ゼロから始める個人開発
ChatGPTなどの登場で参入障壁が低くなった個人開発。
それでも気軽に手を出せるレベルではない…ような雰囲気もある。
- 作りたいサービスがある
- 稼げそうだからやってみたい
- 面白そうだから
- などなど…
個人開発を始める理由は人それぞれだが、実際にサービスを作る際の流れはだいたい同じ。
そこで、個人開発仲間が増えることを願って、2018年から複数のWEBサービスを個人開発してきた僕が、企画からリリースに至るまでの流れを紹介しようと思う。
なにを作ろうか?
個人開発を始めるとき、まず最初に考えるのがこれ。
ここが最も個性が表れる部分だと、周りの個人開発者を見ていて感じる。
”きっかけ” を考えてみる
僕がアイデアを思いつくきっかけは大きく分けて2つ。
- めんどくさいな〜
- なんか面白そう!
言語化するのは難しいのだけど、自分の感情が動いたときに思いつくことが多い気がする。
それで生まれたのがこのサービス
- Asked Q&A(めんどくさいな〜 から生まれた)
- Phantom News(なんか面白そう! から生まれた)
今回の記事では、Asked Q&Aを例にして説明していく。
Asked Q&Aを例にリリースまでの流れを解説
下の画像をクリックすると、具体例として紹介するAsked Q&Aのサービスページに移動できます。
※TOPページを見て、「ふーん、こんな感じのサービスなんだ〜」くらいの認識を持てれば十分です。
同じ機能を実装するのが面倒…という ”きっかけ”
「新しいサービスを作るたびに、同じような機能(FAQページ)を実装するなら、それを一つのサービスとして切り出せばいいじゃん!」というシンプルな発想。
そして、「ついでに他の人も使えるようにしよう!」というアイデアが加わり、CGM形式の”FAQページ作成サービス”の案がぼんやりと誕生。
需要あるのかな?
サービスをリリースしても、使われなければ意味がない。
だから、作り始める前に需要を確認することが大切。
Asked Q&Aの場合は、「みんなホームページにFAQを載せているから、需要はありそう」という軽い調査だけで、「少なくとも自分が使うからOK」と判断。
市場規模はどうだろう?
実はこれ、とても重要。
Asked Q&Aは国内向けのサービス。
まずは、これをリリースして獲得できるユーザーの理論値を考えてみる。
Asked Q&Aのターゲットは以下の通り
- 中小企業
- スタートアップ企業・ベンチャー企業
- 個人事業主・フリーランス
- イベント・サークル・コミュニティ
これらを合計すると 潜在的な顧客は1,000万人ほど。 これが市場規模。
※個別の数値に興味ある人は自分で調べてください。
マーケットシェア(市場占有率)を考えてみる
市場規模である1,000万人すべてを獲得できれば理想的だが、それは現実的ではない。というか不可能。
そこで、全体の何%を獲得するか?を目標として設定することが大切。
僕個人としては、「1%くらい獲得できれば十分じゃないかな?」 と考えている。
個人開発だからこそ、自分一人で1%のユーザーを獲得できれば大成功。大黒字。幸せな未来が待っている。
1,000万人の1%である10万人を目標に設定。
ビジネスモデルを考えてみる
Asked Q&Aと相性が良さそうなのは、次の3つのビジネスモデル。
- 広告モデル
- フリーミアムモデル
- サブスクリプションモデル
そこで、まずは広告モデルを軸に運営してみることに決めた。
「急にビジネスモデルなんて言われてもわからないよ…」って人も多いと思うので、ChatGPTにざっくり紹介してもらう。
マネタイズを考えてみる
広告モデル主体のAsked Q&Aで、違和感なく使える手軽なマネタイズ手段は次の2つ。
- Googleアドセンス
- Amazonアソシエイト
もちろん、これらは迷わず即採用。
具体的には、ユーザーがコンテンツに興味を失いそうな箇所にGoogleアドセンスの広告を配置し、コンテンツ内のAmazonリンクを自動的にAmazonアソシエイトのリンクとして表示するだけ。
他にも個人開発で使えるマネタイズ手段はいくつかある。
Asked Q&Aで採用したものも含めて、ChatGPTの力を借りながら有名なものをざっくりと紹介。
売上を考えてみる
市場規模の1%、つまり10万人(10万アカウント)と、マネタイズ手段(Googleアドセンス)を元に、月間の売上をざっくり計算してみる。
※不確定要素が多いため、Amazonアソシエイトは計算に含めない
少なく見積もって、1アカウントあたり毎月100PVを集めるFAQページを作成すると仮定。
Googleアドセンスの平均PV単価は0.2円という噂。
これを計算すると…
100,000 * 100 * 0.2 = 2,000,000
毎月200万円の売上!!!!!!!!
