VDSL方式のみマンションにFTTH方式を整備したよ(ただし、NTT[フレッツ光]のみ)
こちらは、【初心者優先枠】corp-engr 情シスSlack(コーポレートエンジニア x 情シス)#2 Advent Calendar 2022 12/15の記事になります。
プロローグ
マンション管理組合ってちょっとした会社組織みたいなもんですよね?
LAN配線マンションの回線を直した話
このエピソードを読んだ時に、「へー、LAN配線方式で、CAT5パターンかぁ。いろんなマンションの事情や事例があるのね~」。
と思いつつも、マンション管理組合にて理事をやった時に、やり遂げたことをすっかり忘れかけていたので、今回のアドベントカレンダーのネタししてみようと思った、ニラレバキックでございます。
お初にお目にかかります。m(_ _;)m
自己紹介
初めまして、ニラレバキックです。
軽く自己紹介、アラサーに差し掛かったタイミングで、未経験からインフラエンジニアとして遅咲きエンジニアでデビュー。
翌年からPCのキッティングを皮切りに、社内インフラ業務からのいわゆる情シス業務に携わって十数年、現在は、ほぼほぼ独り情シスとして何とかやっております。最近好きなSaaSは、Notionとmake(Integromat)です。
気になってはいるが、全く触れていないサービスは、OktaとIntuneとjamfでっす。
閑話休題。
本題:光回線VDSL方式って何よソレ?
コロナ以前
今現在も、バブル期にできた分譲マンションに住んでいます。
引っ越した当初は、VDSL方式のみしかなく下り速度が、だいたい50Mbbps程度の速度でした。
コロナ以前から管理組合の理事を引き受け、議題として光回線の敷設どうすかね?
と議題に上げてはみましたが、「今のところ不満なし」という声が多いのと、「過去に検討したが、NTTより敷設が不可能という回答をもらっているので、無理、却下」という感じでした。(/_;)
というわけで私一人ではどうすることもままならず、当時は、ほぼほぼ会社にいることが多かったし、私もこれ以上騒ぎ立てることでもないということで、一旦引き下がりました。
まさかコロナ禍が光ファイバーの敷設を後押しすることになるなんてね...
ところが2020年初からコロナ騒ぎが始まり、ある日の理事会にて、「インターネットが遅すぎて使い物にならない」。
という発言が他の理事を経由して住人から声があがりはじめ、管理室への苦情相談もインターネット関連の相談が増加しだしたのです。
かつて、マンション内への光回線の敷設を提案してきた私に白羽の矢が立つこととなり、まずは調査を開始しました。
マンションの設備の確認
とはいえ、私もマンションの設備については無知ですので、まずは構内設備について調べつつNTTに問い合わせてみることにしました。
すると、NTTから過去の調査で、MDFまでは敷設可能で、MDF-各IDF間が、敷設不可だったとのことが判明。
次にKDDIへ問い合わせたところ、VDSL方式のマンションにてFTTH方式への切替え工事はできない。その代わりに、G.Fastへの対応を順次実施しているが、設備切替はKDDIの都合で工事するため受付はできないとのこと。
最後にNUROへ問い合わせたところ、NTTさんが敷設不可のところはできないとのこと。
疑問:電話線(メタルケーブル)やテレビ(CATV)はどうやって敷設しているのか?
しかし、今現在MDFから電話線(メタルケーブル)を経由して、VDSL方式で設備は提供できているではないか?
まず、自宅のPS(パイプスペース)や、天井裏などを確認してみた。
すると、CD管が明らかにどこかへ繋がっている。
これは一体どういう事なのか?改めてこの事実をNTTへ突き合わせてみたところ、再調査することで合意を得ました。
MDF室の地下ピットは沼...というか溜め池状態
スケジュールを調整し、時はきた。
管理人さんとNTTの方とMDF室を調査するため地下ピットの蓋を開けたところ、水たまり?いや、溜め池状態。なんじゃこりゃ?
管理人さん曰く、雨が降ると、50~100cmぐらいの深さで水が貯まるそうだ。
NTTさん曰く、どうやら、その地下ピットのどこかにケーブルを敷設するための管があり、各IDFへ繋がっているようだが、水を抜いてから中を確認しないとはっきりしないということだった。
水抜きの見積取得と理事会へ直談判
後日、定例理事会にて進捗を報告。
コロナ以前と違い在宅勤務や在宅学習増え始めてきた時期であり、当時の理事会メンバーも、「可能性があるなら、ぜひ進めてほしい!」と、ほぼほぼ全会一致で前向きな回答をもらった。
マンション管理会社の紹介で地下ピットの水抜き業者へ見積り依頼と発注処理、そしてNTTへの再調査のスケジュールを調整。
FTTHにするために、まさか水抜きをするなんて思いもしませんでした。(゚∀゚)
水抜き後の調査の結果、光ファイバー敷設可能が判明
前回の調査から数ヶ月後、水抜き工事開始、全部の水を抜くまでに2日かかった。(梅雨時は、天候次第で、計画がおじゃんになるので、マジで避けるべし)
MDF⇔IDFの調査結果、やはり管が存在しFTTH敷設可能であることが判明。
追い風だったのは、当時、NTTが、新型コロナウイルス( COVID-19 )に対する取り組みとして、フレッツ光マンションタイプ(VDSL方式)をご利用中のお客さまが光配線方式へ移行する場合のタイプ変更工事費を無料にすると発表したことだった。(まさに渡りに船)
MDF⇔IDFの敷設は地味に時間がかかるのよん
全戸80程度のマンションにて、各地下ピットの水抜きしつつ、MDF⇔IDFにて光ファイバー敷設を実施。
結果、半年程度かかりました。
これは、低層型で敷地面積が広く住戸毎に全て間取りが異なっているためで、いわゆる長方形の立方体のシンプルなマンション構造ならば工数は削減できたと工事業者さんは仰ってました。
住民説明会が大変だったのでFAQサイトを作成してみたわん
結果論だが、一番大変だったのは、IDF⇔各住戸光コンセントまでの敷設だった。
当初、管理組合の責任範囲は共用部まで、つまりIDFまでの敷設までであり、IDF⇔各住戸光コンセントまでの敷設は、各住戸にてご契約中の光回線事業者へ照会しVDSLからFTTHへ切替工事の相談をするように案内したのですが、多くの方々がどこに何を問い合わせていいのかわからない。
つまり、今現在どこの業者に何を契約しているのかわからないという状況でした。
そこで、各住戸の情報を整理するために、回線事業者とプロバイダーの解説と、FAQサイトを共有して、皆様が一番使いやすいメールや電話にて問い合わせを受付けてサポートを開始しました。
結果どうなったか
下り50Mbps程度から約10倍程度の速度改善に成功(´⊙౪⊙)۶ッッッッィィィィイイイイヨッシャアアアアァァァァ!!!!
FTTH方式に切り替えた他の住人からも、「速度向上により在宅勤務、オンライン授業が快適になった、ありがとうございました。」、「マンション資産価値が上がったんじゃないの?」とお褒めの言葉を頂きました。(^o^)
しかし、中には、工事業者がめんどくさがって、IDF⇔住戸までの敷設調査をちゃんとせずに、何度も立会いが必要になるケースもありました。
まとめ
築年数が古めのマンションに住む場合は、ちゃんと設備を確認しましょう。
とはいえ、NURO Wireless 5Gや、home 5G - NTTドコモなど、有線にこだわらずに使えるサービスも増えてはきてますね。(お金があったら、スターリンクにしたい...)
とはいえ、まだまだ固定回線の価値は根強いですね。
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