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AIの可能性を拡張する共通言語 - MCP (Model Context Protocol) についてまとめてみた
はじめに
最近、Xで以下の記事がトレンドになっていたので、改めてMCPって何だっけ?どういう仕組みなの?という疑問点をざっくりまとめてみました。
エンジニアの方でも、その全体像を掴みきれていない方もいるかもしれません。そこで今回は、MCPをレストランの厨房とホールスタッフの関係に例えながら、その概念と技術的な重要性を解説します。まるで優秀なレストランの連携プレー:AIと外部システムをつなぐMCP
美味しい料理を提供するレストランを想像してみてください。
- AI(人工知能) は、お客様であるあなたの注文を聞き、料理の説明をする 「ホールスタッフ」 です。豊富な知識でお客様をサポートしますが、料理そのものを作ることはできません。
- 料理のレシピや食材の保管場所、調理の手順といった情報は、 「厨房」 の中にしかありません。
- ここで重要な役割を果たすのが 「MCP (Model Context Protocol)」 です。これは、ホールスタッフ(AI)と厨房をつなぐ 「特別な連絡通路」 のようなものです。
MCPがある場合:スムーズな連携
- お客様(あなた)がホールスタッフ(AI)に「今日のオススメは何?」と尋ねます。
- ホールスタッフ(AI)は、MCPという特別な連絡通路を使って、厨房に「今日のオススメの料理を教えて!」と問い合わせます。
- 厨房は、新鮮な食材や調理法などの情報とともに、オススメの料理をMCPを通じてホールスタッフ(AI)に伝えます。
- ホールスタッフ(AI)は、その情報を分かりやすくお客様(あなた)に伝えます。
MCPがない場合:連携のボトルネック
- お客様(あなた)がホールスタッフ(AI)に「今日のオススメは何?」と聞いても、ホールスタッフ(AI)は厨房に直接聞く方法を知りません。
- ホールスタッフ(AI)は、過去のメニューや自身の限られた知識から、曖昧なオススメしか言えないかもしれません。
- 最悪の場合、「申し訳ございません、厨房に確認できませんので分かりかねます」といった対応になってしまうことも。
この例え話からわかるように、MCPはAIが自身の内部知識だけでは対応できない質問や要求に対し、外部のシステムやデータにスムーズにアクセスし、より正確で価値のある情報を提供するための 「共通のルール」 を指しています。
MCPによって広がるAIの可能性
MCPがあることで、AIは以下のようなことができるようになります。
- 最新の情報に基づいた回答: 例えば、今日の天気や最新のニュースなど、常に変化する情報を外部から取得してユーザーに提供できます。
- 多様なツールとの連携: 「明日の午前10時に会議を設定して」とAIに指示すると、MCPを通じてカレンダーアプリにアクセスし、自動的に会議を設定できます。
- 個々の状況に合わせた対応: 「最近疲れている」とAIに伝えると、MCPを通じて健康管理アプリのデータを確認し、適切な休息方法をアドバイスしてくれるかもしれません。
MCPの技術的な側面
より技術的な観点から見ると、MCPは主に以下の要素で構成されます。
- データ形式の標準化: AIモデルと外部システム間でやり取りするデータの形式を統一します。これにより、異なるシステム間でもデータの解析・処理が容易になります。一般的なデータ形式としては、JSONやXMLなどが用いられます。
- APIエンドポイントとリクエスト/レスポンスの定義: 外部システムが提供する機能や情報にアクセスするためのAPIエンドポイント(URL)と、AIモデルからのリクエスト(問い合わせ)と外部システムからのレスポンス(回答)の構造を定義します。これにより、AIモデルはどのような情報をどのような形式で要求すれば良いか、また、どのような形式で情報が返ってくるかを事前に理解できます。
- 認証・認可の仕組み: AIモデルが外部システムに安全にアクセスするための認証(本人確認)と認可(アクセス権限の確認)の仕組みを提供します。OAuth 2.0などの標準的な認証プロトコルが利用されることがあります。
- コンテキスト管理: AIモデルとの対話履歴や現在のタスクの状態などのコンテキスト情報を管理し、外部システムとの連携においても一貫性のある情報交換を可能にします。
まとめ
MCP (Model Context Protocol) は、AIモデルが外部の知識や機能と効率的かつ安全に連携するための重要な基盤技術です。その標準化と普及は、AIアプリケーションの開発を加速させ、より高度で実用的なAIサービスの実現に貢献するでしょう。今後のMCPの動向に注目が集まります。
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