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n8nで業務を効率化しよう

に公開

はじめに

最近n8nを触る機会があったので、n8nとは何か、何ができるのかを簡単に紹介します。

n8nとは

n8n (node automation → nodemation → n8n) は、オープンソースのワークフロー構築・自動化ツールです。GUI上で「ノード」を組み合わせてノーコードでワークフローを組むことも、必要であれば自分でコードを書いて複雑なアルゴリズムを実行することも可能です。

クラウド版は有料ですが、セルフホスティング(かつCommunity Edition)であれば無料で利用可能です。公式のDockerイメージも提供されているため、ローカル環境で手軽に試すことができます。

Node

ワークフローは複数のノードを矢印で繋ぐことで構築されます。多種多様なノードが用意されているので、その一部を紹介します。なお、各ノードの入出力はJSONオブジェクトの配列になっており、これを変数としてノードのパラメータに利用可能です。

Trigger node

ワークフローの先頭にはトリガーノードを配置します。何かしらのアクションによってこのトリガーノードが発火し、ワークフローが実行されます。用意されているトリガーノードとしては

  • webhook
  • 定期実行
  • webフォームの送信
  • 手動実行
    • n8nのGUIから起動。主にテスト用

等があります。

Flow, Data transformation

条件分岐(If, Switch)やチャンクに分割してのループ処理(Loop Over Items)といったワークフローを制御するノードをはじめ、Filter, Limitといったノード出力の加工、AggregateやMergeなど複数ノードの出力を統合するようなノードもあります。

また、uuidの生成や入力値のハッシュ化などの暗号ノード、ファイルの圧縮・解答や画像の加工といったバイナリデータを扱うノードなど、特徴的なノードもいくつか用意されています。

Code node

標準のノードで実現できないような要件がある場合、Codeノードに自前でコードを書くことも可能です。対応言語はJavascriptとPython(Beta)です(2025年8月時点)。

とはいえ、コードノードにあまり多くのことをやらせすぎると、ワークフローを一目見たときに何をしているか分かりにくくなってしまうため、これを使うのは本当に必要なときに留めておくのが良いと思います。


外部サービス

外部サービスとの連携の豊富さも特徴で、Googleスプレッドシート, Slackといった日常業務で使うようなサービスから、AWS, Githubといったエンジニア向けのサービス、果てはOpen AI, AnthropicといったAIサービスとの連携も可能です。当然これら全てのノードもオープンソースで提供されています。

Credential

外部サービスの連携において必要になる認証情報は、「Credential」としてワークフローとは別にn8n自体に保存します。1つのサービスに対して複数のCredentialを保存することができるため、何かしらの連携先の環境を切り替えたい際に便利です。


HTTP Request

もし連携したいサービスが標準で用意されていなくても、認証なし、または認証がシンプルなリクエストであれば、HTTP Requestノードを使うことができます。標準的なHTTPリクエストメソッドの網羅に加え、クエリパラメータ、ヘッダ、ボディも普通に指定できるので、単純なリクエストであればこれで事足ります。

カスタムノード

標準のノードに加えて、コミュニティにより作成・共有されたノードの利用も可能です。

あるいはノードを自作して利用することも可能です(セルフホスティングの場合のみ)。
HTTPノードで通信するには認証が複雑な場合や、コードノードとHTTPノードの組み合わせで組むには複雑な処理をしたい場合に役立ちます。

ワークフローの例

上述したノードを組み合わせることで、様々な業務フローを自動化することができます。

  • 定期実行トリガーで毎日午前9時にSlackの特定のチャンネルからメッセージを取得し、Googleスプレッドシートに保存
  • 顧客からの問い合わせの緊急度や分類をAIに判定させ、結果に応じてSlackでメンション先を変更
  • メールで受信した請求書をトリガーに、OCRで内容を読み取り、Googleスプレッドシートの経費管理表に自動記録、承認者にSlackで通知
  • 名刺スキャンアプリからのデータ受信をトリガーに、CRMシステムに自動登録、営業チームのSlackチャンネルに新規取引先情報を通知
  • WebhookトリガーとHTMLノード、Respond to Webhookノードを組み合わせることで、シンプルなwebページを表示
  • 表示するページに別のwebhookURLへのリンクを仕込み、手動実行したいワークフローの起動用ページを表示

おわりに

豊富な連携先やAI組み込みの容易さ、本格的なワークフローも組める柔軟性など様々な強みがありますが、個人的にはローカルでとりあえず試すのがお手軽な点も大きな魅力だと思います。ぜひn8nを活用して、まずは身の回りの小さな課題や面倒ごとから自動化してみてはいかがでしょうか?

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