Open8
4輪車両の挙動について
ここにて、DiRT-Rally2/EA-WRCの挙動に対する分析がある。
- 低速走行時の挙動をみるに車体中央にピボットポイントがあるように見える
- それはまるで4WSみたいな挙動で不自然である
- 本来ピボットポイントは後輪車軸上にあるべきだし、それは負荷を上げずにできることだ
- DR2でそれは顕著だったが、新作も同じように見える
といった主張がバズっていますね。
しかし、この主張に部分的にうなずけるところはあるけども、そんなに悲観するほどの事はないと思っています。「DR2は嫌い、RBRこそ至高」という人達が集まってコメントを並べていますが・・・。
幾つかの事実と自分の意見をまとめると、以下のような感じ。
- ピボットポイントでヨー制御はレトロアーケードかという意見は正しいが、DR2でそれを採用している事実はない
- RBRも観測上、高速走行時は中央にピボットポイントがあるように見える
- RBRがピボットポイント回転やってるはずもなく
- RBRもDR2も結果として回転軸が中央にあるように見えるだけ
- このような見かけのピボットポイントは4つのタイヤの摩擦とスリップの結果に過ぎない
- 実際の車の観測上ピボットポイントは低速時に後輪軸上で高速走行時は中央付近にシフトする
- なので 「ピボットポイントを後輪軸に持ってくれば解決」なんて単純な問題ではない
- 真の問題はピボットポイントの位置ではなく、静止摩擦と動摩擦の使い分けなのでは?
- タイヤモデルのシミュレーションはまだまだ難しい問題
- どこまで行ってもリアルタイム計算では近似に近似を重ねた簡略計算するしかない
- そのうえでDR2やEA-WRCは低速域の再現を捨てた近似式を採用しただけだと思う
- マシと言われるWRCGやRBRも結局は近似式で、程度問題でしかない
- 「ForzaMortorsport」はタイヤごとに接地点を8点にしたことでリアルな接地感を生み出したらしい
- ということはそうではないタイトルは1~2点の接地点シミュレーションが関の山
- 接地感をリアルにしたければForzaMortorsportのやり方がまともだ
なので、低速域に関してビデオの指摘は 「うん、まあそうだね」 という感想でしかなく(がんばって再現図とか作っていることに関心はするけども)。
DR2やEA-WRCが採用している近似式が明後日の方向を向いているという事ではないと思う。
低速域のリアルさを捨ててしまったのは残念に思うかもしれないけれど、
実際のラリーの走行速度域ではリアルなフィーリングを追及しているということは期待していいんじゃないかな。
新作の挙動を単純化矮小化しておきながらコメント欄がRBRへの美化であふれかえっているのが気持ち悪い・・・。個人的にはRBRの挙動でEA-WRCのステージ群を走りたいかと言われると微妙かな・・・。RBRの挙動が王道を抑えているとしても近似が故の不自然さはあるので。
RBRのNG7物理演算でも最初のビデオによる指摘の
- センターピボットで回転しているように見える
- 壁に張り付いたら脱出できない問題
あたりも同様に発生しそうに見えるし、WRCGに比べるとロールが余り発生していないのも不自然に感じる。
実際のラリーでもピボットポイントは中央からもしくはフロント寄りになっているのがわかる。
カウンターレビューきました。
激しく同意。
まとめ
- 単純なピボットポイントによる計算は今時のリアル系では採用していない
- 低速時に不自然という指摘は確かに理解できるがおそらく開発側はあえて捨てている
- いずれのシムも近似に近似を重ねている、欠点がひとつ見つかったからシムと呼べないは言い過ぎ
- タイヤモデルの再現はこれからの課題でFMがその探求に一歩踏み出したところ
- RBRの挙動が好評なのはそのバランスにあると思うがその挙動で現代のシムをプレイしたいかというとそれも欠点は浮き出てくると思う
- 実プレイのレビューでは楽しいという意見が主流で未プレイ勢の否定的コメントはあまり参考にすべきではないと思う
もうひとつ。
- VRは価値あるもの?Yes。
- DR1とDR2.0は同じ?No。
- DR2.0よりDR1のほうがコントローラブル。
- EA WRCは進歩してそうか?Yes。
- DR1はシムか?と言われるとNo。
- DR1もDR2.0も楽しい