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nvim-lspの設定をlsp-handlerでカスタマイズする

2022/12/14に公開約4,100字

昨今は Neovim を使用してコーディングする場合、builtin LSP の機能を設定に盛り込んで開発する方が多いのではないかと思います。
builtin LSP にはデフォルトで LSP の機能を実現するための実装は最低限されていますが、これを自分好みにカスタマイズしたいときもあるでしょう。
そういった方のために、LSP の各ハンドラをオーバーライドできる設定があります。それが vim.lsp.handlers です。
今回は実際の Neovim の help 内に書いてある内容を追いつつオーバーライドする方法を見てみます。

デフォルトで設定されている機能

前提としてデフォルトで定義されている機能はどのくらいあるのでしょう?
それは :help lsp-method で見ることができます。
書いてある通り、 textDocument/hovertextDocument/definition などはデフォルトで定義されています。
そのため、こちらで何かしら機能追加したりプラグインを追加したりすることなく、neovim/nvim-lspconfigの設定例のように、キーマップを設定してあげるだけで十分に機能を果たせます。

デフォルトで設定されている LSP の機能一覧

  • callHierarchy/incomingCalls
  • callHierarchy/outgoingCalls
  • textDocument/codeAction
  • textDocument/completion
  • textDocument/declaration
  • textDocument/definition
  • textDocument/documentHighlight
  • textDocument/documentSymbol
  • textDocument/formatting
  • textDocument/hover
  • textDocument/implementation
  • textDocument/publishDiagnostics
  • textDocument/rangeFormatting
  • textDocument/references
  • textDocument/rename
  • textDocument/signatureHelp
  • textDocument/typeDefinition
  • window/logMessage
  • window/showMessage
  • window/showDocument
  • window/showMessageRequest
  • workspace/applyEdit
  • workspace/symbol

機能をオーバーライドする

上記の機能をオーバーライドするには 2 通りあります。

function(err, result, ctx, config)を定義する

:help lsp-handler で詳細が見られます。

ざっくり言うと各引数はそれぞれ以下のようになっています。

  • err: LSP のリクエストの失敗時に返るレスポンス値。通常は nil
  • result: LSP のリクエストの成功時に返るレスポンス値
  • ctx: ハンドラーの付加情報。メソッド名やバッファ番号など
  • config: ハンドラーに対する設定

上記の引数を受け取る関数を vim.lsp.handlers に渡すことでオーバーライド可能です。

vim.lsp.handlers['textDocument/definition'] = function(err, result, ctx, config)
    ...
end

vim.lsp.with を使う

:help vim.lsp.with() で詳細が見られます。

vim.lsp.with() の実装の中身を見れば、やっていることは分かりやすいです。
handler で上記の関数をとって、override_config で設定をマージしています。

function lsp.with(handler, override_config)
  return function(err, result, ctx, config)
    return handler(err, result, ctx, vim.tbl_deep_extend('force', config or {}, override_config))
  end
end

試してみる

textDocument/definition を例に試してみます。

まずは function(err, result, ctx, config) で定義するパターンです。
レスポンスから得られる対象が 1 つの場合、素直にそのまま split して開くようにして、それ以上の場合は location list で一覧を開くようにしてみます。(デフォルト設定の場合、split ではなく edit 同様、現在のウィンドウに遷移先を描画します)
以下がその例です。

textDocument/definitiontextDocument/typeDefinitiontextDocument/references 等のレスポンスは LocationLocationLinkのリストの型で返ってきます。
これらは vim.lsp.util.locations_to_items() 関数を使うことで quickfix/location list で扱える形に変換してくれます。

vim.lsp.handlers['textDocument/definition'] = function(_, result, _, _)
  local loclist = vim.lsp.util.locations_to_items(results, 'utf-8')
  if #loclist == 1 then
    vim.cmd('split ' .. loclist[1].filename)
  else
    vim.fn.setloclist(0, loclist, ' ')
    vim.cmd('lopen')
  end
end

vim.lsp.with() でも例を書いてみます。
上記の挙動をローカル関数にし、config として open_handler を追加することでファイルを開く方法を選べるようにしてみます。
これにより、デフォルトは edit で開きつつ、open_handler の設定次第で splitvsplit で開くことができるようになりました。

local function handle_definition(_, results, _, config)
  local loclist = vim.lsp.util.locations_to_items(results, 'utf-8')
  if #loclist == 1 then
    local open_handler = config.open_handler or 'edit'
    vim.cmd(open_handler .. ' ' .. loclist[1].filename)
  else
    vim.fn.setloclist(0, loclist, ' ')
    vim.cmd('lopen')
  end
end

vim.lsp.handlers['textDocument/definition'] = vim.lsp.with(handle_definition, {
  open_handler = 'vsplit' -- vsplit で遷移先ファイルを開くようにする
})

おわり

builtin LSP のデフォルト機能をオーバーライドすることで lsp-handler をカスタマイズする方法を見てみました。
通常の設定でも機能としては十分果たせますが、今回紹介した機能を使えばより自分の使いやすい形にカスタマイズが可能です。
また LSP に限らず、いつでも手元でヘルプを確認でき、かつ自分が満足するカスタマイズを追求できるというのは Vim/Neovim そのものの良さでもあると改めて実感できました ☺️

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