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CursorのAIエージェントにブラウザ操作させる方法

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はじめに

Cursor Agentに新たに追加されたBrowser機能を使うと、AIエージェントが自動でWebブラウザを操作し、情報収集やWebサイトの動作確認を行ってくれます。本記事では、この機能の使い方を実践的に解説します。

全体フロー

  1. Cursor Beta → Early Access設定に変更
  2. Agent Window起動 → Ctrl+E (または Cmd+E)
  3. Browserボタンクリック → ブラウザウィンドウ起動
  4. チャットで指示 → AIがブラウジング実行
  5. 自動保存.cursor/screenshots にスクリーンショット保存

前提条件

Cursor Agentのブラウザ機能を利用するには、以下の設定が必要です(2025/10/04 時点):

  • Update AccessをEarly Accessに設定

使い方

1. Early Accessへの変更

Cursor Beta の設定から、Update Access を Early Access に変更します。

Early Access設定画面

2. Agent Windowを起動

Ctrl+E (Windows) または Cmd+E (Mac) でAgent Windowを開きます。

Agent Window

3. Browserを起動

Agent Window内の + Browser ボタンをクリックすると、ブラウザウィンドウが開きます。

Browserボタン

ブラウザウィンドウ

4. 指示を出す

チャット欄で指示を出すと、AIエージェントが自動でブラウジングを実行します。実行中はスクリーンショットを取りながら操作を進めます。

5. スクリーンショットの確認

実行結果のスクリーンショットは .cursor/screenshots ディレクトリに自動保存されます。

実行例:最新AI情報の収集

実際に「最新のAI情報をブラウザで表示して」という指示を出した結果を紹介します。

AIの実行結果

AI実行結果

AIエージェントが以下のサイトを自動で訪問し、スクリーンショットを保存しました:

  1. OpenAI公式ブログ - OpenAIの最新発表や研究成果
  2. Hacker News - 技術コミュニティでの最新議論
  3. VentureBeat AI - AI業界の最新ニュース
  4. AI now - 日本のAI技術情報
  5. 日経Smart AI - 日本経済新聞のAI特集

活用シーン

開発・テスト関連

  • バグ再現手順の記録: 「このバグを再現して」と指示すれば、操作手順とスクリーンショットを自動記録
  • 実装中の動作確認: コード変更後にすぐ「トップページを表示して」で即座に確認
  • GitHubのPRレビュー補助: 「このPRで変更されたページを確認して」と指示して関連ページを巡回
  • フォーム入力テスト: お問い合わせフォームや会員登録フォームの動作を自然言語で指示してテスト
  • エラーページの検証: 404ページやエラー画面が正しく表示されるか確認

その他の活用場面

  • 情報収集の自動化: 複数のニュースサイトやブログを巡回して最新情報を収集
  • 競合調査・リサーチ: 競合サイトの機能やUIを調査
  • 定期的なモニタリング: 特定のページの状態を定期的にチェック
  • 技術記事の収集: 「Reactの最新記事を5つ見つけて」と指示して自動でスクリーンショット保存

E2Eテスト自動化ツールとの使い分け

一般的なE2Eテスト自動化ツール(Playwright、Selenium、Cypress等)との違いと使い分けについて整理します。

E2Eテスト自動化ツール(従来型)

  • 事前準備: テストシナリオを定義・メンテナンス
  • 実行環境: CI/CDパイプラインに組み込んで自動実行
  • 検証: 厳密な検証ルールで品質を保証
  • 用途: 定型的な回帰テストに最適
  • 運用: チーム運用・本番環境での信頼性重視

Cursor Agent Browser(AI駆動)

  • 事前準備: 不要、自然言語で即座に指示
  • 実行環境: 開発中にその場で実行
  • 検証: 目視確認が中心(スクリーンショット保存)
  • 用途: アドホックな動作確認・情報収集
  • 運用: 個人開発や探索的テストに向いている

使い分けの例

開発フェーズでの使い分け:

  • 実装中の即時確認 → Cursor Agent Browser
  • リリース前の品質保証 → E2Eテスト自動化ツール

タスク別の使い分け:

  • 「このページ、ちゃんと表示される?」 → Cursor
  • 「全画面の回帰テストを毎晩実行」 → E2Eテスト自動化ツール
  • 「競合サイトの新機能を確認したい」 → Cursor
  • 「決済フローが壊れていないか検証」 → E2Eテスト自動化ツール

公式リソース

まとめ

Cursor Agent Browserを使えば、AIエージェントに指示を出すだけで自動的にWebブラウザを操作してくれます。

現在はBeta版で実運用にはまだ課題がありますが、手動で行うと時間もコストもかかる複数サイトの巡回や、実装後の動作確認をAIに任せられる可能性を見せてくれています。正式版として安定化すれば、情報収集からスクリーンショット保存まで全自動で、開発者の負担を大きく軽減してくれる強力な機能になるでしょう。

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