証明

半順序であるためには、前順序に加えて反対称律

x \leq y かつ y \leq x ならば x = y

が成り立つことを示す必要がある。

XT_0 の場合、 x \neq y ならば

x \in U かつ y \notin U または y \in U かつ x \notin U となる開集合 U が存在する。

x \leq y かつ y \leq x ならば、どの開集合 U に対しても、 x \in U \iff y \in U が成り立つため、 x \neq y と仮定すると矛盾が生じる。

よって x = y が成り立つ。

位相空間 XT_1 の場合、この順序が自明であることの証明

順序が自明であることを示すためには、 x \leq y が成り立つのが x = y の場合に限ることを示す必要がある。

XT_1 の場合、 x \neq y ならば

x \in U かつ y \notin U を満たす開集合 Uy \in V かつ x \notin V を満たす開集合 V が存在する。

x \leq yy \in U \implies x \in U が成り立つ必要があるが、 x \neq y の場合、 y \in U かつ x \notin U となる開集合 U が存在するため、条件を満たさない。

よって x \leq y が成り立つのは x = y の場合に限る。

参考文献

Category Theory (Oxford Logic Guides)
圏論 原著第2版

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