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【初心者向け】今日からできる!技術系勉強会開催マニュアル

に公開

はじめに

こんにちは!株式会社ネクストビートでテクノロジー・エバンジェリストなる肩書きでお仕事をしている水島です。

普段は社内で「Nextbeat Tech Bar」という隔月の技術イベントを運営しています。それ以外にも自分主催の技術イベントを多数開催していますが、万が一私が倒れたとき(?)のために、「これさえ読めば誰でも開催できる」というマニュアルを作成していました。

ふと、「これ、社内固有の情報を除けば、初めて技術イベントを開きたい人にとっての良いガイドになるのでは?」と思い立ち、今回、Zenn向けにアレンジして公開することにしました。

「勉強会を開いてみたいけど、connpassの設定とか当日の動きとか、何から手をつければいいかわからない」という方の背中を押せれば幸いです。

Step 1:企画を練る(公開2ヶ月前)

まずは企画です。ここがしっかりしていないと、どれだけ頑張って集客しても人が集まらない……というのはよくある話です。

テーマは「狭く」絞る

初心者がやりがちなのが「Web開発勉強会」のような広いテーマですが、これだと誰に向けたイベントなのかぼやけてしまいます。 「関数型プログラミング」「Scala」「TypeScript」「テスト駆動開発」など、ある程度ターゲットを絞ったほうが、参加者も「自分のためのイベントだ」と感じてくれます。といいつつ、私も広すぎるテーマにしてミスったことがあるので人のことを言えませんが……。

日時は「金曜日の夜」が鉄板

開催日時については、経験則として金曜日の夜がもっとも集客が良いです。翌日が休みという安心感があるからか、外部の方も足を運びやすいようです。 告知期間は、集客を重視するならイベントの2ヶ月前、遅くとも1ヶ月前には公開するのが望ましいですね。直前すぎると予定が埋まっていることが多いので。

曜日については金曜日開催が難しいことも多いので制約としては絶対的なものではありませんし、主催者の裁量で変更してもいいかと思います。

connpassページ作成のポイント

connpassでイベントページを作るとき、最低限埋めるべきは以下の項目です。

  • タイトル: テーマが一目でわかるように。
  • 概要: 「どんな人が対象か」「事前知識は必要か」を明記します。
  • 発表枠: 通常発表枠と(やるなら)LT枠を設定しておきます。
  • 参加枠: オフライン(現地)枠と、もしやるならオンライン(配信)枠を設定。
  • アンケート機能(重要!): 申し込み時に回答してもらうアンケートを設定できます。「現地参加ですか?オンラインですか?」といった質問は、当日の座席や飲食物の手配に直結するので必須です。また、connpassの通知機能は結構見逃されることが多いので、ここで登壇者の連絡先メールアドレスを聞いておくのも重要です。

ただし、懇親会については当日になっての盛り上がり次第ということは多いので、この時点であえて聞かない方がいいと私は思っています(予算の関係できっちり把握しておきたい場合は別)。

Step 2:運営チームと準備(公開〜1週間前)

特にオフライン開催の場合、よほど少人数でない限り一人開催は難しいです。受付やって、司会やって、配信のPC操作して……を一人でやると終わった後疲労困憊で死にます(実体験)。社内の同僚や友人に声をかけて、3〜4名のチームを作ることを強くおすすめします。

とはいえ、オンラインイベントの運営は私がほぼ一人でやっていますが、あくまでオンラインの場合オペレーションが少ないからできるというだけなので、ハイブリッド/オフライン開催の場合は複数名で協力するようにしてください。

役割分担の例

  • 司会(1名): 全体の進行。
  • PC操作・配信(1名): スライドの切り替えやZoom/Meetの管理。
  • 受付(1〜2名): 入館手続きやWi-Fiの案内。

登壇者への連絡

「LT枠」などで公募しても埋まらないことは多々あります。 そういうときは、テーマに詳しそうな知人に「登壇してくれませんか?」と直接DMを送ったり、社内のエンジニアにお願いしたりする泥臭い活動が必要です。何もしなくても発表者が集まることは少ないと思ったほうがいいです。

