AWSの資格を全冠したので諸々をまとめる
はじめに
業務で触り始めたことをきっかけにAWSの認定資格をコツコツと取ってきたのですが、ついに全冠を達成することができました。
主には自分用の振り返りのためですが、各資格の所感や得られたもの等々をまとめていきたいと思います。
AWS認定資格とは?
Amazon Web Services(AWS)に関する専門知識やスキルを証明できる資格です。
この記事を執筆している2025年6月時点では合計12個の資格があります。
参考:自分のスペック
何の参考になるか分かりませんが、いちおう自分のスペックを記載しておきます。
正直どこにでもいるWebエンジニアなので、どなたでもAWS全冠は可能だよ、ということをお伝えしておきたいです。
- 1992年生 静岡県在住 大卒(なんちゃって情報系)
- 県内のIT企業勤務 新卒10年目
- 普段はフロント・バックエンドの両方を開発
- TSメイン
- フロントはReact(SPA, Next)が中心
- バックエンドはFastifyなど
- AWS歴は5年ほど
- 業務系のWebシステム用のインフラ構築が主
- CI/CDやIaCが好きなので、環境はもっぱらCDKで構築する
遍歴
最初に受験したのは一番初心者向けのCIFで、2021年でした。
AWSの認定資格の有効期限は3年間ですが、上位の資格に合格することで期限を延長することができるので基本的には下位の資格から取得していくと間違いないかなと思います。
資格名 | 取得日 |
---|---|
AWS Certified Cloud Practitioner(CIF) | 2021/11 |
AWS Certified Solutions Architect - Associate(SAA) | 2021/12 |
AWS Certified Developer - Associate(DAV) | 2022/02 |
AWS Certified Solutions Architect - Professional(SAP) | 2022/08 |
AWS Certified SysOps Administrator - Associate(SOA) | 2023/05 |
AWS Certified DevOps Engineer - Professional(DOP) | 2023/12 |
AWS Certified Security - Specialty(SCS) | 2023/12 |
AWS Certified Database - Specialty(DBS) | 2024/02 |
AWS Certified Machine Learning - Specialty(MLS) | 2024/04 |
AWS Certified Data Engineer - Associate(DEA) | 2024/06 |
AWS Certified AI Practitioner(AIF) | 2025/01 |
AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate(MLA) | 2025/02 |
AWS Certified Advanced Networking - Specialty(ANS) | 2025/03 |
※AWS Certified Data Engineer - Associateは現在は廃止されています。
勉強方法
勉強方法ですが、みんな大好きCloudLicenseを主に使いました。
出題範囲は公式を参考にし、各サービスの解説記事をオフィシャル・非オフィシャル(Zenn,Qiitaなど)を問わずにとりあえず読む → 過去問を延々と繰り返す、という勉強方法です。
特に難しいと感じたANSとSAPだけは2週くらい回しましたが、それ以外は1週で済みました。
最初はUdemyも使っていたのですが、試験によっては問題数が充実していなかったりしたので、どの試験もそれなりに問題数があるCloudLicenseがお気に入りです。
余談というか若干スピリチュアル
良いか悪いかはさておき、全冠を目指して色々な試験を受けていると、だんだんと「AWSの問題の作り方の傾向」のようなものがうっすらと分かってきます。
うまく言語化できないのですが「明らかにそれは違うだろ」という選択肢がなんとなーく直感(と経験)で分かるようになります。
こういった感覚までフル活用して最短で全冠を目指したいなら、勘が働くようになってくる後半に難しめの資格を組んでおくといいかもしれません。
各資格の所感
現時点で有効な12資格について、どんな感じだったかをまとめていきます。
AWS Certified Cloud Practitioner
そもそもクラウド未経験の場合は、クラウド的な考え方(オートスケール、インフラの責任分界点など)を覚えるところから始まるので難易度は若干上がります。
AWS Certified AI Practitioner
AIの基礎的な内容が半分、AWSにおけるAI系のサービスで「このケースではどれを使う?」といった感じの問いが半分。といったバランスです。
この試験を受けるタイミングでは後述のSAPやMLSなどを取っていた関係で、使ったことはないけれどなんとなく知っているサービスが多く、G検定も持っていたので苦労はしませんでした。
ただ、専門性は高いのでCloud Practitionerと同じようなノリで挑むとだいぶ難しく感じてしまうかもしれません。
AWS Certified Solutions Architect - Associate
ここまで取得できれば、基本的なAWSの案件はこなせるという認識。
基本的なことから応用部分まで、割と出題範囲が幅広いので難易度はグッと上がってきます。
業務で普段触っている箇所と被っているところはほどほどに、全く扱ったことのない部分を深堀して勉強していけば合格できると思います。
AWS Certified Developer - Associate
自分が受験した頃はCodeCommitやCodeBuildなどCodeXXX系の内容が多めでしたが、現在は一部縮小したサービスもあるのでどうなのでしょうか。
