FFBハンコンを使用するメリット

レーシングシミュレータまたはドライビングシミュレータにおいて、プレイスタイルは様々。
大まかに分類すると
- ゲームパッド
- スプリングハンコン
- FFBハンコン
- ギア式
- ベルト式
- ダイレクトドライブ
などがあります。
定価ベースなら記述順で高くなっていますが、需給の問題で中古では価格が逆転現象を起こしているものもあります。FFBハンコンでもギア式の古いモデルは急速に需要が減っていて数千円レベルで買えたりします。スプリングハンコンは中古の弾数が多く(邪魔になりやすく、ステップアップで手放す人が多い)、中古価格は下落しがちです。人気モデルの名機はプレミアがついて高止まりしたりもあります。

ゲームパッドの場合、さらにおおまかに2種類に分類されます。
- スティック&トリガー
- ジャイロ併用
PS5だけゲームパッドのトリガーに反力を返しますが、これは主にABSやTCSの動作状況を伝えるものになっています。
ゲームパッドでは車ゲームで不利かというとタイムランキングでは必ずしも不利というわけではなさそうです。やりやすい部分とやりにくい部分があるという感じです。
ただ、どうしてもゲームタイトルとパッドの組み合わせごとに熟練度のようなものはどうしても必要なようです。
違うゲームタイトルに切り替えたとき、以前の熟練度を生かせるように設定を調整して近づけたりは多少できるとは思いますが、限界付近の挙動というか味付けにどうしても大きめの差異はありがちみたい。そのためその挙動になじむにはさらに熟練が要求されちゃいます。
ジャイロプレイの場合、余計な味付けが少ない傾向があるので別作品での熟練度をある程度持ち込むことはできそうです。
価格帯は3千円~1万円くらいです。純正系は中古でもほとんど値落ちしません。

スプリングハンコンへのステップアップをすると以下のメリットが生まれます。
- ニュートラル付近の微調整が非常にやりやすくなる(この特性はゲームパッドとは真逆)
- 実車の感覚でライン取りが狙えるようになる
- ハンドルとゲーム内入力がリニアに接続され余計な処理が挟まれないため、
- 体が覚えた感覚は別のタイトルでもある程度通用する
- (ただしゲームパッドむけの最適化が外せるタイトルに限ります)
- 主要な操作が独立して行えるのでFF車におけるアクセルを維持しながらブレーキを入れるというテクニックが再現できる(パッドでもアナログトリガーが使えるタイプならできる)
ステアリング操作のおかげで狙ったラインに沿わせること自体が気持ちよくなります。
また、そのスキルはほとんどの車ゲームにおいて有効です。
ただ、このタイプのハンコンはロックトゥロックが240~270度くらいまでです。まれにメカ的に工夫して動作範囲を拡大したモデルもありますが、かなりレアケースです。
価格帯は数千円~2万円くらいです。ただ、ステップアップで不要になって中古で流れやすいので古めのものならやたら安く売り買いされていたりします(300円で買ったこともあります)。

PC ハンコンの互換性について。
十数年前のPS2用のモデルでもPCで動作するものが多い。逆はダメで例えばPS2用をPS3/4/5で使うことはできないしPC用をPS系ではほぼ動作しないです。ゲームコンソールではとにかくハンコン側に対応機種として書かれていなければほぼほぼ動かないです。
ただ、さすがに古すぎると現代のセキュリティモデルにそぐわないものがあったりします。
ロジクールの初代FFB~PS2用あたりではドライバーがWindows11のセキュリティにはじかれてしまいます。なので一部のセキュリティをOFFにする必要はあります。

ここからが本題でFFBハンコンを導入した場合のメリット
- スリップモードではニュートラルがセンターからずれる
- それを意識できるようになるにはFFBの情報が必須
- パッドプレイでこの認識なしの場合、大きめのカウンターでねじ伏せるように操作することになる
- 認識アリのひとがパッドプレイするとカウンターが最小限に抑えられるようになる
- よくあるスリップモードからの蛇行ではニュートラルずれが揺れ動いている状態になっているが、それに対応した操作を行わない時、アクセルを踏み続けたままだと蛇行は止まることはない
- FFBがあるとニュートラルの揺れを感じ取れるので蛇行の原因と対策がとれる
- 路肩や縁石に触れたことも反力として伝わるので車幅感覚が養われる
- タイヤのグリップ感も分かるのでスリップモードに入るタイミングが分かるようになる

FFBの方式で何が違うのか
- ギア式は低消費電力だがギア摩擦、騒音などのデメリット。2~4万円くらいで一通りの付属品あり。
- ダイレクトドライブ式は摩擦が小さい、騒音が少ない、反力の表現の解像度がかなり高い。ただしかなり高価だった(2~3年前はモーター単体で20~30万くらいが普通でハンドルやペダルは別売り)
- ベルト式はその中間でセット価格で4万~8万くらいの価格帯
なんにしろ「メカ部分」というのはコストがクオリティに直結します。ギア式でも高品質なものはあるけれどお安くはないです。ある程度の値段になるとまずメインシャフトの軸受けがベアリングになり、回転軸のガタがほぼ感じれないくらい小さくなります。
また、メカが複雑だと摩耗や劣化問題が付きまといます。ダイレクトドライブはそのシンプルな構造から近年かなりのコストダウンに成功しており、ハイエンド寄りのギア式、ベルト式に比べ値段が近づいてきています。五万円台で買えるDDハンコンも2品種ほど誕生しています。なんせダイレクトドライブ方式は構造がシンプルで故障が少ない上に反力の最大値も大きく、FFBの解像度も高い。それでいて値段もかつての高級品種よりもう少し高い程度になった。というわけでユーザーが注目するモデルの中心はもうダイレクトドライブ品に向かっています。
これから入手する場合は予算が許すならダイレクトドライブ方式一択になったと言えます。
どうしても予算を抑えたい場合のみギア式・ベルト式を選ぶというところ。
ただそうして予算を抑えてみた人は予算のわりに合わない不満があるというのをよく見聞きします。
それならめちゃ安いもので我慢するかもうひとこえ予算を引き上げるほうがバランスが良いのかなと思います。

トルクという指標
- 一般車のパワステありだと3Nm前後ということでエントリーモデルであるギア式はこのあたりの出力
- フォーミュラなどのハイグリップタイヤの場合10Nm前後あるうえ瞬間的な反力は20~30Nmあたりが必要といわれています。このあたりが必要な場合はダイレクトドライブでしか再現できません。
- パワステなしの箱車(GTやラリーなど)では7Nm前後の反力が適切といわれています。
やりこみ勢によると5Nm以下は物足りないという意見が多いです。7Nmくらいあればあとは調整次第でほとんどのタイトルは楽しめそうです。フォーミュラ系でリアルさを求める場合のみハイエンドダイレクトドライブが必要です。

最初にFFBハンコンを販売したロジクール(Logitech)さんがついにダイレクトドライブモデルを新発売するなどこの市場もにぎわってきました。