Step 3:リマインドとリスク管理(前日〜当日)

イベントのドタキャン率を下げるために、リマインドは非常に重要です。connpassには参加者にメッセージを一斉送信する機能があるので、これを活用します。

リマインドメッセージを送る

私は 「開催前日」と「当日の朝」 の2回送るようにしています。テンプレートはこんな感じです。


件名: 【前日リマインダ】Nextbeat Tech Bar:XXXX
内容:

この度は「Nextbeat Tech Bar:XXXX」にお申し込みいただきまして、ありがとうございます!

開催前日となりましたので、改めてリマインドさせていただきます。
-----------------------------------

開催日時:YYYY年MM月DD日(曜日) hh:mm~hh:mm

オンライン参加(Google Meet)
お時間5分前になりましたら以下にアクセスをお願いします。

[URL]

懇親会(MetaLife)
イベント中にご案内しますが、以下のURLから入室可能です。

[URL]

パスワードは特にありませんが、上限25名までですのでご承知くださいませ。

※発表者の方はhh:mmまでに来ていただき、画面共有テストにご協力いただけると助かります。
※Google Meetにはhh:mmから入室可能です。

これを送るだけで、参加者のうっかり忘れをかなり防げます。

「タダメシ」問題への対策

無料でお酒や食事が出る勉強会の場合、技術に興味がなく食事だけを目的に来る方が稀にいらっしゃいます。 楽しい場を守るために、以下の運用をおすすめします。

  • connpassの参加者リストを印刷しておく: 受付で名前をチェックする。
  • リストにない人は入れない: 毅然と対応する。
  • 途中入場を制限する: 懇親会(食事)の時間だけに来るのを防ぐため、「勉強会パートが終わったあとの入場はお断り」等のルールを明記しておく。

Step 4:当日のオペレーション

いよいよ本番です。当日は時間との勝負になります。

機材チェックは「音」が命

プロジェクターの映像が出ないトラブルも怖いですが、それ以上に**「マイクの音がハウリングする」「オンライン配信に音が乗っていない」**という音声トラブルが頻発します。 開始1時間前には機材をつなぎ、実際にマイクを通して喋ってみるテストを必ず行ってください。

タイムキーパー

発表者が熱中して時間が押してしまうのは勉強会あるあるです。 100均のキッチンタイマーでもいいので用意して、演台の見える位置に置きます。登壇者に小声でそっと声をかけるのもアリです。

余談ですが、私はイベントのライブ感最優先なので、盛り上がってるときはあえてタイムキープを緩める運用をしていますが、慣れていない方は手堅くタイムキープをした方がいいかなと。

Step 5:終わったあとが大事

イベントが終わって「楽しかったね!」で解散……ではもったいないです。以下はときどき私も失念してしまうことなのですが、やっておいた方がよいことです。

  • お礼メール: 参加者・登壇者にconnpass経由でお礼とアンケートURLを送ります。
  • 資料の共有: 登壇者のスライド資料を回収し、イベントページにリンクを貼ります。
  • Togetterまとめ: X(旧Twitter)での実況や感想ツイートをTogetterにまとめます。これが次のイベントへの集客につながることもあります。

まとめ

ざっと書き出してみましたが、いかがでしたでしょうか。

「意外とやることが多いな」と思われたかもしれませんし、実際、結構面倒くさいです。ただ、それ以上に、自分の企画したイベントで参加者が盛り上がってくれたり、新しい技術的なつながりが生まれたりする瞬間は何にも代えがたい楽しさがあります。

最初は小さな規模(5人〜10人くらい)から始めて、慣れてきたら規模を大きくしていくのが良いかと思います。 この記事が、あなたの「勉強会主催デビュー」の一助になれば幸いです。

最後に、connpassのネクストビートグループのリンクを貼っておきます。文面など参考にしていただければ幸いです。

それでは、また!

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