Open13
未来のゲーム機

現状のゲーム機の状況
- 大作タイトルの開発費が肥大化を続けている
- スイッチくらい普及していないと独占大作タイトルは十分な利益を生まない
- PS勢は独占タイトルの開発に力を入れても自社系列タイトルは数えるほど
- XBOXはWindows版併売が当たり前になっている
- サードパーティ側からするとPSやXBOXに独占のままで供給するのは無理、期間限定となる
- サードパーティはクロス展開が容易なミドルウェア(Unity、UnrealEngineなど)の採用を進めており、複数のプラットフォームで一斉に販売開始するのが最も売り上げが伸びるということを踏まえつつある
- PS陣営もXBOX陣営もサードパーティ独占にあまり力を入れなくなった
- PC版、スイッチ版の併売をしたほうがそれぞれのタイトルの売れ行きが伸びるという結論
- PSやXBOXを別途所有するメリットは指折り数えられるほどの独占自社タイトルとPCにくらべてコスパと安定動作といった点だけになった
- そして、PSやXBOXが性能面で評価されるのは新機種発売時のみ
- 1~2年後にはPCのほうが性能面は伸びていく
- 結果としてPCとスイッチを保有するとほとんどのゲームタイトルがプレイ可能になっている

競合とゲーム機の課題
- 競合はスマホやPCになるが、スマホはタイトル販売価格の面で大きな問題がある
- スマホは価格設定がフリーミアムタイトルがほとんどを占め、ゲーム機のビジネスモデルと相性が悪すぎる
- ただ、PCとスマホに大きなメリットがあるのは本体OSと周辺装置の後方互換性が強力
- ゲーム機が他社の周辺装置が使えないのは当然として同じメーカー製であっても歴代の周辺装置を世代が変わると使えなくしてきた
- 対照的にPCやスマホはコントローラーのベンダーの垣根を越えて利用可能にしてきた
- またゲームタイトルも世代が変わると動かないものが多かった
- ようやく最近のゲーム機の世代変更で旧世代の資産を利用可能にする動きがでてきた
- PS4->PS5、XBOX-One->XBOX-SereisX/Sあたりはほとんど動くように
- Wii,Wii-U、スイッチは周辺装置のほとんどが使えない
- PS5でPS4タイトルの時のみPS4コントローラーが使える
- XBOX-Oneの周辺装置の多くはそのままSeriesX/Sで使えるのは素晴らしい
- ゲーム機の課題の一つはメジャーOSのように周辺装置の抽象化機能がそろそろ備わるべき
- 例えばPS6やSwitch2は最低限前世代のコントローラーを最新のコントローラーの代わりに透過的に扱えるOS機能が必要
- PCのSteamにある「Steam入力」という機能はいろんなコントローラーを透過的に扱えるAPIをゲームタイトル側に提供
- Steam入力経由ならPS4コントローラーをスイッチのコントローラーレイアウトとしてゲームタイトル側に扱わせることもできる
- あと、ゲーム機はコントローラーのライセンス縛りを緩めることも検討したほうが良い
- 理由は高価なステアリングコントローラーを買ったとき、いちいちPSやXBOX、スイッチのライセンス対応を待たなきゃいけないし、その時動作が確認されたとして次世代機で使えるのかどうかというとまったく期待できない
- これがPC/Steamの場合、後方互換の鬼なので安心して使い続けられる
- PC本体ハードウェアの性能不足でPCを刷新しようが動くであろうことは期待できる
- ゲーム機の大きな課題は世代を超えても今まで通りの資産が使えるという安心感

