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”地震大国日本”-より強いICTとのつながりを目指して

2024/12/16に公開

私たちの研究室

https://nisk.doshisha.ac.jp/

アドベントカレンダー 16日目 🎄

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現状

昨今、全世界において地震、津波、台風、異常気象など自然災害が頻発しており、人々の生活や社会活動に大きな被害をもたらしている.

特に日本は災害大国と呼ばれており、立地条件、地形、地質、気象条件など各要件からマグニチュード6以上の大規模地震の日本での発生率が18.5%と非常に高いと言える. 阪神・淡路大震災や東日本大震災などの大地震での甚大な被害や南海トラフ巨大地震への対策として防災意識の高まりから、耐震設計の成された建造物が増加

しかしながら、既存建造物の改修工事による耐震化は進んでおらず、以後発生する大規模地震でも大きな被害が推測される

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国土交通省-都道府県別・市区町村別の住宅の耐震化率に関する状況より

また、阪神・淡路大震災では死因の約77%が家屋や家具の倒壊による圧死や窒息死が占めた事例などから防災対策だけでなく地震が発生した際の前述した地震発生時の死因を多く占める家屋倒壊に巻き込まれた人を救う為の対策が必要だと言える.

現状の救助活動は

  • 自衛隊など防衛省や地方自治体など人
  • 救助犬などによる捜索活動
  • 航空機などによる空撮による情報収集

これらのように基本的にはアナログ的手法であると言える。

過去の事例からも倒壊家屋にこそ要救助者が存在するといったことが自明である中、現状の探索活動は死亡者削減を実現の面には決して効果的とは言えず、よりICTと強く繋がることで倒壊家屋に対して効果的な探索が可能だと考えている.

UAV×プローブパケットによる探索

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ドローンを用いることで倒壊家屋に巻き込まれ埋もれている要救助者の通信端末を発見することで被災地での探索を効果的に行えると考える。

通信端末位置推定手法

Wi-FiプローブパケットのRSSI(Recieved Signal Strength Indicator)を取得することで端末位置推定を行う手法を採用している。

採用理由以降に述べる

Wi-Fiプローブパケット

Wi-Fiアクセスポイントを探索アクティブスキャンするため定期的に送出している信号

アクセスポイントがダウンしていても端末側のWi-FiがONであれば送出されることから被災地でも使用することができる

RSSI(Recieved Signal Strength Indicator)

無線通信機器が受信信号の強度を測定するための信号

プローブパケットのRSSIは距離に対して減衰曲線をとるといった特性

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無線コネクト-BLEビーコンによる位置測位

経路選択手法

方角限定アルゴリズム×方角限定アルゴリズム

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測定点削減による探索時間削減を利点とした方角推定アルゴリズムの欠点である中長距離での探索対象との接近を方角限定アルゴリズムで進行を方向を制限することによって解決するアルゴリズム

巡回アルゴリズム

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文字通り測定点(水色の点)を順に回るアルゴリズム

利点:必ず端末の近くを通る

欠点:測定点自体が多いことから探索時間大

3点測位アルゴリズム

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ランダムな3点でパケットキャプチャを行いそれぞれ推定した端末との直線距離を推定・それを半径として円を形成それら3つの円の積集合部分に端末があると推定するアルゴリズム

利点:3点での測定だけで位置推定できる

欠点:直線距離の推定位に用いる参照元に精度が依存する

最後に

これら被災地環境での現状を問題として情報系ならではのI CTとの繋がることでの問題解決を目指し日々研究に取り組んでいる実際に土やコンクリートブロックなどを使い、実環境でのパケットをセンシングすることでの評価をメインに飛行経路手法についての評価問題点解決などが主な実験として行っている。

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