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インディゲーム開発者のGPU選び:RTX A1000の実力と電気代節約効果 ~2D,軽量3D系クリエーターなら圧倒的なコストパフォーマンス~

2024/05/22に公開

はじめに

RTX A1000は消費電力50Wでコストパフォーマンスが高いGPUである

現在、筆者は、GPUとしてRTX3070Tiを使用しているが、消費電力が最大270Wある。
電気代節約として交換対象として評価中のRTX A1000は消費電力は50Wで予約販売が開始された。

筆者の地域には原発はなく老朽化した火力発電所のみである。
電気代は概算にして40円/kWhと試算し、最大消費電力発揮を月30時間×3年間で比較した。
試算は控え目で現実には月40時間×4年程度稼働と予想している。

消費電力の比較 RTX A1000<50W> VS RTX3070Ti<270W>

GPU 最大消費電力 3年間総額(月30時間) コスト比較
RTX 3060-12GB 270W 34,992円 1000%
A2000 70W 9,072円 約25.9%
A1000 50W 6,480円 約18.5%

以上の結果より、RTX3070TiからRTX A1000への買い替えは電気代のコストパフォーマンスが突出していると考えた。

筆者は2Dおよび軽量3D系のVRoid制作やUnityゲーム開発、そしてClipStuido創作活動を行っている。
この使用用途で許容できる最低限のスペックとしてRTX A1000を評価基準とし他のRTAX Aシリーズと比較検討することにした。

RTX A1000 - 8GB の具体的なコストパフォーマンス評価について

RTX A1000 - 8GB が2Dや軽量3D創作メインとなるPC作業において、どれほどの経済合理性(コストパフォーマンス)があるか、検証と評価を行った。

まず、今後の予想として、創作活動全般が手作業からAI生成主体に移行すると想定している。
また、忙しくてPCゲームは行わないと確定したのでプレイヤーとしてのゲーミング性能体験は不要とした。

すなわち、AIを活用するためのプログラミングと、AI生成待ち時間の長期演算待ち、そしてClipStudioやVRoid程度の軽量な2D/3D創作活動で支障ないという前提とした。

前提条件となる筆者PCの仕様ツール,使用マシン構成, 各ツール類におけるGPU性能の要件事項は下記の通り。

コストパフォーマンス評価基準の前提条件(評価者のPC構成, GPU使用用途, GPU性能の要件事項)

  • 1.使用マシン構成

    • マザーボード : MSI B550
    • CPU : Ryzen 5700X
    • RAM : 64GB [DDR4 x 16GB x 4]
    • 冷却方式 : 空冷 [ Front In 140cm x2, Top Out 140cm x2, Lear Out 140cmx1]
    • GPU : RTX3070Ti
    • 電源ユニット : 80PLUS GOLD 850W
    • SSD : C Drive - SATA 1TB (RAID1) , D Drive - M.2 nvme 2TB
  • 2.GPUを使用するツール

    • ClipStudio
    • Unity
    • VSCode
    • Blender
    • VRoid Studio
    • Windows 11 Pro
  • 3.具体的なGPU性能の要件事項

    • 3-1. ClipStudioのスムーズな漫画制作
      • ClipStudioでペンの遅延や描画の遅れを感じることなくスムーズに作業を進められること。
    • 3-2. Blender, VRoid Studio, Unityの軽作業
      • Unityを使用して軽量なポリゴンの3Dシーンを作成し、VRoidやBlenderで作成したVRM形式キャラクターを配置し、2K解像度での開発において、リアルタイムでのプレビューやレンダリングが可能であること。
    • 3-3. VSCodeでのプログラミングとAI生成作業の長期実行
      • VSCodeを使用してAI生成のスクリプトやゲームロジックを複数のエディタウィンドウを開きながらの作業でも、スムーズに行えること。AIを用いた画像生成やデータ処理を長時間実行となるため低消費電でマザーボードや電源ユニットへの負荷も軽量であること。
    • 3-4. AI生成などでスペック不足の場合(長時間レンダリングでおイルブリードやオーバーヒートの恐れが有り得る場合)
      • 演算用にGPUサーバーをレンタルし、演算リクエストを発行して対処する。つまり、ローカルGPUであらゆる局面を解決できなくともよい。ヘビーな演算処理はローカルGPU性能の必要要件としない。

RTX A1000検討における競合GPUとの評価

資料a.競合として選定したGPU

NVIDEA以外は比較が複雑化するので除外し、評価対象とする RTX A1000 - 8GB モデルと競合になりえるRTX Aシリーズをピックアップした。価格が高価なA4000 Adaは選考段階で除外した。