ゲームコンテンツ供給方法の決定版
- 末永くお気に入りのゲームコンテンツを楽しみ続けるには?
- カセット(カード)、光メディア、ダウンロードなどがあるが
- 「光メディア」は寿命やドライブの耐久性に問題があるので比較的短命なのは明確
- 圧倒的に安心して長寿なのは実は「ダウンロード」
- 手持ちのスイッチカードでプレイ中にカードエラーを起こしたものがある
- これは二度と起動してくれない(ほかのカードはちゃんと動作する)
- そしてサポートに連絡を取ってみて驚いた
- 任天堂タイトルのみ数千円+送料での故障品との交換サービスがあるのみ
- これでは中古で買いなおすほうが早いし安いという結論になる
- サードパーティに至っては一切ケアサポートがない
- こういう特に劣悪な環境で扱っていないのに読めなくなることがあり、
- 紛失もありうるし、その回復手段はないということが物理メディアの大問題
- 物理メディアを読む側の機材の耐久性も将来的に問題になる
- 「ダウンロード」ならどうか。
- アカウントに購入済みという紐づけがあれば、いつどうなろうとも回復できる
- 本体ごと盗難にあっても新しい本体に復元できる
- あと本体の寿命と供給の問題がゲーム機の課題でもある
- PCなら10~20年後もその時のPCを買うことができるだろう
- その時のゲーム機が後方互換を保ってくれているかはまだ不透明だが、そろそろ後方互換を保たないとゲーム機ビジネスは崩壊するんじゃないかと思う

Steam/PCの利点
- 中古を探し回る必要なくコストを抑えたいならSteamセールのタイミングで買えばよい
- ファミリーサポートが意外に充実。家族に保有タイトルを貸出プレイさせることができる
- ペアレンタルコントロールも充実しててもしかするとスイッチよりもコントローラブル
- オンラインアカウントコストが不要(SteamアカウントAPIはある)
- PCのOSは後方互換の鬼でそれをSteamは継承しいくつかは拡張している(Steam入力APIなど)
- 周辺装置やこれまで動いていたタイトルが何かのきっかけで使えなくなることはめったにない
- あらゆる現行または1世代前までのゲーム機コントローラーが利用可能
- スイッチ専売タイトル以外のほとんどがSteam/PCで販売されるようになってきてる
- 本来PCゲームは技術的スキルを要求されインストールから維持には面倒な作業を伴うことが多かったが、Steamがそれらの面倒さの大部分を取り除いたのでスマホレベルの操作で十分管理できるようになった
- Steamならではなサービスとして購入後PCにインストールしたのち満足できない場合に容易に返品ができる(PCの場合、動作不良に遭遇する確率が専用機に比べて高いということもある)

未来の覇権ゲーム機
- Steam/PCのような後方互換を備えて
- スイッチのように手軽に買えて
- 物理メディア販売をあきらめてダウンロード販売のみとする
- もはやハードを売ってプラットフォーマーになるのはもう古い
- Steamのようにハードウェア縛りがないほうが強くなる
というわけで「ゲーム専用機」という概念が崩壊しそう。
つまりゲーム機のベンダーはどこでもよいとするプラットフォーマーがゲームビジネスの新しい形という予想でSteamが一番それに近しい形になりつつある。
もしくはSteamOSの乗ったゲーム専用機に近い形が出るのかもしれない(PCの専用機化)

正直いうとXBOXとSteamプラットフォームが手を組めば覇権が取れそうな気がするんだけど。

もちろん大事なのは細部
- スマホレベルの中断・再開ができるようにするのは当然
- スイッチは別のタイトルを起動した時点でそれまでのタイトルはリブート必須になっちゃう
- 「Aというゲームのプレイを中断、Bをプレイしたのち、Aのプレイを再開」はできるようになっておく必要がある
- PC-OSやスマホOSはもちろんこの辺りは実装済み
- コントローラーはPC互換があれば何でも使える

SteamOS+Proton-GEという選択
- PCにSteamOSとProton-GEを入れることでほとんどのWindows向けゲームタイトルが互換モードで動く
- これだと任意のPCがゲーム機になれる
- Steamには任意のアプリケーションを登録することもできるため、ブラウザを登録すればChromeOS風に使うこともできる
- もちろんあらゆるゲームコントローラーが利用可能
これが現状入手可能な理想のゲーム機に近い。

