WindowsノートPCだってクラムシェルしたい
序文
テレワークが定着しつつある今日このごろ皆さんいかがお過ごしでしょうか? 仕事をするにあたってノートPCの画面じゃ小さいのでディスプレイを購入した人も多いと思います。私も老眼で「字が小さすぎて読めなーい」なのでディスプレイを2枚購入しました。
さて、ディスプレイを2枚使うと基本的にノートPCのディスプレイとキーボードを使うことはほぼありませんよね。というわけでノートPCは閉じたままのいわゆるクラムシェル男子になるわけですが、クラムシェルにすると「電源入れるときどうすんのよ?」という問題に突き当たったわけです。
構成
諸事情あってWindows PC2台とChromebookを使い分けています。本当はLate2013のMacbook Proも最近まであったのですが流石にお払い箱にしましたので割愛します。
ディスプレイ
まず主題であるディスプレイからです。ディスプレイはプライマリとセカンダリの2枚用意しています。
要件
プライマリの要件としては
- USB-C接続、PDで充電可能
- USB-Cとは別にディスプレイポート入力がもう一系統
- デイジーチェーン可能
- USBハブになる
- 2K(4Kは細かすぎる、読めるほど大サイズにすると2枚置けない)
セカンダリの要件としては
- デイジーチェーンを入力するDisplay Portがある
- スピーカーつき
- 22インチ程度FHD(スペースの都合、22インチ2Kだと読めなさそう)
ノートPCからはUSB-C
最近スタンダードになりつつあるUSB-C。Alt modeをサポートしているUSB-CであればDisplay Portの代わりになり、かつPDによって充電することが可能です。これで邪魔くさい純正のACアダプターを排除できました。
InspironとChromebookを両方同時にディスプレイに接続して使う要件はないので時折つなぎ替える運用にしています。(Chromebookをディスプレイに繋ぐのは稀)
デイジーチェーン
最近のノートPCは端子が少なく、2枚のディスプレイに出力するためにはハブが必要になるのを回避したくデイジーチェーン(プライマリディスプレイとセカンダリディスプレイをDisplay Portでつなぐ)をサポートするディスプレイを探しました。
ただしこのデイジーチェーンはDisplay Port(MST)の仕様なので必然的にプライマリディスプレイへの入力方法がUSB-CとDisplay Portに絞られ、HDMIは除外されてしまいます。
デスクトップPCからはDisplay Port
消去法でデスクトップPCからの接続はこうなります。DP vs HDMIのプチ戦争が置きていますが、WindowsでのDPは時折ウィンドウ配置を忘れてしまう問題があるのですがこれは諦めました。
どうやってノートPCの電源入れるの問題
さて、クラムシェル状態のノートPCの電源を入れるのか困りました。Macbookの場合電源を切らずにスリープにしておけばマウスクリックで復帰したのですが、Inspironはそれができそうにありません。それ以前にWindowsってちょいちょい再起動しないとおかしくなりがちじゃないですか。なので基本的にはシャットダウンしたいなと。
そこで方法を探りました。
Wake on LAN
最初に思いついたのがこれ。しかしデスクトップのLANボードならともかく、最近のノートPCはWifiしかありません。WifiでのWOLができるのかどうか疎いですがめんどくさそうです。さらにWOLの場合、Wake信号を発する側のアプリが必要なのでやめました。
※最終的にはほとんど自分のデスクから動かないなら有線の方が安定するのでUSB-LANアダプタを使っているのですが、USB自体が電源OFF状態であやしいので諦めました。
※Dell PCにはUSB Wakeという機能があってACアダプタ接続時にであれば電源OFFでもUSBを有効状態にしておけるのでWOLもワンチャンあるかもしれませんが。
Wake on AC
調べてみると最近のDellのノートPCはWake on ACという機能を持っていました。これは電源ケーブルを挿すと自動で起動するものです。説明によると「ACアダプタが接続されると」という書き方でしたが試したところUSB-Cの給電もACアダプタ接続として扱われるようです。なるほど、これならUSB-Cを抜き差しすれば起動してくれるジャマイカ。
U2520DRのUSB-C給電設定
更に調べてみるとU2520DRのUSB-C給電の設定として
- ディスプレイ電源がOFFでもUSB-C給電できる
- ディスプレイ電源がOFFの場合にはUSB-C給電は止める
の2つのモードがありました。先のWake on ACと併せて2番のモードを使うと「ディスプレイ電源ONと同時にInspironが立ち上がる」ということが実現できて非常に幸せになれました。Wake on ACのためにUSB-Cを抜き差しする必要が無くなりました。
キーボードとマウス
クラムシェルモードにすることは、ノートPCに付属しているキーボードもタッチパッドも使えないことを意味します。これについてはLogicoolのUnifyingを愛用しているのでLogicool製品で固めました。
Chromebookでも無線キーボードとマウスを使いたいときもあるので、直接InspironにReceiverを装着せずにプライマリディスプレイのUSBポートに装着しました。これによってノートPCを交換するときはUSB-Cを挿すだけで済みます。幸いにしてChromebookのキーボードはWindowsと同じ扱いなのでMacのように困ることがありません。
Webカメラとマイク
テレワーク時代なのでWeb会議が日常的にあります。そのためカメラとマイクが必需品なのですが、クラムシェルにするとノートPCについているカメラマイクが使えなくなります。何ということでしょう、標準でついているのに宝の持ち腐れですね・・・。
仕方がないのでカメラ+マイクのC270nというのを買いました。みなさん上位機種のC920nとか使ってるみたいですが画角が狭いほうが部屋の余計なものが映らずに済むのでこれを選びました。マイクもまぁまぁみたいです。たぶん。コンデンサーマイクみたいなのは場所をとって邪魔なので正直興味がありません。
スピーカー
相手の声を聴くのにスピーカーも必要です。BTで飛ばしたり、USBスピーカーをPCにつないだり、U2520DRにLINE-OUTがあるのでそこにスピーカーを繋いだりと方法はありましたが、セカンダリディスプレイにスピーカー付きのものを買うことで解決しました。ゲームや音楽を聞く用途には耐えない音質ですがWEB会議なら十分です。
結び
というわけで試行錯誤してようやく環境ができあがってきた感じです。他にもケーブル類をへらしたり、Alt modeとPDをサポートしているUSB-Cケーブルに長いものがなく取り回しに苦労したりしましたが割愛しました。
クラムシェルで電源入れる問題は機器の組み合わせの妙がありますが、お役に立てるのではないかと思い公開した次第です。
以上
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