2023 Japan AWS Top Engineers の振り返り
はじめに
だいぶ時間が経ってしまいましたが、2023 Japan AWS Top Engineers へのエントリーにあたって取り組んだ内容を整理して共有したいと思います。
Japan AWS Top Engineers とは
以下より引用します。
「AWS Top Engineer Partner Program」とは、AWS Partner Network (APN) に参加している会社に所属している AWS エンジニアを対象にした日本独自の表彰プログラムです。特定の AWS 認定資格を持ち、会社を超えてパブリックに技術力を発揮した活動を行っている方、または技術力を発揮したその他の重要な活動や成果がある方を、AWS Top Engineers として、AWS Japan が審査し選出しています。
AWS のパートナー企業を対象にパブリックな活動をしている AWS エンジニアを表彰するものです。Top Engineer と言いつつ実際にはさらに上位の Japan AWS Ambassadors という表彰もあったりしますが、そっちはわたしのようなフツーの SIer にはなかなか目指せるものではないため、(手が届くものの中では)Top といって差し支えないのではと思います🤔
スケジュール
例年だいたい以下のようなスケジュールとなるようです(※ 正確なスケジュールは公式アナウンスをご確認ください)。
各情報は AWS JAPAN APN ブログでアナウンスされます。クライテリアが公開される年末あたりからチェックするようにしましょう。それまでに後述する認定資格条件をクリアしておくとよいです。
事前準備
クライテリアが公開されてから実際に申込サイトにエントリーするまでの期間に準備しておくことをまとめます。
エントリーするカテゴリーの設定
まずはエントリーするカテゴリーを設定します。
今年は以下の 3 つのカテゴリーに分かれていました。
- AWS Top Engineers(Services)
- AWS Top Engineers(Software)
- AWS Top Engineers(Networking / Analytics / Machine Learning / Security / Database / SAP on AWS)
各カテゴリーでクライテリアが異なります。
対象範囲が最も広いのは Service カテゴリーで、ほとんど誰でも目指すことができますがその分倍率は高くなります。ちなみにわたしは Service カテゴリーを選択しました(それ以外は条件が合いませんでした)。なお、2023 年は SAP on AWS の領域からは選出されませんでしたので、倍率が低いからといって難易度が低いという訳ではないようです。
前提条件の確認
各カテゴリーには所属パートナー条件と認定資格条件の 2 つが設定されており、エントリーするにはその両方を満たす必要があります。
特に所属パートナー条件については個人の力でクリアするのは難しいと思います。事前に自社のティアを確認しておきましょう。
Service カテゴリーの認定資格条件は以下のとおりです。
AWS Certified Solutions Architect – Professional と AWS Certified DevOps Engineer – Professional の両方を保持していること。
クライテリアが公開された 2022/12 時点でわたしが保有している認定資格は Expire 直前の SAP と SAA のみでした。おまけに SAP の試験内容は SAP-C02 にアップデートされたばかりだったので、いろんな意味で大変でした😇
認定資格条件は去年から変わっていないようです。こちらに関してはクライテリアの公開を待たず、早めに勉強しておいた方がよいです…。
申し込みサイトへのエントリー
申し込みサイトが公開されたら Web 上でエントリーを行います。
エントリーシートには 1 年間で取り組んだ内容を記入し、それをもとに評価を受けます。過去 1 年間の活動内容が重要なのは言うまでもありませんが、それをアピールできる材料はエントリーシートだけです。そういった(試験対策的な)意味では、活動内容をどのようにアピールするかという点が最も重要であると感じます。
以降ではエントリーシート記入時に気をつけたことをまとめます。
エントリーシートの書き方
エントリーシートには以下の各活動カテゴリーに対して実績を記入します。まずは自身の活動内容を振り返って、アピールできそうなカテゴリーを選択します。
- ブログ
- ホワイトペーパー / 書籍リリース
- 外部登壇
- 案件対応(公開事例含む)
- ソリューション公開
- Well-Architected レビュー
- 技術リードとしての活動
すべての活動カテゴリーでアピールできる実績があればすべて書くべきですが、日々の業務内容次第では書けない領域が出て来ます。わたしは「ブログ」「案件対応」「技術リードとしての活動」の 3 つを設定しました。もっと多くのカテゴリーでアピールできればよかったのですが、書籍リリースや外部登壇ってなかなかハードル高いですよね😭
また、各カテゴリーにテーマを設定して、以下のようにどんなことをアピールするかを決めました。なんといっても 3 つしかアピールできるカテゴリーがないので、各カテゴリーで同じような内容を記載するよりもできるだけモレなくダブりなくアピールできた方がよいと思ったからです。
活動カテゴリー | アピールしたいこと | 記載内容 |
---|---|---|
ブログ | AWS のエコシステムに対する貢献 | AWS の公式マニュアルだけでは理解が難しい部分を補足するブログ記事の投稿など |
案件対応 1 | クラウドネイティブなアーキテクチャに対する理解 | システム化の背景と採用したアーキテクチャ、および AWS サービスを使用した構成の例など |
案件対応 2 | AWS だけでは解決が難しい課題に対する総合的な対応力 | Datadog を使用したシステム監視の標準設計など |
技術リードとしての活動 | AWS エンジニアの育成に対する貢献 | 社内勉強会の開催など |
特に「案件対応」の活動カテゴリーについては他の候補者もいろんなプロジェクトを経験されているので、単純なプロジェクトの概要説明だけだと差別化が難しいと思います。
わたしの場合は「システム化の背景と採用したアーキテクチャ、および AWS サービスを使用した構成の例」をセットで記載することで、「ただやっただけ」みたいな内容にならないように気をつけました。
ヒントの在り処
過去の審査講評にはいくつか参考になりそうなヒントが記載されていますので、目を通しておくことをおすすめします。
以下に今年の総評からいくつか抜粋して紹介します。
外部発信 (ブログ・ホワイトペーパー / 書籍リリース・外部登壇)
高評価を得たポイントには、深いレベルの技術解説、ユースケースの考察、よくある課題に対する解決方法の提示、オリジナリティが挙げられます。一方で高評価に繋がりにくかったものとしては、AWS サービスの機能紹介のみの内容や、AWS セミナーのレポート等が挙げられます。
単純な AWS サービスの機能紹介や AWS セミナーのレポートのブログポストが悪いという訳ではありませんが、エントリーシートに記載する情報としては不十分なようです。
案件対応力 (案件対応・ソリューション公開・Well-Architected レビュー)
今後の参考としては、応募カテゴリーに則した内容を意識し、どのような立場でどのような課題に対して、行動したのか、成果をあげたのかを定量的に記載頂く事を期待します。
エンジニアとしての日々の業務は数値で表現できないものがたくさんあるので、エントリーシートの記載もどうしても定性的な記載が多くなってしまいます。だからこそ可能な限り定量的な情報を付記することで、正しい評価につながるのではないかと思います。わたしの場合は社内勉強会の開催回数や Terraform コードの Step 数、作成したドキュメントのページ数などを記載しました。
おわりに
Japan AWS Top Engineers は、APN 限定ではあるものの自身の AWS に関するスキルを端的に示すことができる表彰プログラムです。現在担当している業務の中でアピールできそうな取り組みを実践されている方は、チャンスだと思ってぜひチャレンジしてみてください💪
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