オープンソースハードウェア
- 現行ゲーム機がSteam+Proton-GEプラットフォームアプリを出すことを許容してSteamの利益を折半するとかなら現行ゲーム機の価値が上がるし、Steamも市場が広がるしでWin-Winになれそうという雑な考えはある
- オープンソースハードウェアという最終手段
- 昔MSXという実質複数のベンダーを許容するゲーム機?規格があった
- 例えばスイッチゲームを動かせる互換機を任天堂が規格を公開・許容すると世界が変わる
- 任天堂に利益をもたらすかどうかというと微妙だけども
- 結局のところSCEと任天堂はハードウェアメーカーというしがらみからは抜けられないとは思う
- XBOXは抜けられる余地はあると思う

まとめ
- 現状Steamの動くPCとスイッチを所有するのが最も幅広いゲームタイトルに触れられる
- 次世代ゲーム機が後方互換を大事にしなかったらゲームハードビジネスは終焉に向かう
- ハードウェア縛りは次世代の足かせになりうる
- あらゆるゲームタイトルはハードを選ばず動くようになりつつある
- そのうちPC/コンソール/スマホの同時発売なんてのもできるようになる
- ゲームハード独占タイトルはスイッチ以外は減少傾向にあり、PSやXBOXはコスパの良いゲーミングPCみたいな立ち位置になりつつある
- Steamは次世代のゲーミングビジネスに一歩踏み出している
- Steamで所有した資産はずっと動かす場を確保するのに困らない
- 現行ゲーム機のように1世代縛りみたいなことをしていたらSteamにユーザーかっさらわれる
- 老舗がSteamを取り込んだら一気に覇権を取りそう
- そういう動きができるのはマイクロソフトが有利に見える

ほかのゲーミングビジネス
- ストリーミング
- サブスク
これらは一瞬話題をかっさらったが結果は死屍累々。
ストリーミングはサーバーリソースの拡大とゲーム一人プレイ当たりのリソース消費量の拡大とでは後者のスピードが速かったため、将来的に破綻することが見えてしまった。
あとはカジュアルゲームのためのプラットフォームとして残るしかない。
サブスク型のほとんどがレトロゲームを破格でプレイできるというところにとどまっている。MSのゲームパスだけ新作をどんどん投入するという大盤振る舞いをやっている。タイムラグがあるのは仕方がないにしても、レンタルビデオのように1年後にはほぼ確実に楽しめるくらいでないと生活必需サービスというわけでもないものに固定費を割くのは難しい。

ダウンロード権
- 子供に買ったスイッチカセットが不意に読めなくなった
- しかし、このカセット復旧のためのサービスが一切ないことに驚く
- 子供にSDGsとか言ってられないじゃない
- 子供の記念として贈ったものがお蔵入りなんて悲しすぎない?
- 修理交換サービスを維持したくないのなら正統パッケージを送ればダンロード権と交換するみたいな事してもいいんじゃ無いかな。

整理
- 囲い込みゲーム専用機のメリットって普及率の高いスイッチを除くともうほとんどが消滅している
- 5万円を超えるゲーム専用機は実はコスパはそんなに良くなくてもうゲーミングPCのほうが選択肢の幅が大きく必要なところに適したコストのかけ方が選べる
- 高価なゲーム専用機はもう十分コスト削減ノウハウが盛り込み済みで改訂版でのコストダウンは難しくなっている(円安もあり)
- Steamがゲーム専用機並みの使用感を実現しつつあり、PCトラブルの場合返品も可能にすることで泣き寝入りになることはかなり回避できるようになっている
- ゲームコントローラーは高価になりすぎていて、流用できない縛りはユーザーにとってデメリットが大きい
- カセットも光メディアももはや流通手段としては終わっていて修理サポートはないのに等しい状態であり、子供への贈り物などで採用してはいけないレベル
- 中古市場というものがゲーム市場の拡大を担ってきたというのはあるが、Steamのセールでユーザー側のメリットは確保しつつ、市場の拡大を担えている
- それでいて一度保有したものを手放すことがなくなり、結果的に中古市場よりも市場の拡大効果が高い
- ダウンロード販売スタイルだと一度保有したコンテンツは将来において失うことがない安心感がある
- プラットフォームが倒れることですべてを失う心配があるという一面もあるが、Steamは順当に業績を伸ばしていて、Steamが倒れるときはゲーム業界全体がやばい状態だということになると思う