🤖

Gemini 2.5 ProでScala体験会の資料を爆速で作れた件

に公開

はじめに

こんにちは。ネクストビートでテクノロジーエヴァンジェリストをやっている水島です。最近は社外向け技術イベントの企画・運営や社内向けドキュメントの整備、生成AI活用絡みの業務が多くなっている今日この頃です。今回は最近でたばかりのGemini 2.5 Proを使った資料作成の知見を共有させていただければと思います。

経緯

Scala 3を社外のScala初心者の方に体験してもらうイベント「【初心者歓迎】ゼロから始めるScala体験会」を4月24日(木)開催予定で企画したはいいのですが、資料をどうするかが悩みのタネでした。

事前にGemini 2.5に相談して、体験してもらう項目の概要の出力やScastieで実習してもらうという骨格はできていたものの、実際に1時間枠に収めるための資料作成にかかる時間は意外に馬鹿になりません。

というわけで、どうしようかなと思案を巡らせていたのですが、上記の内容をベースにmarkdownベースのスライドをGemini 2.5 Proに作らせればいいと思い至ったのでした。

やり方

は至って簡単です。スライドはMarpで作ることにして、Gemini 2.5 Proに上記コンテンツ案を渡して指示するだけです。具体的には以下のような指示を出しました。

コンテンツ案は長いので見切れていますが、雰囲気は伝わるのではないでしょうか。出力された結果は以下の通りです。

出力されたMarp用markdownを微修正してレンダリングした結果(の一部)は以下の通りです。

感想

ここまでほとんど試行錯誤が必要なかったことに加えて、一読して「わかりやすい」スライドを作ってくれたことに脱帽です。

Scalaの知識についてもほぼ間違っている箇所は見当たらなかったので、修正といっても文字を削ってスライド内に収まるようにしたり、フォントサイズを調整したりといった些細なことです。

作者:Gemini 2.5 Pro、水島
レビューア:水島

といっても過言ではありません。

案も含めて一から作っていたら、合計で15時間くらいはかかっていたのではないかと思いますが、最初から最後までGemini主体でやってもらったおかげで、諸々込みでかかった工数は4〜5時間といったところです。

工数削減の効果は甚大ですが、それ以上にクオリティの面でも私が一人で作るより良いものになったと感じています。

おわりに

生成AI(LLM)の性能進化はとどまるところを知りません。加えて、巷ではClineなどのいわゆるコーディングエージェントも流行り始めています。今回、出力させたmarkdownを編集するのに、Cline + Gemini 2.5 Pro APIを使いましたが、非常によく指示に追従してくれます。

ちなみに、言うまでもありませんが、これらの作業は他の生成AI(LLM)でも理解精度や長文出力に問題がなければ代替できます。ただ、特に指示(元となるデータも含む)が長くなったときにGemini 2.5は性能低下が起こりにくいように思います。

erukitiさんの記事にも

ただ、o1/o1-proとの明確な違いは1M Tokensという膨大なコンテキストと、long contextにおける性能劣化への耐性がものすごいことです。これは革命的にすごいので、知性を求める人にとってはGemini 2.5 Pro以外を選択すべきではありません。

とありますし、英語圏でも同様の感想が複数見当たります。

変化の激しいLLM業界ですから、この状況がいつひっくり返るかわかりませんが、他の指標はともかく、長文を適切に取り扱える能力についてはすぐにGemini 2.5 Proを代替できる代物が出て来るかは怪しく思います。GPT-4.1 / GPT-4.1 miniは1Mトークンなので、純粋なコンテキスト長では追いついた計算になりますが、趣味で試した限りはGemini 2.5に及ばずというのが正直な感想です。

なお、ちょうどOpenAIからo3 / o4-mini / o4-mini-highがリリースされたばかりですが、Proプランでないと利用制限が割ときつめなことと、長文における指示への追従性能はおそらく微妙だと踏んでいるので、業務では当面Gemini 2.5 Proを使う予定です(弊社ではGemini Workspace Enterpriseを契約しており、正式に業務で利用できます)。

nextbeat Tech Blog

Discussion