普段は開発業務をやっていることが多い関係で、SAAよりも簡単だなと感じました。
逆にPM系の業務が多い方にとっては、少し難しいのかもしれません。
AWS Certified SysOps Administrator - Associate
オペレーション寄りの知識が多く求められるので、AWSのコンソールを実際に触っていたり、死活監視やアラート発出などの作業をされた経験が多い方は簡単に感じるはずです。
AWS Certified Data Engineer - Associate
日頃からデータアナリスト系の業務が多い方にとっては基礎的な内容に感じられると思いますが、いわゆる業務系やWeb系のシステム開発が主な方にとっては他のアソシエイト資格より取っつきにくいかもしれないです。
かくいう自分もほぼ無経験だったので、だいぶ苦労しました。
AWS Certified Machine Learning Engineer - Associate
AIFを取得して、その知識と勢いが残っている状態で受験したのでそこそこ楽ができました。
とはいえAIFとは比べ物にならないくらい出題範囲が深く・広くなっているので注意です。
SageMakerに関する問題が多いので、コンソールで触りながら学習すると分かりがいいように思えます。
AWS Certified Solutions Architect - Professional
あらゆるAWSの認定資格の中で一番範囲が広く、それでいてかなり深いところまで聞いてくる印象です。
ギリギリ合格だったので、再度受験した場合は受かるかどうか・・・といった感じがします。
AWS Certified DevOps Engineer - Professional
とはいえ普段の業務でやっている箇所が被ったのも大きく、SAPに比べたら少し簡単といった具合です。
AWS Certified Security - Specialty
Specialtyの中ではいちばん簡単だと思います。
というのも、この資格を受験する頃には大体他の主要な資格を通ってきており、それらの中でもセキュリティ周りは取り扱っていることが多いので、割と既に知っている箇所が出題される率は高いです。
ただ、セキュリティに関する深い知識は問われるので、そこは勉強しておく必要アリです。
AWS Certified Machine Learning - Specialty
AIFとMLAから順番に合格していれば多少前知識のボーナスがあるので簡単に感じるかもしれません。
とはいえSpecialtyなので、込み入った設問は多いです。
あと、ML系の知識は割と新陳代謝が激しいので、過去に受験された方の勉強記事などで扱われている内容が古くなってしまっている率が高いです。
例えばAWS Data Pipeline
などは現在は新規利用はできないです。こういった既に使われなくなった箇所に言及している過去問・過去記事に気を付けないといけないのがこの資格独特な部分かもしれません。
AWS Certified Advanced Networking - Specialty
個人的にはこれが一番難しかったです。というのも、知らないサービスが出題範囲に含まれていたら通常はAWSのコンソールから軽く触ってみて覚えるのですが、DirectConnectをはじめ大規模ネットワーク系のサービスは個人が気軽に試すことができないです。
なので、どうしても座学で知識を頭に入れるしかなく、操作イメージが掴みにくいのが大きいです。
逆にネットワークインフラの構築に近いポジションで仕事されている方にとっては基礎的に思える内容も多いので、人によって体感難易度が違ってくる資格だと思います。
何が得られた?
続いて、全冠取得で得られたものをまとめていきます。
ガッツリ個人の意見です。
計画性・勉強のモチベーション・達成感
全冠を目指す場合、資格数が10を超えているので、よほど詰め込まない限りは長丁場になると思います。
計画立てて勉強を始めてみたものの、模擬試験の成績は振るわないし本業は忙しいし・・・と何かとモチベーションを維持するのは大変でした。
そんな中で、色々ありつつも勉強計画を実行し腐らずにやり切る、という過程はとても意味のあるものだと思います。
全冠を達成できる頃には自信も付きますし、勉強自体が習慣になっているならそのまま別な資格にチャレンジすることもできます。というか早速新しい目標を定めて勉強中です。
AWSに関する幅広い知識が得られる
業務で必要になってAWSを触り始める。というスタートだと、どうしてもその案件やシステムに関わるサービスだけに詳しくなってしまい、全体的には歪な構成になってしまう恐れがあります。
例えばサーバレスがよく分からないので、EC2を立てて馴染みのある構成に落ち着いてしまう。とかですね。
手慣れた構成というのは引き出しとして持っていてもいいのでしょうが、銀の弾丸的なものはないと思っているので、その時その時に最適なインフラ構成は異なってくると思います。
そういったケースで「あの時SAPで勉強した構成が適しているのでは」といった具合に、提案の手数と質は確実に向上したと思います。知らないものは語れないですからね。
公式に名前が載った
業界的にあまり資格を持っているだけでチヤホヤされることはないと思いますが、それでもキャリア的に多少は箔が付くのではないでしょうか。
また、会社の売り出し方にもよるのでしょうが、全冠ホルダーを抱えているということで「AWSに強い会社ですよ」とアピールすることもできます。
まとめ
今回はAWSの認定資格全冠を達成したので、振り返りの意味も込めて各資格に対する感想と、それらから得られたものをまとめました。
今年の8月にはSAPの期限が切れる予定なので、せっかくなら再認定を取って2026年度もAll Certificate Engineerにチャレンジしようかなと思います。
今回の内容が役立ちましたら幸いです。
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