Open5
ブレスオブザワイルドの凄さ

ちょっと、ほかの指摘で見られないポイントをまとめてみようと思いました。
- オープンエアー
- マップの広さと発見の密度が計算づく
- 効率の良いデバッグ環境+人海戦術により破綻するようなバグの多くが除去された
あたりが有名なところ。
他に気づいたことを列挙してみる。

「地に足がついている」
ブレワイほどこの一言をちゃんと実装しているゲームって他ではなかなか見られない。
他のゲームでは決め打ちのモーションを作ってその動きを地面に置いているだけなので、
綺麗に見えるのはフラットな地面にいる時だけ。
ブレワイではFoot部分がちゃんと地面の「面」にフィットするようにインバースキネマティクスの演算をやっている。
斜面に立つ姿勢や足の配置が極めて自然になっている。
開発コストに見合わない演出のためすぐに捨てられがちな仕様なんだけど、ブレワイは真面目に実装している。このため、凸凹の地形を歩くときのモーションがまるで実際に苦労して歩いている感覚になる。
だからこそ、「歩き回るだけで楽しい」
馬もかなり自然な姿勢で歩いたり走ったり。だから馬に乗って移動するのも楽しい。

三人称視点の良さ
海外の作品、すぐ一人称視点でデザインしちゃうけど、個人的には三人称視点が好き。
- 一人称視点は3D酔いしやすい
- 本来、実際に歩き回る時、視界や音以外にも情報はあるがゲームでそれは感じ取ることはできない
- 特に自分に関する情報は現実なら体感で知ることが可能だけどゲームではそこがカットされちゃう
- 砂漠や雪に足を取られて進むのが遅くなってるとか、一人称視点では気づきにくい
- 情報不足を三人称視点なら補うことができる
- 今悪路に立っているんだなというのは一人称視点ではわかりにくいけど三人称視点なら一目瞭然
- 敵に囲まれているのかどうかは一人称視点で知ることはかなり難しい、現実なら背後に焚火があるとかわかる
- 三人称視点なら周囲の状況は一目瞭然
- つまり、三人称視点のほうが現実の感覚に近い情報量になる。

見た目とモーションとSEのバランス
- 見た目だけリアルだったり、モーションだけリアルだったりっていうアンバランスさが没入感をそいでしまう
- 見た目がフォトリアルかつハイフレームレートなほど、モーションのアラや手抜きは目立つ
- 映画はなぜ24fpsなのかというと、フレームレート上げると、演者の演技臭さまで観客に伝わってしまい嘘っぽさが増す
- 見た目も、モーションも解像感をあえて落とすほうが、プレイヤーの想像力で補完されリアル感は増す
- 本物の音を収録し、それをSEとして採用すると本物に聞こえないという問題があるが、実は似た音を加工していくほうが本物っぽく聞こえる
- 対してSEや環境音はどれだけ投資しても他を阻害することが無く、どれだけ投資できるかが勝負所
- ブレワイはやたらとフォトリアルにしなかった、モーションを演者から採取したものをそのまま使わなかった、SEや環境音をめちゃくちゃ作りこんだという3点がかみ合って絶妙なバランスを実現した

ブレワイのバランスが良すぎる
他のオープンワールド作品に触れると、「ここもっとブレワイっぽかったらいいのに」っていう点が見つかりがち。
- めっちゃ見た目リアルなせいで目立つモーションのアラを見つけてしまったとき
- 存在感凄いのに装備が壁にめり込んでいることで没入感が削がれたり(ティアキン含む)
- 登場する動物のモーションが手抜きだったり
- 生き物の鳴き声や環境音がショボかったり
- 画面に数字やインジケータがいっぱいでて気が散る構成だったり
- せっかく主人公カッコいいのに一人称視点で普段ほとんど姿を見ない
- マップは広いのに中身がスカスカ
- やりたいことはいっぱい思いつくのにできることは制限が多い
- いきなりボスと戦いに行けない、レベリングが必須など
- BGMがやたらとけたたましく鳴り続ける
ブレワイが細部においてよりベターな回答を持っているせいで、
他のゲームで同様のところに逆方向の回答を持ってきているものが気になってしまう。