可愛い後輩には失敗をさせよ
はじめに
この記事はNEアドカレ19日目の記事です!
皆さんは後輩を育てる時、どんなことを意識していますか?
「厳しく」「優しく」「分かりやすく」「自分で考えてもらう」
などなどやり方はいろいろあると思います。
その中で僕が実際に意識したこと、狙い通りうまく行ったことなどを書いていこうと思います。
誰に何を教えるの?
僕は今のチームでPjMとしてプロジェクトの設計、方針、進捗管理などを担当しています。
プロジェクトを進めるだけであれば自分がやれば問題ないのですが、チームとして成長するにはチームメンバ全員にPjMの視点を持ってもらい自分ごととしてプロジェクトを進めてもらう必要がありました。
そこで後輩達にPjMを体験してもらうことで視野を広げるとともにチームの成長を促そうと考えました。
前提
何かを教える際、最初に知識を蓄えることで失敗を避けるということは手法としてよくあると思います。ですが、その場合知識だけが頭でっかちになり
「なんかこれはダメらしい」
「理由はわからないけどよくない」
「こうしたほうがいいらしい」
など、行動に説明ができない状態になってしまいます。
なので、今回は致命傷にならない計画的失敗をしてもらうことを狙いました。
もちろん計画的な事は本人には内緒で・・・
PjMを育てる:step1「一旦真似をさせる」
まず最初にしたことはシンプルに自分の真似をしてもらうことでした。
朝礼のファシリをお願いしたり、進捗の確認や見積もりを見よう見まねでしてもらいました。
プロジェクトの進行に大幅な遅れが出ないよう、最低限の補助だけするようにしました。
PjMを育てる:step2「盛大に失敗をしてもらう」
見よう見まねでプロジェクトを開始してもらい
「これまずいかも?」
「こうしたほうがいいんじゃない?」
などのアドバイスは一切せず進めてもらいました、当然見積もりが合わなかったり想定外の遅延が発生しあたふたします。
先述の通り、この失敗はあくまで想定した失敗なので致命傷になってはいけません。
プロジェクトが致命的に遅れるようなことがないよう、適度な失敗をしてもらうことが大切でした。
そのために裏ではスケジュールを自分自身でも正しく組みいつ失敗をしても大丈夫な状態を作っておく必要があります。
PjMを育てる:step3「失敗をした上で知識を蓄える」
step1で大失敗をした後輩くん、今回の失敗は計画的な失敗であったことを伝えた上で初めて座学をすることにしました。
座学をするにあたって、失敗の経験があることで実例を出しながら進むことができ、飲み込みがとても早かったと感じました。
「あの時こうすればよかったのか」
「〇〇だからこれはしてはいけなかったんだ」
など、過去の行動とすり合わせができるので非常に効果的でした。
PjMを育てる:step4「失敗を知識を持って活かす」
失敗した経験と正しい知識を持った後輩くん、その状態で次のプロジェクトのPjMも担当してもらいました。
具体的な改善としては
「タスクを細分化する」
「進捗は細かく確認する」
「イレギュラーを想定した見積もりを立てる」
など、一般的に当たり前としてよくあげられる物ばかりでした。
ですが、ここに挙げた改善は知識だけの改善ではなく過去の失敗から挙げられたものです
「なぜこれをしなくてはいけないのか」
を本人が説明できる事こそが一番重要無事です。
これが最大の成果で、理由を説明できるから同じような失敗をしなくて済む、回避できる失敗の範囲を広く持つことができる後輩へと成長しました。
ちなみにこのプロジェクトは改善がうまく効き、遅れることなく期日通りにリリースできました。
教訓
調べれば知識が手に入れられる現代において、べき論を語るのはとても簡単です。
しかし、手に入れた「べき」に対して「なぜ?」を返された時答えられる人が減ってきているのも事実です。
その「なぜ?」を答えられる人たちが次のべき論を出していくことができると僕は考えています。
最後に
今回のような
「後輩にあえて大失敗をさせる」
という育て方は、チームの状態や育てられる側の力量、お互いの関係値に大きく依存すると思います。
フォローやケアを怠れば後輩やプロジェクトが無茶苦茶になってしまう
しかし、経験を詰むことで得られるものは多いというハイリスクハイリターンな手法だと感じました。
もし真似をする場合はチームや教育される側に十分な余裕がある時に試してみてください。
以上、可愛い後輩に(計画的)大失敗をさせたお話でした。
ちなみに実際に「失敗」してもらった可愛い後輩本人の話もこちらから読めます!
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