🧠 AIに「伝わる」日本語の話し方ガイド
「なんとなく通じない」を減らす小さなコツ
AIって、人間みたいに空気を読むわけじゃないんです。
文脈よりも、「構文」や「明示された情報」で判断します。
だから、人同士なら自然な言い回しでも、AIには「あれ?何言いたいんだろ?」ってなることが多い。
でも、ちょっと書き方を変えるだけで、びっくりするくらいスムーズに伝わります。
🎯 基本ルール
① 文を短く、1文1メッセージ
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過去に別プロジェクトで使われていたけど現在メンテされていないNode.js製の社内ツールで使用されているキャッシュ戦略の仕組みを解説してほしいです。
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Node.js製の社内ツールがあります。
これは過去に別プロジェクトで使われていましたが、現在はメンテされていません。
そのツールで使われているキャッシュ戦略の仕組みを解説してください。
👉 文を短く分けるだけで、構造が一気にクリアになります。
👉 “意味のかたまり”ごとに分けてあげると、誤読が激減します。
② 結論から話す
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「コンポーネント設計なんだけど、なんかフォームの作り方がしっくりこなくて」
「再利用できるようにしたい気もする。今のコード貼るから見てみて!」
→ 結論(何をしたいのか)や目的が曖昧。AIは「どんな成果物を出せばいい?」がわかりません。
✅
「ユーザープロフィール編集用のReactコンポーネントを設計したいです。
目的はフォームの再利用性を高めることです。
InputFieldやButtonなど他の画面でも流用できる形にしたいので、構成例を提案してください。」
→ 「何を作りたいか」「なぜ作るか」「どんな方向性を期待しているか」が最初にわかる。
AIには、以下の3点を“先に”示すのがコツです。
| 項目 | 説明 | 悪い言い方 | 良い言い方 |
|---|---|---|---|
| 目的 | 何を実現したいのか | 「ちょっと悩んでて…」 | 「再利用性を高めたいです」 |
| 対象 | 何を扱うのか | 「これ見て(コード)」 | 「ユーザープロフィール編集フォーム」 |
| 出してほしいもの | どんな支援を求めるか | 「どう思う?」 | 「構成案をください」 |
③ 主語と目的語をサボらない
AIは“誰が・何を”が抜けると、混乱しがち。
文脈で補ってくれないので、少し冗長でも毎回書くのが◎。
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「さっきのやってみたけど、うまくいかなかった」
→ 何を? 誰が?
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「私はReactのuseEffect内でAPIリクエストを実行しましたが、データ取得がうまくいきませんでした。」
👉 主語、目的語を足すだけで、AIには信号みたいに伝わります。
④ 否定は要注意(“〜ではない”)
AIは「否定の文構造」を読み取るのが少し苦手。
後半で意味が反転するタイプの文(〜ではない、〜しない)は、解釈がズレやすいです。
❌
「正しいやり方ではない方を説明して」
→ “正しい方”を説明してしまう可能性がある。
✅
「誤ったやり方を説明してください。」
👉 否定ではなく、“肯定文で言い換える”のが安全。
⑤ 除外は要注意(“以外”“を削除して”)
「〜以外」や「〜を除く」など、“除外系の指示”はAIが誤解しやすい。
特に「〜以外を削除して」「〜を残して」みたいな表現は、残す方と消す方を逆に理解されることがよくあります。
❌
「AとBとCのデータがあります。A以外を削除して。」
→ “Aを残す”のか“消す”のか、AIが混乱しがち。
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「Aのデータだけを残してください。」
「BとCのデータは削除してください。」
👉 「以外」や「除く」ではなく、“残す・削除する”などの具体動作の対象を明示するのが◎。
⑥ 「これ」「それ」をやめる勇気
❌
「これを直して」
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「上のコードブロックの3行目を修正してください。」
👉 “繰り返し”は人にはクドいけど、AIには超やさしい。
💬 まとめ
「丁寧」より「構造的」
「省略」より「明示」
「感覚的」より「論理的」
AIには、“ロジックが透けて見える日本語”がいちばん伝わる。
ほんの少し言葉を増やすだけで、「なんか噛み合わない」がなくなる。
今日から、“伝わる日本語”を一緒に育てていきましょう。
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