  • RTX A1000 - 8GB(評価対象)
  • RTX A2000 - 12GB
  • RTX A2000 Ada - 16GB
  • RTX A4000 - 12GB

資料b.評価基準

  1. 価格(50点満点):最安値を50点として減点方式で配点
  2. 消費電力(30点満点):最低消費電力を30点として減点方式で配点
  3. 性能(20点満点):最高性能を20点として減点方式で配点
  4. オススメ度(100点満点):価格スコア+消費電力スコア+性能スコア

評価基準を上記のように規定の上、GPT4で採点と評価を行わせた。
結果は以下の通りである。

資料c.評価結果(1) オススメ度

順位 GPU 価格
(50点)
消費電力
(30点)
性能
(20点)
オススメ度
(100点満点)
1 RTX A1000 8GB 50点 30点 10点 90点
2 RTX A2000 12GB 38点 20点 15点 73点
3 RTX A2000 Ada 16GB 32点 20点 20点 72点
4 RTX A4000 16GB 32点 11点 20点 63点

資料d.評価結果(2) 採点基準の根拠となったカタログスペック値

順位 GPU オススメ度
(100点満点)
価格
(値)
価格
(点数)
消費電力
(値)
消費電力
(点数)
性能比較
(割合)
性能(点数)
1 RTX A1000 8GB 90点 ¥77,000 50点 50W 30点 50% 10点
2 RTX A2000 12GB 73点 ¥88,999 38点 70W 20点 75% 15点
3 RTX A2000 Ada 16GB 72点 ¥121,979 32点 70W 20点 100% 20点
4 RTX A4000 16GB 63点 ¥118,563 32点 140W 11点 100% 20点

資料e.評価結果(3) GPTによる評価コメント

3-1. 価格について

順位 GPU オススメ度
(100点満点)
価格の評価コメント
1 RTX A1000 8GB 90点 価格: 最も安価で、初期投資を抑えたい場合に最適。
2 RTX A2000 12GB 73点 価格: 手頃であり、初期投資も高すぎない。
3 RTX A2000 Ada 16GB 72点 価格: A2000 12GBに比べて高いが、まだ許容範囲。
4 RTX A4000 16GB 63点 価格: 最も高価で初期投資が大きい。

3-2. 消費電力について

順位 GPU オススメ度
(100点満点)
消費電力の評価コメント
1 RTX A1000 8GB 90点 消費電力: 最も低く、長期的な電力コストの節約に優れています。
2 RTX A2000 12GB 73点 消費電力: A1000に比べて若干高いが、それでも非常に効率的。
3 RTX A2000 Ada 16GB 72点 消費電力: A2000と同等で効率的。
4 RTX A4000 16GB 63点 消費電力: 他の選択肢よりも高く、長期的な電力コストも高い。

3-3. 性能について

順位 GPU オススメ度 (100点満点) 性能の評価コメント
1 RTX A1000 8GB 90点 性能: 2D作業や軽量な3D作業に十分対応可能。
2 RTX A2000 12GB 73点 性能: A1000より高く、3Dレンダリングや重めの作業に対応。
3 RTX A2000 Ada 16GB 72点 性能: A2000よりさらに高く、メモリ容量も多い。
4 RTX A4000 16GB 63点 性能: 最も高性能で、大規模な3Dレンダリングやプロフェッショナルな用途に最適。

結論

RTX A1000 8GBのコストパフォーマンスは高いというGPT総合評価

順位 GPU オススメ度 (100点満点) 総評コメント
1 RTX A1000 8GB 90点 総評: 価格と消費電力を重視するなら、最良の選択。
2 RTX A2000 12GB 73点 総評: 多少の追加コストで性能向上を求めるなら、バランスが良い選択。
3 RTX A2000 Ada 16GB 72点 総評: 予算が許すなら、さらに高い性能とVRAMを享受できる選択。
4 RTX A4000 16GB 63点 総評: 最高の性能を求める場合には適していますが、コストと電力効率を考えると他の選択肢が優れています。

以上の通り、RTX A1000 8GBは軽作業の創作活動(2Dや軽量3D, AIの簡易生成程度)にはコストパフォーマンスが期待できる可能性が高いというGPT評価となった。

本資料を参考にする方への注意事項

本資料はカタログスペックのみで評価を行っていること、また、フルHD~2K程度のモニタを使用し、4Kモニタを複数ディスプレイで描画演算するようなゲームなどの類は最初から考慮していないことを注意すること。

筆者自身はゲームはゲーム機というライフスタイルなので全く問題ない上、サブPCと兼用のため実際には物理的に演算の負荷分散が可能であることは本資料では省略している。1台でより多くのことを解決するユーザーにはA2000ないしはA4000あるいはそれ以上のGPUが望ましいと思われる。

筆者は元々、ブラウザベースの作業も多く、VSCodeで大半の目的を達成しえるプログラマであることも注意されたし。

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