低すぎる自己評価は実際の評価も下げてしまうという話
自己評価が高すぎると困るのは想像がつきやすいと思いますが、一方で低すぎるのも困りものです。むしろ、そっちの方がより深刻な問題を引き起こしやすかったりします。
自己評価が過度に低い状態というのは、謙虚さではなく自己否定につながる場合がままあります。
それはやがて自分の携わる仕事やチームに対する否定に発展していきます。これが本当に良くない。本人のみならず周りにも悪影響を与えるので、仕事によるプラスのアウトプットを打ち消すマイナスのアウトプットを生み出してしまう。
仕事をすると同時にそれを削る方向の動きもしてしまうので、成果を上げても十分な評価ができなくなってしまいます。そして、また下がる自己評価という負の循環が完成する。
そこまで極端でなかったとしても、自己評価が低い人がシニアエンジニアとかリーダーみたいなポジションについてしまうと、それもまた不幸を招きがちです。
「自分に厳しい」と言えば聞こえはいいけど、自己評価が低いと結果的に他人の評価も低くなりがちだったりします。「こんなに出来ない自分よりも出来ないなんて、こいつは一体何なんだ」みたいな評価をしてしまうと、それはもう関係者全員が不幸になってしまうわけです。
そういう人は実務遂行能力が高いことは多くて(その面では自分への厳しさがいい影響を与えていたりする)小さな会社が人数を増やす時に上の立場に据えられたりします。なんだけど、他の皆はそれについていけなくて組織がうまくスケールしないみたいなのはよくある気がします。知らんけど。
マネジメント的な職務を担わなかったとしても、コードレビューや技術的なディスカッションなどで周囲によくない影響が出てしまうと組織としては高い評価は出来なくなってしまいます。
強い人の自己評価が低いと、組織全体の評価が低い水準で止まってしまう。その組織に所属している人は誰も評価されないみたいな悲劇につながるわけです。組織としてはそういう人は高く評価したくても出来なくなってしまう。
それなりの期間Webの仕事をしてきましたが、低い自己評価が回り回って実際の評価を下げてしまうケースは結構見た気がします。
常に自分を高く評価しろというのも難しい話だと思うけど、自己評価が相対的に低い場合は「自分ではそうは思わんけど周りが評価してくれるってことはそれなりの価値があるんだろう」ぐらいには捉えられるといいですね。
自分で自分が信じられない場合は、あなたの価値を認めてくれている誰かのことをもうちょっと信用してもいいんじゃないでしょうか。
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