仕様を考える上で意識している5つのこと
社内外から要望や問い合わせがあり、そこから仕様・要件を考えて開発することもあると思います。
今回は私が仕様を決めていく時に考えていたこと・意識していたことをまとめていきたいと思います。
個人的な考えになりますので、参考程度になれば幸いです。
5つのこと
- 要望
- 背景・理由を知る
- 課題を考察する
- やらないことを決める
- 解決・改善案
次に5つのことについて説明していきます。
要望
これはサービス利用者や社内から上がってくるものです。
私が在籍していた企業ではタスクのタイトルになるケースもありました。
例.「〇〇の機能が欲しい」&「〇〇の動作でエラーが発生する」
背景や理由を知る
なぜ要望が出たのかという背景や理由を知ること・ヒアリングをすることは結構重要です。
背景や理由が記述されていない時や曖昧な記述しかされていないことはよくあります。
例えば、「ファイルを複数選択して提出がしたい」と要望があったとして、理由が「あると便利だから」としか記述されていなかったとします。
この場合、要望者が便利だと感じていたとしても、他人や議論する人達にとって便利さがわからないとせっかくのアイディアも見送りやボツになってしまうケースがありますし、曖昧な状態で考察や議論をしても無駄に時間がかかってしまうことがあります。
「あると便利だから」と記載するよりも下記のように記述するだけでも、どこに不便を感じているかが明確になり、考察や議論をしやすくなります。
「AとBの書類をセットで提出することが多いが現状だと、1つしか提出できないのでファイルの数だけ選択して提出を行う必要がある。ファイル選択時に複数選択し提出すると回数も減って便利だと思った」
もっと身近なもので例えてみましょう。
「寒いので暖かくなりたい」と要望があった場合、暖かくする方法は色々あります。
- 暖房をつける
- 暖かい食べ物を食べる
- 服を重ね着する
- 湯船に入る
その中で解決策を当てずっぽうに行ったとしても「暖かくする」という要望は一応クリアすることはできます。
しかし、要望側が 「なぜ寒いのか」 という背景や理由をわからないとクリアしたことにはならないケースもあります。
例として上げた「暖かくなりたい」も、もしかしたら「暖房器が故障しているから寒い」や「窓際にいると寒い」という場合もあるため、要望者の「Why(なぜ)」を知り、適切な解決策を行うことで結果的に満足してもらえることにつながります。
課題を考察する
どこに課題・問題があるのかを考察します。
「〇〇の機能が欲しい」という要望も実際は何か不便に感じることの解決策の一つでしかないケースがあります。
「何か」 という曖昧なものを他人にわかるように言語化することで課題が見えてくることもあります。
もし、考察しても課題や問題がわからない時や迷った時も多々あります。
その時は再度、背景や理由を聞いてみることで明確していく方が良いです。
また方向性や課題自体があっているのかの合意を取ることも必要になってきます。
やらないことは決める
議論を行なっていくと、良い案が出てくることもあります。
しかし、良い案が出たからといってあれもこれも実装しようと尾ひれが付いた状態で話が進んでしまうと、タスクの肥大化や工数が増えることだけでなく実装者の負担が増える・本来の課題が不透明になってしまうケースがあるため、スコープ外はあえてやらない方が良いです。
まずは本来の課題を解消することを優先し、議論で出た良い案は別タスクとして切り分けて、リリース後のユーザーの反応を見てから着手するかどうか判断をする方が良いと思います。
スコープの「内」か「外」かの線引きは結構難しいと思うので、迷った時は周囲と相談して決めていくのが良いと思います。
解決・改善案を決める
やり方は色々あると思いますが、私は直感的に思いついたものをまず紙やドキュメントにまとめていきます。
次にある程度完成形をイメージしながら、実装可能かどうか・課題を解消できそうか懸念されることはないかを考えながら、さらにブラッシュアップしていきます。
もし、複数の解決策があった場合は絞り込みを行います。
思いついたものすべてを提案する方が良いと思いますが、決定回避(選択回避)の法則のように「選択肢が増えるほど人は選べなくなる」という心理効果もあるので、選択肢はなるべく少ない方が良いと考えています。
しかし、絞り込んで解決・改善案を提示しても反応が良くないケースもあるので「実はこういったことも考えていました」という形で提案すると意外と採用されるケースもあるので絞り込んだ後も完全にボツにするのではなく一つのアイディアとして残しておくのが良いと思います。
おわりに
今回は私の考えを記載しましたが、今後考え方が異なってくるケースやもアップデートするかもしれないので、冒頭でも記載しましたが、どこか一つでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
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