これにAmazonアソシエイトも加えると、年間で2,400万円以上の売上になる可能性。
サーバー費用などのランニングコストを考えても、黒字になりそうな予感。
実際に開発してみる
素早く作ってリリースすることが大事。
技術的な説明は長くなるのでここでは割愛。
もし需要がありそうなら、開発についての記事を投稿するかもしれない。
期待に満ちたリリース初日
バズを期待しながら震えて過ごす。
きっとハッピーエンド(?)が待っているはず!
リリース翌日、絶望の始まり
バズらない。うん、知ってた。
GA4(アクセス解析ツール)を確認すると…
誰も使っていないという現実に直面し、絶望。
これが毎日のように続く。
ようこそ、個人開発の沼へ
リリースがゴールだと思っていた皆さん、ようこそ個人開発の沼へ。
実はここからがスタートラインです。
- どうして誰も使ってくれないのだろう?
- ユーザーが定着しないのはなぜ?
- UI/UXが良くないのかも?
- そもそも集客できてるの?
- あーーーーーー、赤字だぁ…..
安心してください。
これは個人開発者なら誰もが通る道です。
みんな苦しみながらPDCAを回してます。
共に立ち向かいましょう。
ビジネスとして考える
「個人でサービスを作れた自分、すごくね?これはもう成功するっしょ!」と、最初は自分を特別視しがち。
しかし、実際は全く特別ではない。
たとえ特別だったとしても、ユーザーはそんなこと気にしない。
サービスを運営する以上、比較対象となるのは法人(組織)の運営するサービス。
「個人開発だから少し使いづらくても許してね」といった甘えは通用しない。
ビジネスという戦場に立つ以上、目指すべき道は2つしかない。
- ジャイアントキリング(大手に挑む)
- ニッチ領域のパイオニア(新たな分野を切り開く)
法人化した方が便利ではある
個人開発をしていると、ユーザーから問い合わせが来ることがある。
その際、法人名義があると何かと便利。
必須ではないが、ユーザーの信頼を重視するなら、法人化しておくと安心できる。
また、サービス利用時に法人プランを選択できるようになるメリットもあるし、節税の選択肢が増えるのも大きい。
個人的に、法人化の最大のメリットだと感じるのは「有限責任」になること。
これが法人化した一番の理由といっても過言ではない。それくらい重要。
株式会社は面倒
設立費用が高く、合同会社と比べて決算も面倒。
できることは増えるが、役員の任期なども考える必要があり、個人開発のための会社としてはオーバースペック。
しかし、株式を使って資金調達ができる点は、合同会社にはない株式会社のメリット。
僕は株式会社にして後悔している。
おすすめはしない。
それでも「俺は株式会社にするんだ!」という人向けに、かわんじ大先生の神記事を貼っておきます。熟読しましょう。
合同会社がおすすめ
合同会社は株式会社よりも設立費用が安く、手軽に法人名義を得られる。
個人開発をするだけなら、これで十分だと思う。
仕組み的に代表取締役と名乗れないのがデメリットかな(?)
これが株式会社な弊社
最後に
この記事を読んで個人開発を始める人へ。
FAQページに Asked Q&A を使ってくれると嬉しいです。
あと、成功して潤沢な資金が貯まったらお仕事ください。
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